2005年09月21日

ある米テレビ伝導師による暗殺の呼びかけや、護衛と医療チームに対するビザの発給妨害などにも関わらず、ウゴ・チャベス・ベネズエラ大統領はニューヨークにおける国連総会に出向き、演説をした。チャベスが演説を終え「ベネズエラ代表団の席に着くまでひときわ大きな拍手が鳴りやまず、米政府代表はぶぜんとした表情」であり、「次の発言者、ウルグアイのバスケス大統領は壇上で『チャベス大統領のあとでは話しづらい』と苦笑」したという(引用元)。その演説の全文を翻訳・掲載。翻訳にはZNetのスペイン語の英語翻訳記事に加え、VHeadline.comに掲載されたネストル・サンチェス(Nestor Sanchez)による英翻訳記事も参考にした。なお、この演説の模様は国連のウェブサイトで観覧可能(スペイン語ストリーミングビデオ英語ストリーミングビデオ)。

注:この演説は2005年のものです。2006年のチャベス大統領の演説全文翻訳は「2006年チャベス国連演説」へ。



国連でのチャベス
〔Chavez at the UN:Original Article in English/ ZNet原文

ウゴ・チャベス〔Hugo Chavez〕ZNet;2005年9月18日


閣下、そして友よ

この集会の本来の目的は完全に歪められている。課せられた討議の焦点は不適切に名付けられた「改革」の前進と呼ばれるものであり、世界中の人々が要求している最も切迫した問題の影を薄くしている。真の発展と命の為に私たち諸国が行っている努力を妨害し破壊している、本当の諸問題を処理する方策を採用することが、その要求には含まれる。

ミレニアムサミットから5年経ち、無情な現実は、まったくもって控えめであった目標の多くが達成されないという事であろう。私たちは2015年までに8億4200万人の飢えた人々を半減させると望んだ。現在の進度では目標が達成されるのは西暦2215年である。この聴衆の内それを祝うことが出来る者はいるであろうか? それも、あくまでも人類が私たちの自然環境を脅かす破壊を生き延びる事が出来ればの話である。

私たちは2015年までに普遍的な初等教育の達成という大望を主張した。現在の進度ではその目標は西暦2100年よりも後に到達される。それでは、祝賀の準備をしようではないか。

世界の友よ、以上のことは厳しく、覆せない結論に達する。国連はそのモデルを形骸化してしまった。改革に手をつけるというような簡単な問題ではない。21世紀は新たな機構が設立されて初めて可能となる深い変革を必要としている。この国連は機能していない。私たちは認めなければならない。それが真実なのである。

ベネズエラの観点からすれば、これらの変革は2つの段階で行わなければならない。当面の段階と理想郷的な段階である。1番目は古い系統内で調印された協定により構想される。私たちはその協定を避けてこなかったし、そのモデルにおいて、短期的な変革の提案を持ち寄った。だが永遠の世界平和という夢は、飢餓と病気と非識字と極限の貧困の撲滅を目指すことを、恥じない全人類を含む「私たち」の夢なのである。その問題を解決するためには、根を張ることに加え、飛翔するための翼を必要とする。私たちは翼を広げ飛ばなければならない。

私たちは恐ろしい新自由主義のグローバリゼーションを意識しているが、互いに連動した世界という現実がそこにはあり、私たちはそれを問題としてではなく、挑戦として直視しなければならない。国家の現実を基礎にし、私たちは知識を取り交わし、市場を統合し、互いに調和することは出来るが、同時に私たちは国家的な解決策を持たない問題があることを理解しなければならない。それらは放射能雲であり、国際的な価格設定の習慣であり、疾病であり、惑星の温暖化あるいはオゾン層の穴である。これらは国内問題ではない。

