2005年09月15日

女性の銀行
女性を快く受け入れるベネズエラの銀行
〔Women's Bank
The Venezuelan Bank That Likes To Say Yes If You're A Woman:Original Article in English/ZNet原文

ディアン・テイラー〔Diane Taylor〕The Guardian;2005年4月7日


ベネズエラの中心に位置する、マティルデ・カリヒテ〔Matilde Calixte〕の美容室の外にある庭に、女性が列になって座っている。涼しい木陰で、髪の手入れの順番を待ちながら、彼女たちは笑い、雑談する。多くの者が熱狂的に見る、米国テレビのメロドラマでの女優達のスタイルと同じく、現在、脱色が特に人気である。43歳のカリヒテと3人の同僚美容師は料金を低く設定し、エアコンを設置し、この地域で最も流行のスタイルを提供しているから、この美容室には客が途絶えない。

美容室はカリヒテの家の横にある小さな部屋にある。店を開業したことは彼女の人生を変えた、と彼女は言う。彼女は3人の娘がいる我が家から、遥かに離れた他人の為に美容師として働いており、彼女が手がけた1回の顧客料金につき30%しか稼いでおらず、学校清掃によって収入を補っていた。彼女と彼女の同僚は平等に収益を分け合い、彼女の収入は10倍になった。

「私はこのやり方にとても満足しています」と彼女は言う。「残りのお金で長女を大学に送る余裕があります。自分たちの為に働くという事は、自らの人生を管理することができるという事です。」

カリヒテの運命の方向転換は、世界唯一の国営女性銀行である、女性開発銀行、「Banmujer」からの2つの貸付金のおかげである。

銀行業は長い間、あえて契約交渉を積極的に行おうとすることは、女性銀行員にとっては危険である、という差別と共に、男性の領域だとみなされてきた。だが、女性開発銀行において、女性の出世限界はない。全ての従業員は女性である。一人当たり1,000ドル程の貸付金を提供することにより、銀行が目指すことは女性の成功を拡大し、彼女らを志の高い企業家に変えることである。

貸付金は個人に配られるのだが、受け取るには、商業計画に共同で従事すると同意したグループに属さなければならない。〔対象の〕女性たちは返済に4年間の期間があり、利子は1ヶ月1%である。この様な銀行創設の着想は10年前、男性支配の金融機関を女性に有利にする手段を論ずる、国際女性会議において初めて議題に出た。世界中で男性が資産所有者の大多数を占めているので、商業貸付金を依頼する時、資産に乏しい女性は不利になる傾向がある。

〔女性開発銀行〕女性開発銀行社長、ノーラ・カスタネーダ〔Nora Castaneda〕は、その会議に出席し、帰国した時いくつかの計画を練り上げた。彼女の意図は、担保物件を持たぬ女性が除外されないよう請け負うことであった。

1998年の左派ウゴ・チャベス大統領当選後、時は熟した。「チャベスは人々に『問題ではなく、解決策を持ってくるよう』促し、私は〔銀行創設の〕原案が適していると考えた」とカスタネーダは言う。広範にわたる女性団体と働きながら、1999年3月から7月の間、毎日彼女らは国民議会に請願した。「私たちは、小規模貸付の為の公共機関となる銀行を提案した。私たちはそれを異なる銀行と呼んだ。なぜなら私たちはただ女性に貸付を提供し、事業を立ち上げている間、彼女たちを支援するだけではなく、性と生殖に関する健康について協力と支援を提供する、なぜならそれらも人権なのだから。」チャベスは提案を受け入れ、カスタネーダを銀行の社長に正式に任命した。

先週、カスタネーダはロンドンにおり、深くソファーに座っていた。62歳の祖母〔である彼女〕はとても小さく、彼女の声は穏やかで、控えめである。節約家で、彼女を大学に送るため貯蓄した家庭労働者である彼女の母は、彼女にこう言って聞かせた。「あなたに残すお金はないが、私の相続財産はあなたに教育を与えること」と。

カスタネーダは1968年にベネズエラ中央大学の教授に採用された時、大喜びしたが、〔それだけで満足せず〕他の女性達に彼女の母が与えたのと同じ手助けを与えることを誓った。「世界中で、女性はわずか1%の資産と他の財産しか有しておらず、おおむね男性より30%稼ぎが少ない」と彼女は言う。「あまりにも少ない財産を有する為、女性は貸付金の保証ができない。経済的権利がなければ、女性に人権はない。世界を変える唯一の道は女性の暮らしを変えることです」と彼女は言う。

〔女性〕銀行は1つだけカラカスに事務所を持ち、エイボンレディ〔訪問販売女性〕風に、国中――アマゾン川流域すらをも含む――を回り貸付金を進める女性プロモーターの組織網を雇っている。こうした女性達が女性に対して性と生殖に関する健康と商業と法律上の助言を提供している。「女性は他人の面倒を見る事に長けているが、自らの面倒を見る事はあまり得意ではない」とカスタネーダは述べる。「もし彼女たちが成功したいと望むなら、自らの面倒を見なければならない。」

2001年3月の創業以来、銀行は、清掃協同組合からファッションデザイン事業や美容院や菓子製造業を含むアイディアに対して、51万件の信用貸しを発行してきた。約96%の貸付金受領者が女性である――男性は、女性と一緒に働いており、女性が事業計画の責任者である場合のみ貸付金が交付される。

小型企業家は他の小規模事業と競う替わりに協力することを促される。もし1つのグループがニワトリの飼育の為に資金が渡されたのなら、近隣にいる別のグループにはニワトリの解体処理の為に貸付金が支払われる。そして3番目のグループは加工された鶏肉の売買の為に財源を得る。焦点は常に、地方の市場と輸出に適した上質な製品を生産することにある。

なかには滞納した女性もいるが、多くが繁盛している商売を発展させ、貸付金の返済を済ませており、そのことは前回の貸付金の1.5倍の金額という、さらなる信用貸しの資格を彼女たちに与える。70人の女性と1人の男性から成るあるグループは、特にヨーロッパ人観光客に人気がある、冒険・環境保護観光施設を立ち上げた。そのグループはそれを「自然に負担をかけない」休暇の目的地として売り込んでいる。

「観光客がハンモックで眠る、窓もドアもない客宿が設置された。そこには蚊はおらず、そこの共同体は観光客と彼らの所持品の安全を保障している」とカスタネーダは言う。

事業構成員の内ただ一人の男性は彼の貸付金返済に苦労している。他の70人の女性はひどく腹を立て、全共同体の集会を呼びかけ、そこで彼は返済を真剣に捉えていない事により、追い出された。彼は早急に完済し、事業は発展し続けている。

「女性が金を稼いだ時、彼女は家族にそれを使う。男性が金を稼いだ時、彼はいくらかを家族に使い、残りを自分のものにする」とカスタネーダは言う。「女性が金を稼ぐと男性は喜ぶが、女性が彼らよりも稼ぎ出すと、彼らは脅されているように感じる。家庭内暴力〔いわゆるドメスティック・バイオレンス〕が起きてきたのは、男性が権力を振るいたいからなのです。」

今までの所、貧しい女性の内少数が銀行の設備を利用する機会を得てきたのだが、カスタネーダは依然楽天的である。「私たちは、経済に奉仕する人類の替わりに、人類に奉仕する経済を作り出しているのです。」



posted by Agrotous at 22:40 | TrackBack(0) | ベネズエラ
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