2005年11月12日

以下は「ベネズエラに対する米国の介入の仕組み第二部」の続きです。

第1部:ベネズエラに対する米国の介入の仕組み

第2部:政府の計画を偽装する米国民間企業体系の利用

第3部:以下

第1部〜第3部の単一HTMLファイル

Rebelion.org(スペイン語原文)


ベネズエラに対する米国による介入の仕組み第三部
ベネズエラにおける共和・民主両党基金とのUSAIDの4つの契約書の分析
〔Analysis of Four USAID Contracts with Republican and Democratic Party Foundations in Venezuela:Original Article in English/ venezuelanalysis原文

フィリップ・エイジー〔Philip Agee〕;2005年9月11日


2.不信任国民投票と、その後起こりうる選挙を監視する、政治政党選挙監視人を組織・訓練するための、AID及びOTI〔以下AID/OTI〕の国際共和研究所(IRI)との契約

この2003年9月15日付けの契約書は、不信任国民投票と、反対派が勝利した場合、新たな選挙を行うという、2003年5月の〔ベネズエラ〕政府と反対派の合意に起因する。2003年9月から2004年9月の期間に対する金額は28万4989ドルであり、IRIは3ヶ月毎に、財務と経過をOTI〔移行イニシアティブ室〕に報告する義務があった。

この25ページの文書の序文で、OTIは契約に含まれている活動は「比類なく」、そして「ベネズエラの現在の政治的状況は極めて稀であり、前例のない組織調整を要する」と認めている。それゆえに、大使館のOTI代表者とのIRIの「緊密な共同参画」が、計画成功のために欠くことができない。それはまた、「ベネズエラの危機において、平和的、民主的そして選挙による解決を支援するという目標を達成するため」OTIが複数の団体を通し働く、と付け加えている。また、「被譲与者らの努力が繰り返されないよう、そしてベネズエラの繊細な政治的水域において操舵できるよう」AID〔米国国際開発庁〕はワシントンに調整委員会を設置する、と付け加える。これらと同じ段落は以下の3つの更なる契約書にも記載されている。〔以下の数字は本記事の項目番号に対応している〕 3)OTI/IRI;4)OTI/NDI;5)別のOTI/NDI契約書。上記全てが不信任国民投票と、後に起こりうる選挙に関連した諸計画を決定する。

ワシントンにあるIRI本部により提出され、契約書に含まれた計画説明によれば、カラカスのIRI事務所は1つの組織と、異なる政治政党に所属する自発的な選挙監視人のための訓練計画を立てることに合意した。その計画の必要性は、ベネズエラの選挙組織の信頼性に対する疑念に基づいていた。すなわち、「論争と緊張状態が高まるなか、投票の本来のあり方を保証することを手伝うべく、来る不信任国民投票と、起こりうる選挙のために然るべき抑制と均衡〔checks and balances〕が整えられなければならないことは明白である。政党の選挙監視人は、選挙過程の透明性と信頼性を保証する上で、主要な役割を果たすであろう。」

それは続けて、「投票の安全確保と、投票の正確さに対する公衆の信頼についての秘訣は、政治政党選挙監視人である。この地域と世界中でのIRIの経験は、投票所に立つ政党代表者が不正に対する最善の抑制であることを示している」と述べる。

契約書は選挙監視人に対する訓練課程に出資し、IRIと、意味深いことに名前が挙げられていないが、既にワシントンのAID/OTIのCTOであるラッセル・ポーター氏に「より承認」された「現地の非政府組織(NGO)」により組織される。(その明記されていないNGOはおそらく、NED〔米国民主主義基金〕により創設され、不信任投票を促進したうちの主要勢力であった、反チャベス派の市民組織スマテであろう。)契約書によれば、このNGOは、他の人々の訓練者となるよう養成される有給の志願者を集める為、全てのベネズエラ政治政党と接触する。1週間続く研修会は約50人の志願者を教育する。これらの新しく志願した講師らは、カラカスと、スリア州、カラボボ州、タチラ州とアンソアテギ州の州都に配属され、そこで彼らは、不信任投票の日と、反対派が勝利した場合、新たな選挙の日に投票所に割り当てられる他の志願者の準備をさせる。