人類全てが含まれる「私たち」を容認する新たな国連モデルに向かい歩を進める時、私たちはこの会議に対し4つの先延ばしができない改革案を提案する。

1番目は、常任及び非常任における安全保障理事会の拡大であり、それにより新たな先進諸国と発展途上諸国が新たな常任国となることを可能にする。

2番目は、私たちは、縮小する為ではなく、透明性を拡大する為に、作業手順の必要な改善を保証しなければならない。

3番目は――過去6年間ベネズエラにおいて私たちは繰り返し述べてきたのだが――安全保障理事会による採決における拒否権を早急に廃止しなければならない。そのエリート主義者の名残は民主主義とは相容れない。平等と民主主義の原理とは相容れない。

そして4番目は、私たちは事務総長の役割を強化しなければならない。予防外交に関する彼あるいは彼女の政治的職務は強化されなければならない。

全ての問題の重要度は深い変革を喚起している。単なる改革は、世界の全ての人々が待ち望んでいる「私たち」を取り戻す為には不十分である。何を世界の人々は待ち望んでいるのだろうか? 単なる改革以上として、私たちベネズエラ人は新たな国連の創設を訴える。さもなくば、シモン・ボリバルの教師であったシモン・ロドリゲスが述べた様に「私たちは創造するか逸脱するかどちらかである。」

2005年1月のポルト・アレグレでの世界社会フォーラムにおいて、別個の人物が、もし国際法に対する度重なる侵害が続くのならば、国連を米国から別の場所へ移動することを求めた。現在私たちはイラクにいかなる大量破壊兵器も無かったことを知っている。米国の人々は常に、彼らの指導者に対して真実を要求することに非常に厳しくあった。世界の人々も同じことを要求する。そこにはいかなる大量破壊兵器も無かったのにも関わらず、そして国連の異議があったにも関わらず、イラクは爆撃され、占領され、いまだ占領されている。それだからこそ私たちはこの会議に対し、まさにこの会議において採択された決議を尊重しない国から国連が去るよう提案するのである。

代替案としてエルサレムを国際都市とする案がある。この提議はパレスチナに影響を与えている今日の紛争に対する解決策をすら提案しているが、実現するのはとても困難かもしれない。だからこそ私たちは、1815年、190年前にジャマイカにおいて書かれた、シモン・ボリバルの「ジャマイカ書簡」を基にした別の案を出すのである。ボリバルは、国際調和の理念を象徴する国際都市の創設を提案した。ボリバルは現在の世界を夢見た夢想家であった。私たちは世界の全ての国を代表する、それ自身主権を有し、それ自身の権力と道徳性を持つ国際都市の創設を考える時であると信じる。その様な国際都市は5世紀に亘る不均衡のバランスを取らなければならない。国連の総本部は南に位置しなければならない。南もまた存在する、とマリオ・ベネデッティ〔Mario Benedetti〕は言った。その都市は現在する町でも良いし、創造しても良い。それはいくつかの国境線が交わる場所、あるいは世界を象徴する様な土地に設けることができるだろう。1825年にボリバルが勧めたように、宇宙の均衡を構成するその様な地域を、私たちの大陸は喜んで提供する。

紳士淑女の皆さん、現在私たちは過去例を見ないエネルギー危機に直面している。エネルギー消費の止めることの出来ない増加は、石油供給量を増大不可能である事や、世界中の燃料の確認埋蔵量の減少と共に、危険な程に一体となっている。石油は使い尽くされ始めている。西暦2020年には毎日の石油需要は1億2000万バレルになるであろう。その様な需要は――将来の増加量を除外してすら――人類が現在までに消費してきた量を20年で使い果たしてしまう。これが意味する事はさらなる二酸化炭素が必然的に増加し、従って私たちの惑星をさらに温暖化させるという事である。

ハリケーン「カトリーナ」はこの様な現実を顧みない代価としての痛ましい実例である。海洋の温暖化は、過去数年間私たちが体験したハリケーンの威力の破壊的な増大の根本的な要因である。この場を借りて米国の人々に対する私たちの傷みと悲しみを再び表明させていただきます。米国の町は私たちの町であり、また世界の町なのです。

