2005年06月17日

この記事の元となった演説の模様はこのサイトから映像をダウンロードすることが出来る(字幕なし)。また、画像はここを参照のこと。

この演説が行われた、ブラジルのポルト・アレグレでの、世界社会フォーラムの写真ギャラリーはここ。日本語での報告はここここ

ZNetストア以外のリンクは訳者による。



資本主義は残忍

〔Cpaitalism Is Savagery; Original Article in English/ZNet原文

ウゴ・チャベス〔Hugo Chavez〕;2005年4月10日

これは世界社会フォーラム2005〔2005 World Social Forum〕において、ウゴ・チャベスがギガンティーニョ・スタジアム〔Gigantinho Stadium〕で行った演説の抜粋である。演説の一部始終を収めたDVDはZ Store〔この記事を載せているサイト、ZNetのストア〕 から入手可能です。詳細はこちら〔英文〕へ。


インスピレーション

彼の序文の中で、イグナシオ・ラモネ〔Ignacio Ramonet;ル・モンド・ディプロマティークの編集総長。イニャシオ・ラモネ表記有〕は私を新しい類の指導者だと述べた。イグナシオの様な優秀な頭脳を持つ人の言葉だから、私はこれを受け入れよう、しかし私は過去の指導者に感化されている。

その中の一部はとても古い、例えば偉大な革命家の一人、歴史的な反帝国主義者の戦士、真の救世主、貧者の救済者、イエス・キリストがそうだ。

...この地を横断し、人々に希望を与え、彼らを解放する手助けをしたシモン・ボリバル〔Simon Bolivar〕。

あるいは、オートバイで大陸横断をし、中米に到着した時に、この大陸における北米の帝国主義者が仕掛けた数え切れない暴行の一つ、1955年の米国人〔gringo;軽視用語〕のグアテマラ侵略を目撃した、あのアルゼンチンの医師〔チェ・ゲバラ;Che Guevaraを指す〕。

または、あのあごひげを生やした老人、フィデル・カストロ〔Fidel Castro〕...〔この後に続くのはすべて中南米で英雄視されている歴史上の人物〕アブレウ・リマ〔Jose Inacio de Abreu e Lima;ブラジルの兵士〕,アルティガス〔Jose Gervasio Artigas;ウルグアイの英雄〕, ホセ・サンマルティン〔San Martin;アルゼンチン、チリ、ペルーの解放者〕, ベルナルド・オイギンス〔O'Higgins;チリ〕, エミリアーノ・サパタ〔Emiliano Zapata;メキシコ〕, パンチョ・ヴィラ〔Pancho Villa;メキシコ〕, サンディノ〔Sandino;ニカラグア〕, フランシスコ・モラサン〔Morazan;ホンジュラス〕, トゥパック・アマル〔Tupac Amaru;ペルー〕、この全ての者から人はインスピレーションを受ける。

彼らは義務を果たし、そして今、私は心から彼らを理解する、なぜなら私達は強靭な責務に取りかかったのだから。彼らはみな帰ってきた。


現在われらは数百万

この中の一人、彼は両手両足を馬に引かれ、八つ裂きにされた――帝国はいつも残酷だ、善い帝国も悪い帝国もなく、どんな服装をしていても、どの様に喋ろうと、どの帝国もすべて異常で、残忍で、邪悪だ。彼は死を察したときに、「私は今日死ぬが、いつの日にか私は帰ってくる、数百万となって」と叫んだ。アタワルパ〔Atahualpa〕は数百万となって帰ってきた、トゥパック・アマルは数百万となって帰ってきた、ボリバル〔Bolivar〕は数百万となって帰ってきた、スクレ〔Sucre〕、サパタ、そしてここにいる我ら、彼らは私達と共に帰ってきた。この満員のギガンティーニョ・スタジアムにおいて。


世界社会フォーラムについて

ここポルト・アレグレでの第3回世界社会フォーラムにおいて、2年前に私が言ったように、世界社会フォーラムは最も重要な政治イベントである。

私たちは知識を学び、理解し、場を包む情熱に浸かるために集まった。私たちは求め続ける、なぜなら試練が訪れる度に、ベネズエラの〔革命の〕過程は監視され、改善されなければならないから。それは世界で起きている全ての素晴らしい経験に対して開かれた試みだから。

