2007年06月02日

ミステリー:いかにして富が世界に貧困をもたらすのか
〔Mystery: How Wealth Creates Poverty In The World:Original Article in English/ZNet原文

マイケル・パレンティ〔Michael Parenti〕Countercurrents.org;2007年4月26日

説明を要する「ミステリー」がある。すなわち、なぜ過去半世紀に亘り世界全域で、貧困諸国に対する企業投資や対外援助や国際融資が劇的に拡大したのと同時に、貧困も拡大したのか? 貧しい生活を送る人々の数は世界人口よりも早い割合で増大している。これをどう解釈すればいいのであろう?

過去半世紀に亘り、米国の諸産業や諸銀行(及び他の西洋の諸企業)は、「第三世界」として知られるアジア、アフリカやラテン・アメリカのより貧しい地域に大量に投資してきた。多国籍企業を引き付けているのは、豊富な天然資源や、低賃金労働から生じる高利益率であり、また税、環境規制、労働手当や労働安全関連経費のほぼ完全な欠如である。

米国政府は諸企業の対外投資に対する税を免除し、移転経費の一部の支払いを受け持ちさえすることによって、この資本逃避に助成金を支給してきた――ここ本国で職が消失するのを目の当たりにしている労働組合の激怒をまえに。

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タグ:貧困 世銀 IMF
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2007年04月22日

超国籍資本主義
ウィリアム・ロビンソンとのインタビュー
〔Transnational Capitalism
An Interview with William Robinson:Original Article in English/ZNet原文

ウィリアム・ロビンソン&エレフテロティピア〔William Robinson and Eleftherotypia〕;2007年4月13日

カリフォルニア大学サンタバーバラ校の社会学、グローバル・国際学、及び中南米とイベリア学〔スペインとポルトガルに関する研究〕の教授

ギリシャの新聞紙「エレフテロティピア」によるインタビュー

1.新たな形態の権力と新たな形態の抵抗を伴った、新たな段階への世界的な歴史的過渡期を私達は目の当たりにしている、と貴方は論じています。まず、現在の資本主義に関して目新しいことは何でしょう?

この新たな時代の主な特徴は、真に超国籍資本及び、新たな世界的に統合された生産・金融体制の台頭です。生産は無数の絶えず変化する局面へと分裂してきており、それらは地球全域で分権化され分散されました。その結果、いくつかのはっきりとした区分は機能の上で生産と流通の莫大な世界的連鎖網に統合されています。各々の自律的な国家経済は構造改革され、対外的に統合されてきており、それゆえに各「国家」経済はより大規模な世界的生産体制の構成要素の一部に成りました。

さらに現在真に世界的な金融体制があります。国家的な金融体制といったものはもはや存在していません。実際に、資本の中で金融資本は最も流動的で最も多国籍化された部分です。このことには重大な含みがあります。貨幣資本はサイバースペースに存在しており、そこで国境は認識されず、直面するのはたとえあったとしてもわずかな国家統制のみです。貨幣資本は固定資本を副次的なものにします。貨幣資本を支配する者は、金融操作によって世界の如何なる場所においても富を着服し、それらを進行形で世界の別の場所へと移転させることができます。

この世界的に統合された生産・金融体制は、世界の全ての場所において、世界経済を動かしている巨大超国籍企業の周辺で編成された、拡大する資本の相互浸透を強めています。

そこには資本の超国籍化〔transnationalization〕を助長する重大で新たな仕組みがあります。例えば、世界経済の主要な中心地から、世界中の全てでなければ殆どの首都への株式市場の普及は、24時間の取引とあいまって、かつてなく大規模な世界的取引を、したがって株式の超国籍的な所有を助長しています。国家的な金融体制の世界的な統合と貨幣資本の新たな形態は、二次的な金融派生商品〔デリバティブ〕市場も含め、資本の所有を超国籍化することをも容易にしています。

統合の他の仕組みは、海外直接投資の急騰、TNC〔多国籍企業〕関連会社の普及、国境を越えた合併・買収〔M&A〕の目を見張るような拡大、取締役会の超国籍的な兼任の進展、国境を越えたあらゆる類の戦略的提携の普及、そして超国籍ビジネス頂上団体〔peak business associations〕の高まる影響力です。

こうしたやり方で、超国籍資本家階級が資本主義グローバライゼーションの明白な仲介人として現れたのです。

2.あなたは国家的・地域的な資本家がもはや存在していないと言っているのではないですよね?

