2007年06月16日

チャベスの模範の普及を危惧する米国
〔Venezuela: US fears spread of Chavez example:Original Article in English/ZNet原文

フェデリコ・フエンテス〔Federico Fuentes〕Green Left Weekly;2007年6月11日

「言論の自由賛成、帝国主義反対」という旗じるしの下に、何十万ものベネズエラ人が彼らの革命を護るため、6月2日カラカスの街頭へ出た。そしてそれは、ラディオ・カラカス・テレビシオン(RCTV)の放送免許更新拒否に続いた、米国政府によって駆り立てられた国内・国際的な組織的活動に対する直接の反応としてであり、先立つ日々に行われた反体制派デモの全てを凌駕していた。ウゴ・チャベス・ベネズエラ大統領はこう宣言した。「もしベネスエラの寡頭政治勢力が脅しをもって、また彼らの操作や不安定化計画をもって私達を止めることができると信じているのであれば、大間違いである!」

「米帝国によって操作された」不安定化計画の各々は「新たな革命的攻勢」に直面するであろうと約束し、チャベスは「今日から始まり……ボリバル主義の反撃」は国全域で開始される、「街頭で、工場で、大学で、高校で、全ての領域で――真に思想的で、政治的、一般民衆による、全国的及び国際的な反撃が」と述べた。

無料放送のチャンネル2の利用を許すRCTVの免許期限が5月27日に切れた時、免許は新しい独立製作の放送局、ベネズエラ社会テレビ(TVes)に授与された。これまでメディアから除外されていた人たちのための全国的な場を提供するためである。このことがベネズエラの革命的な政府と人々に対する、拡大する猛襲の最新の口実として利用された。専制的で反民主的であるとされているチャベス政権に反対し結集する民主的抗議運動という幻影を作り出すべく、国際的メディア戦争が開始された。複数の反ベネズエラ決議が米国議会、欧州連合や右派に牛耳られたブラジル議会で可決された。

この米国帝国主義による最新の策略の裏には「他の諸国にベネズエラの模範が拡張するという危惧――革命が古くからの資本主義体制を一掃し、新たな真に民主的で社会主義的社会の基礎を築きかねない、という危惧――」がある、とチャベスは説明した。

歴史、政治学や革命理論に関するチャベスの演説は、組織編成された大衆とチャベスの間の強力な力学がこの革命的過程を前進させていることを再び明らかにした。

昨年12月の大差で勝利した再選後に彼が述べた要点をチャベスは繰り返し、その勝利は革命のための「到達点ではなく、むしろ出発点」であり、その為政権が政府に革命的事業を推進させる能力を与えた、と述べた。

新政権の就任以来「わずか140日しか経っていない」、それにもかかわらず「新たな期間が開始され、革命的変容の過程が加速されている」とチャベスは説明した。彼が指摘したことは、オリノコ・ベルト地域の油田に対する国家管理の回復や、電気通信会社CANTVと電力会社6社の再国有化、そして新しい統一社会主義党のPSUVに対する莫大な登録者数(その日までに、470万人の人々が登録を完了し、翌日登録が閉じられた時には500万人以上に達した)である。

この「革命的躍進」の最新の処置は、「ベネズエラの寡頭政治エリートが自らの特権乱用及び利益のため53年間支配してきた〔テレビ放送〕免許の満了である」。チャベスは、「チャンネル2が解放された」今、「それはもはや寡頭政治勢力のものではなく、寡頭政治勢力に返還されることもないであろう。いまそれはベネズエラの人々のものである。」これに対し、「これが統治の仕方だ」という自然発生的なシュプレヒコールが応えた。

「勝利を獲得し続ける」べく、「全ての革命的な潮流の団結」を引き続き強固にするよう大衆に熱心に勧め、チャベスは深まる革命にとってのPSUVの中心的な役割を強調した。「これらの言葉を使って私は強調したい、私の心の中から、この政党の統一過程について。全ての人々の、労働者階級、農民、文化的な運動の数々……ボリバル主義国軍の統一、ボリバル主義の人々の統一を。」

「偉大なイタリア人革命的思想家のアントニオ・グラムシ」を引用しチャベスはこの過程が帝国主義の反動に遭遇した理由を略述した。グラムシの論旨――「真に歴史的な危機が発生するのは、何かが滅びつつあるのだが、未だ滅び終えていない時、それと同時に、何かが生まれつつあるのだが、未だ生まれ終えていない時である」――に言及し、既に1980年代までに、「ベネズエラは歴史的な危機に突入しいたのであり……[現在]私達はその危機の中核に位置している」とチャベスは説明した。