契約書は、計画を指導する対外全国計画責任者〔Foreign National Program Coordinator〕と全ての志願講師が、雇用の事前承認をワシントンのOTIのCTOから得ることを義務付けている。IRIがベネズエラ組織との下請負を通して、金の分配をすることもまた、CTOによる事前承認を必要とする。加えて、契約書はIRIが3ヶ月に一度財務と進展の報告を、そして計画に影響を及ぼしかねない問題については即座の報告を提出することを義務付けている。

不信任国民投票における選挙監視人の役割は、いかなる不正行為も発見し、確認し、報告するために、投票手続きを厳密に観察することである。不正行為を報告する手順が、契約書の最も興味深い部分である。どの志願者も、彼あるいは彼女の政党や選挙機関にではなく、IRIのNGO協力者のみに不正行為を報告する義務がある。そのNGOが詳細をカラカスのIRIに送り、それを受けてIRIは志願者が目撃した詳細を英語でワシントンのOTIのCTOに報告する。そして、そのCTOがどの情報が発表され、それをどう発表するのかを決定する権限を持ち、その点についてカラカスのIRIに通知する。CTOによる承認を得て初めて、IRIは協力者のNGOがその情報の公表のため、政治政党の1つに通知することを許可する。明らかにこの契約書は、この作戦の完全な指揮権をワシントンのAID/OTIに与えており、彼らは、疑いなく国務省と連携して、もしそれが望むなら全国選挙評議会を除いた、志願した監視人の組織網により集められた情報の利用方を決定する。

3.不信任国民投票と、後に起こりうる選挙を目指し、政治政党を強化するための国際共和研究所(IRI)とのAID/OTIの契約

2003年9月15日付けのこの契約書は、ベネズエラの政治政党に、選挙戦をいかにして組織するのかを教える、カラカスのIRI事務所の計画に出資するためである。これもまた不信任国民投票と、反対派が勝利した場合新たな選挙を行うという、政府と反対派の合意に起因する。それは45万ドルを供給し、2004年9月まで有効であった。契約書はIRIが年4回の、進展と財政の報告をワシントンのOTIに作成するよう義務付けた。

IRIにより書かれ、この26ページの文書に添えられた計画説明は、IRIがベネズエラの政治政党を「強化する」という目標のため、1999年以来計画を実行してきたことを論評している。政党の名を挙げないまま、それは関与している政党が「全政党」に及ぶと述べる。この計画はカラカスのみならず、スリア、カラボボ、アンソアテギ各州において実施されている。NEDと国務省に出資された、この既に存在する計画の主な焦点は、全国世論調査の方式、政治要綱、そして諸政党内の民主化の開発である。

NEDの替わりにAID/OTIにより出資された、この契約が扱う新たな計画は、不信任国民投票と、後に起こりうる選挙の準備のみに専念している。目標は全国を及ぶために、カラカス、スリア、カラボボ、アンソアテギ、タチラでの1週間の政治学習課程を伴う地方の研修会の設置である。全ての政党の指導者と選挙運動家が参加すべく招待され、学習課程は2つの段階を踏む。一段階目において、授業は、「議論と公開討論の場のための候補者の準備、運動発展の異なる段階、そして政党の弱点を克服し長所を利用する戦略を含めた、強力な政党運動の組織」をいかにして作り出すのかに焦点を当てる。

二段階目に授業は、「彼らが効果的に役割を果たすべきである、政治的環境をさらに理解」する為、世論調査と人口・社会・経済統計の研究の準備と解釈を通した政治的調査に焦点を当てる。契約書は学習過程に含まれ得る12の題目の一覧を含んでいる。例えば、組織的活動の編成と構成、活動の一般人員の募集と動機付け、有権者登録一覧の利用法、連合の構築、活動計画の展開、〔同じ投票行動にでる〕一連の投票者〔voter blocks〕の確認と目標設定、活動資金と資金調達の開発、そして戸別調査の組織などである。

この計画のためIRIは、信任投票と、起こり得る選挙運動を通した契約の全期間を任される、対外全国計画責任者として、ワシントンのCTOにより事前に承認された外国の専門家を雇う。この人物は、彼あるいは彼女の全ての時間を計画に捧げ、カラカスのIRI事務所で働き、国中を旅し、政治政党党首らとの接触を保つ。IRIもまた、講義をし、講座の後に続けて行う課業を行う政治的選挙運動の専門家らと契約を結び、中南米、欧州と米国から彼らをベネズエラに連れて来る。彼らは国際政党養成専門家と顧問〔International Party Training Experts and Advisors〕と呼ばれ、それぞれの雇用には同様にワシントンのCTOによる事前の承認を要する。