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posted by Agrotous at 22:23 | TrackBack(0) | 世界
2006年10月20日

世界規模の階級闘争
〔The Worldwide Class Struggle :Original Article in English/ZNet原文

ビンセント・ナバロ〔Vincent Navarro 〕Monthly Review ;2006年9月27日

階級的実践としての新自由主義

我々の時代の特徴的な印は、先進資本主義諸国の主要な経済・政治・社会フォーラム及び、彼らが支配する国際機関――IMF〔国際通貨基金〕、世界銀行、WTO〔世界貿易機関〕や、国際連合の専門機関、例えば世界保健機関、食糧農業機構やUNICEF〔ユニセフ〕等――における新自由主義の支配である。カーター政権時の米国において開始された新自由主義は、レーガン政権及び、英国のサッチャー政権を通して、その影響力を拡大させ、国際的なイデオロギーになった。新自由主義の原理(だが必ずしも実践ではない)が仮定するのは以下である。

  1. 国家(あるいは一般用語では誤って「政府」と呼ばれているもの)は、経済及び社会的諸活動における干渉主義を縮小する必要がある。
  2. 市場の莫大な創造的活力を解放するために、労働と金融市場は規制緩和〔撤廃〕されるべきである。
  3. 労働、資本、商品やサービスの完全なる流動性を許すために、国境や障壁を排除することにより、商業と資本投下は奨励されるべきである。

新自由主義の識者らによれば、以上の3つの教義に従い、これらの実践の世界的な履行が「新たな」過程の展開に及んだのである。つまり、社会的進歩の新たなる時代と結び付けられた、世界中に及ぶ莫大な経済成長の期間をもたらした経済活動のグローバリゼーションである。我々はこう告げられる。歴史上初めて、我々は世界的な経済を目の当たりにしているのであり、そこでは国家は権力を失っており、現在世界の経済活動の主要な構成単位である多国籍企業を中心とした世界経済によって取って代わられている、と。

グローバリゼーションの過程に対する称賛は、左翼のある分野のあいだにも現れている。マイケル・ハートとアントニオ・ネグリは、広く引用された『帝国』(ハーバード大学出版、2000年原著訳書)において、彼らが資本主義の新たなる時代と見なすものの意義深い創造性を称賛する。彼らの主張では、この新たな時代は時代遅れの国家構造から絶交し、彼らが帝国主義秩序であると規定する新たな国際秩序を確立する。彼らは更に、いかなる国家も優位に立つことなく、あるいは覇権的になることもなく、この新たな秩序は維持される、と主張する。したがって、彼らはこう記す。

我々が強調したいのは、帝国の確立が過去の権力構造を基にした郷愁的な諸活動の排除へと向かう建設的な一歩である、ということである。つまり、我々は過去の状況――例えば、世界的資本から人口を保護する手段としての国民国家の復活――へと我々を戻そうとする全ての政治戦略を退ける。新たな帝国主義秩序は、マルクスが資本主義は生産の形態であり、それが取って代わった形態よりも社会的に優れた形態であると信じたのと同様の仕方で、先立つ制度よりも優れている、と我々は信じる。マルクスが掲げた観点は、資本主義社会に先行した偏狭な地方主義や固定的なヒエラルキーに対する健全な嫌悪感、及び資本主義に備わっていた解放の莫大な可能性の認識を基にしていた。(39)

ハートとネグリの立場では、グローバリゼーション(すなわち、新自由主義の教義に従った、経済活動の国際化)は、いかなる国家あるいは諸国家も、それを指導あるいは組織することなく運営される世界的な活動を奨励する国際的な制度と化す。グローバリゼーションと新自由主義に対するこの様な感服し、へつらった観点が、マルクス主義から理論的立場を引き出したと主張する書籍に好意的な書評では知られていない、ニューヨークタイムズ紙の書評家エミリー・エーキン〔Emily Eakin 〕や、その他の主流評論家から『帝国』が得た肯定的な評価の説明となる。現にエーキンは『帝国』を、世界がその現実を理解する必要のある理論上の枠組み、と評している。

新自由主義識者らと共に、ハートとネグリはグローバリゼーションの拡張を褒め称える。一方他の左翼識者らは、グローバリゼーションを世界の拡大する不平等と貧困の原因であると考え、その拡張を祝うどころか嘆いている。ここで強調すべきことは、この後者の分派――そこに含まれるのは例えばスーザン・ジョージやエリック・ホブズボーム――がグローバリゼーションを嘆き、新自由主義の考えを非難するとはいえ、彼らは新自由主義の基本的な前提を新自由主義識者らと共有している。すなわち、多国籍企業の力が国家のそれに取って代わった国際秩序において、国家が権力を失っている、ということである。

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posted by Agrotous at 21:56 | TrackBack(0) | 世界
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