2008年03月04日

コロンビア、FARCのラウル・レジェスを暗殺
〔Colombia Assassinates Raul Reyes of FARC:Original Article in English/ZNet原文

ジャスティン・ポドゥール〔Justin Podur〕;2008年3月2日

FARC(コロンビアのゲリラ組織〔コロンビア革命軍〕)のナンバー2であり、その組織の中でおそらく最も顕著な代弁者、ルイス・エドガル・デビア・シルバ〔Luis Édgar Devia Silva〕、又は「ラウル・レジェス」(通称)が昨日コロンビア軍による爆撃で殺害された。コロンビア軍自体による報告によれば、軍はラウル・レジェスを含む15名ほどのゲリラを殺害したという。その報告がほのめかしていることは、それが基本的に暗殺であったということである。それはイスラエルがごく最近の例ではヒズボラ幹部のイマド・ムグニヤに対して行ったと非難されている、ここ数十年間に犯してきた類に入るものである(実際にウゴ・チャベス・ベネズエラ大統領はその類似性に言及し、コロンビアがアメリカ大陸のイスラエルに変貌するのであろうかと訊ねた)。コロンビア全国紙エル・ティエンポによれば、「レジェスが殺害されたのは、そのゲリラ司令官からの衛星電話を傍受した陸軍及び空軍が関わる諜報活動においてであり、そのことが彼が潜伏していた場所を正確に突き止めることを可能にした。」

ラウル・レジェスはエクアドル領内で暗殺された。エクアドル軍が複数の遺体を収容した一方で、コロンビア軍がラウル・レジェスと他のFARC兵士らの遺体を収容した。

エクアドルはコロンビアから大使を召還させている。

ベネズエラもまた大使館を閉鎖した。

エクアドル及びベネズエラは両国ともコロンビアとの国境へ軍隊を派遣した。

ラファエル・コレア・エクアドル大統領はウリベ〔・コロンビア大統領〕を「麻薬政府」を率いる「準軍組織、犯罪者、マフィアの一員」と糾弾した。

「我々は戦争を望んでいない。とはいえ帝国〔米国〕やその子犬であるウリベ大統領が我々を弱体化することを許さない。」これは3月2日に放送されたベネズエラのラジオ番組「こんにちは大統領」でのチャベスの発言である。チャベスはラウル・レジェスを「素晴らしい革命家」と呼び、この殺害は「卑劣な暗殺」であると述べた。更に彼は「ある国が不法にも隣国の領内を爆撃し、遺体回収のため侵略する権利を有しているとして、多数の国際法を侵害するような事態は由々しいことである。コロンビアのためのみならず、近隣諸国のためにも、その帰結を考えるべきである」と述べた。

ベネズエラ政府の公式文書は次のように記した。この暗殺は「人道的な講和及び交渉の可能性に対する大打撃である。また軍事力の行使を辞さないことで、武力衝突をエスカレートさせ、政治的及び交渉による解決をますます困難にさせ、その帰結を考慮しない者たちの無責任さを露呈した。」

この暗殺は文字通りFARCによる2度目となる相互的でない人質解放に対する返答であった。解放されたのは元国会議員4人であり、その交渉はベネズエラの協力を伴い進められた。従ってそこにはイスラエルとの類似が多数ある。第一に、先端技術を用いた長距離からの高官の暗殺という戦術。第二に、「付随被害〔Collateral Damage 〕」として、周囲にいる数十名を殺害すること。第三に、対話や交渉による解決を頓挫させるべくその様な暗殺を行使することである。

今回の事例では、その地域のその他多くがそうであるように、標的はベネズエラであり、目標は地域紛争の段階的な拡大――あるいはより正確にはコロンビア国内で起きている軍事紛争の激化及び国際化である。その様な紛争は当事者すべてにとって非常に破壊的な結果に至るであろう。コロンビアとコロンビア人にとって、ウリベと彼の政権にとって、そして当然ながらベネズエラの革命にとって。しかしながら米国は利益を得るであろう。類似した政治状況下で同一の戦術を米国の同盟国が米国の敵国に対して用いる時、米国の関与を疑うのは最もである。

2003年のイラク侵略から2006年のレバノン侵略、そしてガザにおける進行中の虐殺まで、中東における米・イスラエルの手段は、優越した軍事力を用いて残虐行為や暴力行為を行い、その結果生じる政治・軍事的な機会を利用するというものであり続けてきた(これはナオミ・クラインが「ショック・ドクトリン」と名付けたものと軍事的に対を成すものである)。これが仮に政治的に裏目に出たり、軍事資源を浪費させたりした場合でも、こうした暴力的な手段はその立案者たちよりも遥かに犠牲者たちに損害を与えてきた。彼ら〔立案者ら〕は更なる暴力がうまく行くと信じる理由があると引き続き考えている。

暗殺を実行した後にイスラエルが当てにする政治的機会のひとつは、パレスチナの武装グループによる手当たり次第の暴力行為であり、それが起きた後にそれを利用してパレスチナ人らをテロリストとして非難するのである。FARCに告げられたことは、彼らが一方的に人質を解放した場合、その返答は彼らの司令官の暗殺である、ということである。この紛争に対する唯一の解決策は政治的なものであると信じる者たちは、彼ら〔FARC〕に何と言えばいいのであろうか?

もし暗殺が容認される政策の手段として見なされなくなれば、それは世界情勢における重要な改善になるであろう。特に中東において、またおそらく益々アメリカ大陸においても。こうした状況下、この地域にとっての短期的な望みで最善のものは、ウリベ政権(そしてその政権を牛耳る者たち)が行ってきたことに対する公式・一般の反感がアメリカ大陸全域で噴出することである。

ジャスティン・ポドゥールはトロントを本拠地とする著述家。

posted by Agrotous at 20:01 | TrackBack(0) | 中南米全般
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