この契約書の「結論」には、IRIが同じ様な政治・選挙の養成講座を、グアテマラ、ペルー、カンボジア、インドネシア、ナイジェリア、マケドニア等の諸国において組織したという解説が添えられている。

4.反対派政治政党間の連合を助長し、それらの政党を強化するための米国民主党国際研究所(NDI)とのAID/OTI契約

2003年9月24日付で、2004年9月まで有効である、この32ページの契約書は、「連合を構築し、政治政党を強化する」ために、55万ドルをカラカス事務所のNDI計画に割り当てた。この計画もまた不信任国民投票と、不信任投票が成功した場合、続けて選挙を行うという、2003年5月の政府と反対派の合意に起因する。契約書はNDIが3ヶ月毎に、AID/OTIに計画の財務と進展を報告することを義務付けている。

計画の目的は、「ベネズエラの政治政党が連合の構築に従事し、よりいっそう代表的、包括的、党内の民主度を上げ、そして倫理的になることに補佐する」ことである。この計画の必要性は古い政治体系の崩壊という見地から表現されている。すなわち、「しかしながら、新たな政治運動と、内的な亀裂により悩まされ、信頼性と資金が不足した伝統的な政治政党は、チャベスの指導力に対する説得力のある代替案を提示することについて無力であることが判明した。」従って、「答えとして、NDIは中心的な政治諸政党と運動による内部改革と再生努力を促進していく。」

契約書に含まれた、NDIによる計画の記述は政治状況についての論評から始まる。「政党体系の崩壊は、依然としてベネズエラの政治的手詰まりの根本原因のひとつである。」「近年、ベネズエラ社会はウゴ・チャベス大統領の大衆主義政策と権威主義的な指導をめぐり分裂してきた。」「ウゴ・チャベス大統領はベネズエラの歴史上、最も論争の的となり、分極化させる指導者のひとりとして登場した。」1998年に、「国の伝統的な指導者らに深く幻滅した選挙民により、チャベスはさっそうと政権の座に就いた。」「公職に就いた途端、チャベス大統領は上院を廃止し、大統領職の権力を著しく拡大し、政治政党と伝統的な非政府組織(NGO)に対する公共の財政的支援を一時的に停止し、彼自身の『ボリバル主義』社会組織の一群を創設することにより、素早く権力を強固にした。彼は議論を呼ぶ土地改革の方策を遂行し、司法体系を政治化し、メディアにおける彼の批評家を攻撃した。」

契約書はこの計画の下に提案された活動の一覧表を示し、続ける。

a)反対派政治政党と運動との連合の構築。例としてNDIは、連合の形成を話し合う、反対派の代表による戦略的な会合を準備する、というコスタリカ大統領による提案を検討している、と文書は述べる。ベネズエラにおける計画は、連合形成の交渉と共通した戦略の開発についての顧問、政党間の連絡手順の設計、連合に対する他の団体からの支持を引き寄せる計画、諸政党を結び付ける共通の綱領の開発、連合の指導部と将来の選挙における候補者を決定する手続きの設計、そして不信任投票後の連合の指導力に関する案で構成されている。

これらの顧問のためNDIは、それ自身のチームの専門家と、チリ、ニカラグア、ポーランド、チェコ共和国などの他の諸国で連合の構築を経験してきた専門家と政治的「技術屋〔practitioners〕」をベネズエラに連れて来る。

b)チャベス連合との不信任国民投票の支持の促進。「チャベス政権内における不信任国民投票に対する支援を確実にするため、NDIはチャベス大統領の政党であるMVR〔第五共和国運動〕の改革派を探し出し、信頼醸成措置〔confidence-building measures〕が欠かせなかったアルゼンチン、チリ、ニカラグア、ポルトガル、スペインなどの国で技術屋や専門家が学んだ教訓を分かち合う。これらの技術屋は、チャベス大統領の〔革命の〕過程に対する約束についての疑念を取り除くため、事前に対策を講じた上での公の処置を取ることの重要性を強調する。」