この5年の間に世界社会フォーラムは、討論と議論のためのしっかりした場になった、多くの除外されたものたちの堅固で、幅広く、多彩で、豊かな場に。権力の回廊において、声無きものたちは考えを述べるため、そして抗議するためにここに集う、ここで彼らは歌い、彼らは自己紹介をし、何を求めているのかを伝え、詩を朗読し、歌を披露し、総意を見つけ出す希望を語る。


もうひとりの闘士

私は自分が大統領だという気がしない、大統領であるという事はただの状況でしかない。誰もが組織の一員として役割を果たすように、私も役割を果たしている。私はただ役割を果たしているだけだが、私は農民であり、私は兵士であり、地球を救うために欠くことのできない、よりよく、そして可能な代替世界を作る事業に打ち込む男だ。私は革命運動のもうひとりの闘士だ。


味方と敵

士官学校に入って以来私は毛沢東主義者だ、チェ・ゲバラを読み、ボリバルと彼の演説と手紙を読み、ボリバル派毛沢東主義者になった、その全ての混じり合った者に。

毛は、誰が自分の味方で、誰が自分の敵かをはっきりとさせる事は、全ての革命家にとって必須のことだと言った。

中南米では特にこの事は重要だ。


革命の道/南の良心

我々が何世紀もの間、支えているこの歴史的難問から抜け出すためには、革命の道を通ってだけだと私は確信する。

マリオ・ベネデッティ〔Mario Benedetti〕(ウルグアイの作家)によれば、南はやはり存在する。北米や欧州にも多くの革命家がいるが、私が間違っているかもしれないが、南にこそ緊急で、迅速で、奥底からの変化を求める強い思いがあると感じる。

1950年代に、バンドンで首脳会議が行われた、そこから非同盟諸国運動〔the movement of non-aligned countries〕が生まれ、南の良心〔いわゆる第三の勢力〕という概念を生じさせた。

しかし、ソ連崩壊とベルリンの壁崩壊と共に、〔ジョセフ・〕スティグリッツ〔Stiglitz〕が言ったように「幸せな90年代」が訪れ、私たちは皆どうやら幸せで、歴史の終焉であり、科学技術の時代で、その結果南の良心は凍結し、そして雪崩のようにワシントン・コンセンサスからの提案が到来し、いかがわしい主張を身にまとった、新植民地主義、新自由主義、そして国際通貨基金〔IMF=International Monetary Fund〕の一連の政策が毒と共に中南米に導入された。

今日、どんな場所よりも相応しい、ここ世界社会フォーラムにおいて、世界を救うために最も必要なことのひとつは南の良心だ、と言うことは適切なことだ。

南の良心を新たに打ち上げよう...北〔先進国〕の多くのものは知らないかもしれないが、北の未来は南にかかっている。なぜなら、もし私たちが課せられたことをせずにいれば、もし私たちがより良い世界を現実にしなければ、もし海兵隊の銃剣を通し、ブッシュ氏の残忍な爆弾を通して、私たちが失敗すれば、もし新帝国主義者からの攻撃に対抗する為の十分な力、良心、そして組織が南に欠けていたら、もしブッシュ・ドクトリン〔概要詳細〕が断行されたら、世界は破壊されるだろうから。

極冠が溶け出し全ての国々が海の下に没するよりも前に、何百という激しい反乱が起こるだろう。人々は押しつけられた新自由主義のモデルを穏やかに受け入れず、飢えによってではなく、闘って死ぬのを選ぶ。


反革命の鞭

トロツキー〔Leon Trotsky〕は全ての革命には反革命の鞭が不可欠だと言った。そして反革命は私たちを酷く鞭打った、経済的に、メディアと社会的な妨害行為を通して、テロ、爆弾、暴力、血と死、クーデター、制度上の操作、国際的圧力、彼らはベネズエラを追従する国に変えようと試み、私たちの法律、制度、そして憲法の上に多国籍権力を置こうと試みた。だが、ベネズエラの民衆は少数の独裁者に決して降伏しないと表明した。

私たちは抵抗し、自らを守り、そして反撃にでた。その結果、2003年に初めて、ベネズエラは、それまでずっとベネズエラの少数独裁者と北米の帝国の手中にあった石油企業を取り戻した