「この先数年の大部分はこの歴史的な危機の断片を形成するであろう。第四共和国[チャベス以前の体制]が最終的に滅び、第五共和国――ベネズエラ・社会主義ボリバル共和国〔República Socialista y Bolivariana de Venezuela〕――が完全に生まれるまでは。」

チャベスにとって、第四共和国が代表していたものは「米帝国とベネズエラにおけるその取り巻き、寡頭政治勢力、資本家階級、ベネズエラを200年間支配した階級」の統治であった。これは、「[シモン・]ボリバルを裏切り、[ホセ・アントニオ・デ・]スクレを殺害し、[エセキエル・]サモラを殺した」のと同一の階級である、と彼は強調した。上記の全員がベネズエラの200年の独立闘争の傑出した指導者であった。

チャベスは第四及び第五共和国の間の戦いの階級的内容を更に引き出すために、「歴史的ブロック〔historical blocs〕」というグラムシの概念――ある特定の階級が、構造と上部構造として表れたヘゲモニーの獲得を成し遂げるという概念――を説明した。

グラムシによれば、支配的な歴史的ブロックの上部構造には二段階あり、それは政治的社会――「国家の諸機関」――及び、経済と民間の機関、特に教会、メディアや教育制度で構成された市民社会であり、それらは「自らの支配的観念形態を社会的・大衆的諸階級に普及させるべく」支配階級によって利用される。

現在のベネズエラ社会における「たいへんな矛盾の数々」のひとつはその二つの要因の間に存在する、とチャベスは言及した。「私達は国家の解放を着々と進めてきている」とチャベスは述べた。「資本家階級の市民社会は」ベネズエラの国家、政府、立法及び司法権、国営企業、政府銀行や国家予算を「掌握していた」のだが、「彼らはその全てを失ってきている」。

ベネズエラ大衆の前に待ち受ける戦いを明らかにし、チャベスは資本家階級がメディア、教会や教育制度における最後の残存する避難所に退却している、と語った。

「寡頭政治勢力を抹殺する計画を私達は持ってはいない」一方で、規則が変わったことを彼らが受け入れなければならないことをチャベスは強調した。「もしベネズエラの資本家階級が残った避難所を利用して、引き続き必死になって私達を攻撃するのであれば、ベネズエラの資本家階級は引き続きそれらの避難所をひとつずつ失うであろう!」

「このメッセージはベネズエラの資本家階級宛である。私達はあなた方をベネズエラ人として尊重する、あなた方はベネズエラを尊重するべきである、あなた方は祖国を尊重するべきである、あなた方は私達の憲法を尊重するべきである、あなた方は私達の法律を尊重するべきである。そうしないのであれば……私達はあなた方をベネズエラの法に従わせる!」再びチャベスの発言に「これが統治の仕方だ」というシュプレヒコールが応えた。

多くが2002年4月11日から13日の歴史的な日々――RCTVが関与した反革命クーデターが市民・軍による反乱によって覆された出来事――に部分的な役割を担った、固い支持基盤を形成する支持者らに語りかけ、チャベスは宣言した、「私達はあなた方を再び打ち破る」。

それに答え、群衆はそれ以前に唱えられたシュプレヒコール、「次はグローボビジョンの番だ」を繰り返した。クーデターを策略したもうひとつの民間テレビ局への言及である。

チャベスの返答は、RCTVの事例において「私達はとても忍耐強く」、免許期限が切れるのを待った、「だが常にその様になるとは誰も信じるべきではない。免許は満期になり得る、既定された期限以前を含めて。法に従えば、憲法や法律違反のために、メディア・テロリズム等のために、免許は満了し得る。」

今必要なことは、ベネズエラ大衆が引き続き「新しい歴史的ブロックを構築し、社会主義を構築し、新しい政治的社会……社会主義国家を構築する」ことである。同時にそこには「その古い資本家階級の市民社会を変えていく必要性」がある。

チャベスは大学や高校の学生運動に、労働者階級、カンペシーノ(農民)や兵士と共に「先陣を切るよう」呼びかけた。

チャベスは今はもう習慣的になったうたい文句で締めくくった。「祖国、社会主義か死か〔Patria, socialismo o Muerte〕! 私達は勝利する!」

posted by Agrotous at 00:43 | TrackBack(0) | ベネズエラ
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