c)政治政党と運動の構築と再建。計画のこの部分はNDIが既に進行させており、2003年9月までNEDにより出資されていた活動の継続となる。それを構成するものは、「若者、女性、人種的少数派、そして貧者」等の「十分に代表されていない」部門に裾野を広げるといった様な領域において、政治諸政党を手助けするため、ベネズエラに「国際的な技術屋」を連れてくる事や、「州・地方の支部の強化、倫理と透明度、政治交渉、政党内の意思疎通、連合構築、政治政党と市民社会との間の関係である。」この計画に指名された政党はAD、COPEI、MAS、正義第一、ベネズエラ計画、そしてチャベスの党である第五共和制運動である。

d)世論分析。諸政党との活動を支援するにあたり、NDIはConsultores 21の様なベネズエラ企業の助けと共に、アルゼンチンの調査会社Romer and Associatesと契約を結ぶことにより、世論調査を行う新しい方式を確立する。

この計画を遂行するためにNDIはカラカスの事務所に、政治政党と選挙についての広範な経験を持った全国担当理事を雇う。計画補佐1人も雇用される。これらの任命はワシントンのAID/OTIのCTOによる事前承認を得なければならない。同等の承認は、NDIが海外からベネズエラに連れてこようと計画している全ての技術屋、専門家、顧問に義務付けられている。最後に、NDIは密接にIRI及びアトランタ市の〔ジミー・カーター元大統領が創立した〕カーターセンターと計画を調整することを誓約する。

5.選挙過程を監視することとなるベネズエラ非政府組織の集まりを通して、不信任国民投票と、起こり得る選挙の信頼性を保証する為の米国民主党国際研究所(NDI)とのAID/OTIの契約

この34ページの契約書の有効期間は2003年9月から2004年9月までであり、AID/OTIがIRIとNDIとの間で取り交わした他の契約と同様に、不信任国民投票と、続く選挙を生じさせ得る不信任投票を行うという、2003年5月の政府と反対派の合意の結果である。金額の総計は769,487ドルだが、契約上NDIはベネズエラ及び国際的な対象から追加の資金を求めることを余儀なくされている。このことが、CIAがこの計画に資金を流す手段を与えている。この計画の狙いは、不信任国民投票の投票以前から以後までを監視することとなるベネズエラNGOの集まりを確立し、出資し、養成し、指導することである。計画の資金は同様にこの組織体を支援し、それは反対派が不信任投票に勝利した場合に起こり得る大統領選挙のためと、さらにその先まで、この組織体の長期的な永続性を保証するためである。契約書が、計画の相応しい協力者として言及するベネズエラNGOは、「スマテ(〔団体名の意味〕ぜひ参加を)」、「Red de Veedores(監視者の組織網)」、「Mirador Democratico(民主的観察者)」、「Queremos Elegir(私たちは選びたい)」そして「Ciudadania Activa(活動的市民)」である。

この計画によりNDIは、この無名の市民選挙組織に参加する諸NGOに、不信任投票の全過程に及ぶ多様な作業の訓練と任務のため、数千の志願者を引き寄せることを望んでいる。目標は同時にある問題を解決することにある。すなわち、「ベネズエラ人は不信任国民投票や選挙過程の行政機関に信頼を置いておらず、選挙機関や他の国家機関に偏向があることを当然だと感じている。そこには、選挙日の投票や集計の操作が含まれる。」

NDIは計画の説明に、20年にわたり同じ様な選挙監視計画を65の諸国において実行してきたと記している。ベネズエラでは1995年以来従事してきており、「選挙改革と選挙監視率先のうえで、ベネズエラ市民団体を手助けしてきた。」契約書は「Escuela de Vecinos de Venezuela(ベネズエラ隣人学校)」と「Queremos Elegir」がベネズエラの協力者の内の2つであると言及している。NDIはこの計画の目標は「来たる不信任国民投票と選挙過程での、市民の信頼と参加を促進する」ことであると主張する。

この計画を実行するに当たり、NDIは、「計画の全ての側面について」、関与するNGOに毎日助言を与える現場代理人〔Field Representative〕を雇う。それと同時に現場代理人はNDIと「El Acuerdo de Lima(リマ合意)」と呼ばれる選挙監視組織網の中南米構成員を含む、外国専門家の訪問と予定を準備する。AID/OTIの全ての契約と同じく、現場代理人と全ての専門家と顧問の採用には、ワシントンのCTOによる事前承認を必要とする。同様に、関与するベネズエラNGOに資金を与えるため必要な全ての下請負も、CTOの事前承認が義務付けられている。