そして私たちは、ほぼ40億ドルを社会投資、教育、保健、信用貸付〔micro credit〕、住宅供給に投じた、最も貧しい人々へ。新自由主義者は私たちは金を無駄にしていると言う...しかし彼らは外国人に金を渡しているのである、あるいは旨みのおおいビジネス取引を通して彼らの間だけでそれを分け合っているのである。

私たちは全ての人に学べと呼びかけた。おばあさん達、子供達、多くのものが悲惨な生活を送っている、だから50万件の一ヶ月100ドルを給付する制度を作った。今迄年間6億近く盗まれていたが、今は貧困を克服するために貧しいもの達に分配されている。

現在私たちは一連の計画〔Missions〕をもっている、例えばバリオ・アデントロ〔Barrio Adentro;医療保険提供〕だ。これは全ての人、民間人、軍人、老人、若者、共同体、国と地方の機関、草の根の地域団体が参加する、革命的なキューバの力を借りた国家的な運動だ。今日、2万5000人近いキューバの医師と歯科医、それに加えベネズエラの男性、女性の看護師たち、が貧しい人々と生活を共にしている。2004年度には5000万の患者が治療を受けた――これはベネズエラ人口の二倍にあたる。こういう事に支払われている資金が以前は国外に流れていた。


資本主義は残忍

今までは教育は民営化されていた。これが新自由主義、帝国主義の計画だ、保険機構は民営化されていた、しかしそうあってはならない、基本的な人権なのだから。保険、教育、水、エネルギー、公共サービス、これらは決して民衆の権利を否定する個人投資家の貪欲に与えられてはならない、そうすることは残忍性への道だ、資本主義は残忍である。

日が経つごとに私は確信する、資本主義よりも社会主義だと。

私たちは資本主義を超越しなければならない、が資本主義を内から超えることはできない。資本主義を超越するには、社会主義を通す必要がある、平等と正義と共に、これこそが資本主義者の権力を超える道である。

同時に私はこれを民主主義を通して行えると確信する...でも気を付けろ、どんな形態の民主主義なのかを...ミスター・スーパーマンが押し付けようと望む民主主義ではない。


戦術

私はチェ・ゲバラをとても尊敬しているが、彼の主張は実行可能ではなかった。彼のゲリラ部隊、おそらく山中に百人程、このやり方はキューバでは通用したかもしれないが、他の場所では状況が違った、だからこそチェはボリビアで死んだ、ドン・キホーテのような人物だ。

歴史は彼の一つ、二つ、あるいは三つのベトナムという論理は旨くいかないことを示した。

今日の状況にゲリラ組織は要件としない、山中の彼らはレンジャーや海兵隊に包囲される、チェ・ゲバラがそうされたように、彼らはおそらく500に対するたったの50人だった、今我らは数百万だ、どうやって彼らは包囲するのだろう...用心しろ、私たちが包囲をする側かもしれない...

...まだまだだが、少しずつ。

時に帝国は包囲されない、彼らは内から腐敗する、そして彼らは崩壊し、破壊される、丁度ローマ帝国や全ての欧州の帝国が過去数世紀そうだった様に。いつの日にか内に抱えた腐敗が米帝国を破壊するに至るだろう。

そしてマーティン・ルーサー・キング〔Martin Luther King〕の崇高な人々、偉大な米国民衆、私たちの兄弟は解放される、。

私たちはまだ勝利を宣言していないが、現実はその過程が進行していることを示している、毎日これを育まなければならないのに変わりはないが。これが、あなた方、わが友に対する私の毎日の説教のひとつだ。そして、チェが言ったように、私たちには官僚制及び腐敗と戦う革命的な有効性〔efficacy〕が必要だ。


信任投票

2004年は政治的な勝利を私たちにもたらした。信任投票を避けるためなら私は出来ることなら何でもすると言われた。新自由主義者は私が民衆を恐れていると言った。全て嘘だ。私は避ける為に何かをしたという事は決してない。しかし反対派は憲法の必要条件を守らなければならなく、制度が命ずるように時間内に署名集めをした。米州機構〔OAS= Organization of American States〕あるいは米国政府が立会人とともに署名を差し出すというわけにはいかなかった。8月15日60パーセントの票で私たちは勝利した、五年前のそれ以上で。その後、10月31日の地方選挙では24の州のほぼ全てで容易に勝利を収めた、社会参加モデル〔social inclusion model;社会包含〕の大いなる進歩だ。政治舞台での進歩、制度と司法権の強化だ。