急速に進む破壊的な能力を持つ社会経済のモデルの正当性を、狂気的なやり方で訴えることにより、人類を犠牲にすることは実用的でなく、非倫理的である。まさに彼ら自身が原因である害悪に対する確実な救済策として、それを流布し、課すことは自殺的である。しばらく前、米国大統領は米州機構の集会に向かい、中南米とカリブ海に対して市場優先の政策、公開市場の政策――すなわち新自由主義――を増進する提案をした。それ自体が私たちの民衆が現在苦しんでいる大なる悪と大いなる悲劇の根本的な原因である時に。それは新自由主義的資本主義であり、ワシントン・コンセンサスである。それは、この大陸の人々に対して極度の不幸、不平等と果てしない悲劇をさらに生み出したのである。

総長、これまでになく私たちが必要としているものは、新たな国際体制です。1974年ブレトン・ウッズにおける第6回特別総会における国連総会を思い起こそう(ここにいる聴衆の中にはまだ生まれていなかった、あるいはとても小さかった者もいるだろう)。それは31年前であり、新国際経済秩序樹立に関する 宣言及びその行動計画が採択された。1974年12月14日、新国際経済秩序が明確に述べた国家経済的権利義務憲章が、120の動議賛成票、6の反対と10の棄権という圧倒的多数により採択された。これは国連において投票が可能であった期間である。今日、投票は不可能である。今日、彼らはこの様な文書を承認する。私はベネズエラに代わりこの文書を無価値であり、無効であり、非合法であると非難する。この文書は国連の現在の法を破り承認された。この文書は無効である! この文書は検討されなければならない。ベネズエラ政府は世界中でこの事を繰り返し述べる。私たちは国連におけるあからさまで慎みのない独裁を容認しない。これらの問題は論議されるべきであり、だからこそ私は私の仲間である国家元首と政府首班に対し論議することを請願するしだいである。私は〔アルゼンチンの〕ネストル・キルチネル〔Nestor Kirchner〕大統領との会談を終えたばかりであり、私が取り出した、この文書が私たちの派遣団に配られたのは5分前であり――また英語のみで書かれている。この文書は独裁的なハンマーにより承認されており、私はこの場でこれを無価値であり、無効であり、非合法であると非難する。

お聞き下さい、総長。もし私たちがこれを承認するのなら、私たちは敗北するのです。明かりを消し、全ての扉と窓を閉じようではないか! そんなことは信じられない。私たちがこの講堂において独裁を受け入れることなど。私たちは、私たちが失ったものを取り戻さなければならない。1974年にこの会議にて採択された新国際経済秩序に関する提案の様なものを。その決議の第2条は、外国投資家が所持する天然の資産と資源を国営化する国家の権利を承認している。それはまた、原料生産者の企業連合の創設を提案した。1974年5月の決議3021において、会議は最大の切迫感と共に、新国際経済秩序の創始する意思を表明し、それが基礎とする事は――注意深く聞いて下さい――「経済と社会制度に拘わらず全ての国家の間における公正、主権を有する平等、相互依存、共通の利益と協力であり、先進および開発途上諸国における不平等を正し、不正をあがない、それにより現在及び未来の世代に平和、公正、そして維持でき得る度合いにより成長する社会・経済発展を保証する。」

新国際経済秩序の主要目的はブレトン・ウッズにおいて考え出された古い経済秩序を修正することにあった。(昨日米国大統領は20分間演説をしたと思うのだが。私は、総長、私の演説を終える許可を要請する。〔与えられた5分間の演説時間を大幅に越えて話し続けるチャベスに対して、メモが渡された。そのメモをチャベスは読みこの発言をした。〕)新国際経済秩序の目標は、1944年に考え出された古い経済秩序を修正することにあった。この秩序は、国際貨幣制度の崩壊の最中であった1971年にはまだ使用されていた。変化に対する動機は善意であったが、その道を前進する意思が欠けていた。今日ベネズエラにおいて、私たち民衆は、新たな国際経済秩序を要求する。新たな国際政治秩序もまた急を要している。「先制攻撃戦争〔pre-emptive warfare〕」等の新たな主義を課す為に、少数の諸国が国際法の原則を再解釈することを拒否しよう。彼らは私たちを先制攻撃戦争で脅すのだろうか! そして「保護する責任〔Responsibility to Protect〕」主義はどうだろう? 私たちはよく問うてみなければならない。誰が私たちを保護するのか? どうやって彼らは私たちを保護するのだろう?