計画説明でNDIは、NGOの連携を形成する時の手順を列挙する。それらには著名で尊敬された市民活動家、大学教員、実業界指導者と聖職者などで構成された重役会の形成が含まれる。それらの人々は多様な民族、宗教、ベネズエラ社会の地理的・社会的な区域を代表し、NGO連合に名声と信頼性を与えるはずである。別の手順は、決定を下したり、代弁者を選んだりする方法や、同様に運営、資金の管理、宣伝活動や新参者募集の様な任務についての合意である。活動の計画表を含む作業計画作成や、政府と選挙委員会、政治政党、メディア、国際監視団、国際組織体、一般的な公共とを連結する計画の作成もまた必要となる。最後に、ベネズエラと国際的な寄贈者から資金を集める仕組みを組織することも必須である。

この計画の説明は続けて、選挙前の期間中と選挙日に完了させる活動、そして短期・長期の選挙後の活動について数ページに亘り詳しく述べている。興味深い点は、公式の集計が完了する前に、可能性がある結果を素早く集計する方法である。この方法は、公式集計が利用可能になる前に、可能性がある結果を推定し得る投票所の選抜を基にしている。文書によれば、開票速報の意図は、「1)行われた時点で選挙不正を確認と同時に摘発し、起こり得る不正の発生を妨げることと、2)選挙結果についての公共の信頼を向上させ、選挙後の衝突の可能性を縮小させることである。」開票速報結果の利用には、「公式の集計に対して独立した調査を提供する」という告示が含まれ得る。

NDIは、最初の選挙監視行事、つまり不信任国民投票の後にも、このNGO連合が継続することを重要視している。選挙過程を挟んだ期間中、作業評価、計画立案や市民活動を通して、国中の数千の志願者を活動的で、なおかつ興味を失わないよう、NGOが保持するべきであると強調している。この契約書は述べてはいないが、他の諸国で起きたように、明らかにこのNGOの市民連合が政治政党へと形を変える可能性はある。

D.論評と結論

http://www.venezuelafoia.infoにおいて公表されている機密解除文書によれば、ここで分析した契約は、米国政府機関と政治的反対派のベネズエラ組織体との間で合意に至った、数十あるなかのたった5つである。とは言うものの、それらは、米国大使館、AID及びワシントンの国務省の指揮下にある、カラカスのIRI、NDIそしてDAIの事務所による、ベネズエラの政治過程に対して進出し操作する、途方もない試みを明らかにしている。CIAが果たした役割は明らかになっていないが、秘密の財源支援と他の支援事業にCIAが関わっていることを確信していいだろう。ベネズエラのDAI作戦が実際はCIAの隠密作戦であるという、かなりの可能性がある。

ここで分析した文書が明らかにしていないことは、どの機関が異なる活動と受益者に支援を割り当てるのかを決定する規準についてであり、言い換えれば、どの資金がNEDとその連携基金を通して流されるのか、どれがAID/OTIによりIRIあるいはNDIに直接流れるのか、そしてどの資金がDAIを通して流されるのかである。いずれにせよ、これはワシントンにおいて、介入に関与する全ての機関を代表する委員会により下される集合的な決定であり、その決定は義務を割り当て、作業の繰り返しを回避するよう試みる。

ここで分析した全ての計画は、ボリバル革命に反対する政治政党、及び複数の建前としては超党派だが、実際にはチャベス大統領の計画に同様に反対する市民団体を開発、強化する目標を掲げている。活動は民主主義の支援を装うが、受領組織体の指導者の数人は、2002年4月の失敗に終わった束の間のクーデターの最中に、ベネズエラの民主主義を撤廃したカルモナ法令に調印した。

契約書はチャベス大統領と彼の計画に対する軽蔑を示し、ベネズエラにおける「危機」と両極化を彼のせいにしている。同様に、全国選挙評議会への不信を示し、不正を発見し糾弾するため、選挙過程を綿密に監視する必要性を強調している。これら計画の目標の中で突出しているものは、選挙運動のための新たなメンバーと新たな有権者を引付け得る、反対派政党の連合形成である。調査した契約は1年、DAIの場合は2年続くのだが、それは延長可能であり、あるいは新たな契約が活動の継続を可能にする一方で、変化する状況に応じて必要な調整が出来るのである。