経済と統合

2003年と2004年には、ベネズエラ経済の強化が見られた。製造や農業はすべて成長している。この長い間に初めて私たちは米の輸入を必要としないと言える、トウモロコシは自給できているし、食の主権を達成するため、これからも農業を支援していく。大地主に対する戦いにおいては、MST〔ブラジルのLandless Workers Movementのことか?〕の例を認めている。彼らは私たちにとってもいい例だし、この大陸の残りの農民たちにとってもそうだろう。

2004年に私たちはメルコスル(南米共同市場)〔Mercosur〕に加盟した。私はそのプロフィールに批判的だが、それでも私たちは加入を決意した。五年前、カナダでの米州サミット〔Summit of the Americas〕に参加したことを私は非難された。しかし、あの場で植民地主義以外の何物でもない米州自由貿易地域〔FTAA=Free Trade Area of the Americas〕に反対していたのは私だけだった。私たちは代替の統合主義のモデルを作り出したい、ボリバル代案〔Bolivarian Alternative for the Americas〕あるいはALBAと私たちが呼ぶモデルを。この計画は進行している、ある者はもっと速く推し進めたがるかもしれないが、そこには実際問題と時というものがある、タイミングが。

2005年1月1日、日が昇り、FTAAは地獄に落ちた。FTAAはどこに行った? FTAAは死んだ。まだいくつかFTAAの小さい版は残っているが、北米帝国は、多量の圧力と脅迫にもかかわらず、この大陸にFTAAが代表する帝国の、そして新植民地主義のモデルを押し付ける力がなかった。私は敵の弱さを過大評価したくはない。そうすることは致命的な誤りになるだろう。それでも、敵の弱さを客観的に認めることはよいと私は思う。なぜなら、敵は無敵だと信じたら、そのとおりになるから。

歴史にはベトナムがあり、イラクの人々は攻撃と侵略に対抗し、革命的なキューバは40年後いまだに抵抗している。ベネズエラ・ボリバルはすでに6年間抵抗している。北米帝国は無敵ではない。もちろん、善意を持ち、帝国が無敵で私たちがバラの花びらで帝国を打つことさえも不可能だと思っている人々がいるからこそ、帝国が怒り反応する可能性もあることを知っておくのは重要だ。

ゴリアテ〔Goliath;旧約聖書に登場する巨人。少年ダビデの投げた石によって倒される〕は無敵ではない。このことがよりいっそう、それを危険な存在にする、なぜなら自己の弱さに気づくと、それは暴力に訴えるから。ベネズエラに対する暴力を使った猛攻撃は弱さの徴候だ、観念的な弱さの。

今の中南米は5年前のそれすらとも違う。貴方たちへの敬意のため、他の国の国内問題には触れない。ベネズエラでは、特に最初の二年間、多くの私の支持者は私を批判した、もっと速くことを進めろと頼み、私たちはもっと急進的になるべきだと。私はあの時が正しい時だとはみなさなかった、なぜなら過程には段階があるから。友よ、過程には段階があり、国内の状況以上のものに対するリズムがあらゆる国にあり、それは国際的な状況と関わりがある。そして、不満の声を上げるものもいるだろうが、私は表明する。私はルーラ〔ブラジル大統領;Lula〕が好きだ、私は彼を理解している、彼は大きな心を持った善良な人、兄弟、友だ、そしてルーラとブラジルの人々、ネストル・キルチネル〔Nestor Kirchner〕とアルゼンチンの人々、タバレ・バスケス〔Tabarez Vazquez〕とウルグアイの人々と共に、私たちは異なり、可能な団結した中南米〔United Latin America〕の夢への道を切り開くと確信している。

大きな抱擁を、みんなをとても愛している、大きな抱擁をみんなに。本当にありがとう。


〔英文〕翻訳Daniel Morduchowicz





posted by Agrotous at 23:56 | TrackBack(0) | ベネズエラ
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