私は保護を必要とする諸国の一つがまさに米国だと信じる。このことはハリケーン「カトリーナ」が要因で起きた悲劇により、痛々しく示された。もし私たちが互いを保護することを語るのならば、告げられていた自然災害から彼らを保護する政府を彼ら〔米国人〕は持っていない。これらは帝国主義を形作り、人々の主権を侵害することを合法化しようと試みる干渉主義である、とても危険な概念である。国際法と国連憲章の原則に対する尊重は、総長、今日の世界における国際関係の中核であり、私たちが現在提案している新たな秩序の基礎なのです。

結論として、私たちの解放者であるシモン・ボリバルが語った世界の統合、世界的議会について述べさせていただきたい。繰り返しですが、この様な提案を受け入れることは必須である。先に述べた様に、1815年にジャマイカにおいてボリバルが述べたことを引用します。「パナマ地峡がギリシャ人にとってのコリントとなったとしたら、それほど素晴らしい事はない。願わくば、いつの日にか私たちが崇高なる諸王国の共和の代表議会を手にすることが出来ますように。その場において私たちは、世界の他の3つの地域に属する国家間の平和と戦争の関係を処置し、語り合うことができる。」この種の統一された機関は起こり得る、幸福なルネサンスである。能率的な仕方で国際テロと闘うことは急を要している。だが、私たちはそれを、国際法を侵害する正当でない軍事攻撃を仕掛ける言い訳に使ってはならない。9月11日以来、それが政策となっている。本当のそして密接な協力と、テロに関していくつかの北の諸国が適用するダブル・スタンダードの終焉のみが、この酷い惨事を終わらせることができる。

たった7年間のボリバル革命で、ベネズエラの人々は重要な社会的・経済的前進を示した。1年半の間に140万6千人のベネズエラ人が読み書きを習った。私たちの総人口は2500万である。そして数週間後に、この国は非識字無しの地域を宣言できる。また、貧困により常に除外されてきた300万人のベネズエラ人が初等・中等・高等教育を受けている。1700万人のベネズエラ人――人口の70%近く――が初めて、医薬品を含む共通の保健医療を受けており、数年以内に全てのベネズエラ人が優秀な保健医療活動を無料で受けることができるようになる。170万トン以上の食料が人口のほぼ半分にあたる1200万人の人々に助成された値段で提供されている。一時的に、100万人はこれらの食料を完全に無料で入手している。70万以上の新たな職が創出され、それにより失業率は9パーセント減少した。これら全てが、ワシントンにより計画されたクーデターと石油産業閉鎖を含む、内部および外部からの攻撃の最中にである。陰謀や強力なメディアが広める嘘と、帝国とその同盟国らのいつもそこにある脅威にも関わらずである。これらの脅威には要人殺害の扇動も含まれる。彼らはある大統領の暗殺すら訴えた。個人が国家元首の暗殺を訴えることのできる国は米国のみである。ホワイト・ハウスととても密接である、パット・ロバートソン〔Pat Robertson〕と言う名の聖職者の例がそれである。彼は私の暗殺を要求し、彼は自由である。これは国際犯罪であり、国際テロリズムである!

私たちはベネズエラの為、中南米の統合と世界の為に闘う。私たちは人類に対する限りのない信頼を再び断言する。私たちは種として生き残る為の平和と公平を渇望する。私たちの国の創始者であり、私たちの革命の指導者であるシモン・ボリバルは、帝国に私たちを縛り付ける足かせを打ち砕くまで、彼の手を休めること、あるいは彼の魂が永眠することを決して許さないと誓った。今は私たちが手を休め、私たちの魂が永眠する時ではない。私たちが人類を救うその時までは。



posted by Agrotous at 00:54 | TrackBack(4) | ベネズエラ
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