米国は中南米の一般民衆の勢力が権力を握ることを決して許さないのだから、ベネズエラにおいて現在の政治過程が続く限り、これらの諸計画が継続されることは疑いがない。1983年のプロジェクト民主主義採用以来、米国は世界中の多数の国において、米国の政治的な階級と利害を共にし、米国が押し付けようとする「買収民主主義〔bought democracy〕」に乗じる事のできるエリートが支配する、親米の「民主主義」を確立し強化しようと試みてきた。このやり方により米国は、働く人々の真に民主的な政府が、その公益を主張するという脅威を排除することを目指しているのである。2005年1月8日の上院外交委員会での、ベネズエラとキューバについての敵意のある意見の中で、ライス国務長官はこの政策を強調した。2日後、二期目の就任演説のなかで、ブッシュ大統領は米国が対外政治介入を最優先すると再び断言した。この2人と他の人々は続く数ヶ月の間、政権の根本的な計画としての「民主主義の促進」を力説した。中南米では、近年の民衆を代表する勢力による選挙の勝利という展開に対抗する為、この計画の増大が予想される。

チャベス大統領の連合は、1980年代のニカラグアで、サンディニスタ戦線の政府にはなかった、2つの意義深い点で有利な立場にある。一番目は石油収入のおかげである成長する経済である。このことが、ミッションと呼ばれる社会福祉諸計画の成功と、国民所得の再分配の開始を保証した。もう1つの有利な点は、住民を恐怖で圧倒し虐殺する一方で、経済を破壊する国内のゲリラ戦争が起きていない事である。

とは言え、大量のドルが反対派に流れ続けており、2005年と2006年には選挙運動のため、この資金は増大するであろう。チャベス連合と反対派の間の接戦を引き起こすには、2004年8月の不信任国民投票の結果から、10%の変動のみで十分なのである。知っておくべきことは、米国にとって2006年の大統領選挙は既に始まっており、もし彼らが「国民救済連合」という様な、反対派政党の連合を達成したなら、1989年と1990年に類似した介入主義者の活動が起きていたニカラグアと同じく、予期しないことが起きるのは有り得ないことではない。

米国では、選挙に影響を与えることとなる外国の資金を要請、または受け取ることは犯罪であり、ベネズエラにも同種の法律がある。2004年にベネズエラ政府は、チャベスに対する不信任投票を促進する為、NDIから資金を受け取ったスマテの指導者らに対する刑事訴訟を開始することにより、米国の介入に反応した。この動きは予想通り、米国大使、NED、議会の議員から、スマテに対する支持の言葉を引き起こした。だが、2005年7月に、裁判官はスマテの4人の指導者に対する訴訟が係属できると裁定した。(スマテ訴訟についての情報はhttp://www.venezuelanalysis.com/articles.php?artno=1500を参照せよ〔英文〕。)

ベネズエラ政府は常にNDI、IRI、DAIの事務所を閉鎖し、そこで働く米国市民と他の外国人を追放する選択肢を持つ。その様な行動は、完全なる正当性があるとはいえ、間違いなくワシントンから激怒の叫びをもたらすであろうが、かといって作戦に終止符を打つこともしないだろう。3つの事務所はおそらくマイアミに移転され、そこでベネズエラの協力者に資金を配布し続けるだろう。とはいえ、そうなると、ベネズエラで彼らが資金援助する活動を指導することは遥かに難しくなり、会議のためマイアミとカラカス間の頻繁な旅行が不可欠となる。いずれにしても、ボリバル革命を阻止し、古い少数独裁政治家が政権に復帰することを可能にする米国の介入政策は変わらないのである。ベネズエラに貧しい者の利益を優先し、キューバ革命との強固な関係を維持し、米国抜きの地域統合を促進する政府がある限り、その政策は継続するのである。

ドーン・ゲーブル〔Dawn Gable〕によるスペイン語英訳



補足:

阿修羅」という投稿サイトの中で、ある投稿者の方が指摘しているとおり、当記事のスペイン語原文のタイトルは「ボリバル革命に対する米国の静かなる介入」である。



posted by Agrotous at 00:10 | TrackBack(0) | ベネズエラ
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