2007年05月11日

IMF・世銀、ベネズエラが脱退表明するなか、衰える権威に直面
〔IMF and World Bank Face Declining Authority as Venezuela Announces Withdrawal:Original Article in English/ZNet原文

マーク・ウェイスブロート〔Mark Weisbrot〕;McClatchy-Tribune / CEPR;2007年5月3日

〔記事中リンク原文ママ〕

IMF〔国際通貨基金〕と世界銀行から脱退するというベネズエラの今週の決定は単に、ウゴ・チャベス・ベネズエラ大統領とブッシュ政権との間の進行中の反目の一例である、と米国ではみなされるであろう。しかし世界の他の地域ではおそらく異なった見方がされるであろうし、開発途上諸国において近年その権威と正当性が減少の一途をたどっている両機関に影響を与える可能性がある。

他の諸国が後に続くこともあり得る。エクアドルのラファエル・コレア大統領は世界銀行代表を国から追放する、と先週公表した。それは前例のない行動であり、コレア大統領は「我々はこの国際的官僚政治の強要にこれ以上耐えることはない」と明言することでそのことを強調した。2005年に世界銀行は、それ以前に承認されていたエクアドルへの1億ドルの貸付金を保留した。政府が思いがけなく手に入った石油歳入を政府の選択である社会的支出にではなく、負債返済に使うよう仕向けるためであった。

これが両機関が数十年の間行ってきた運営の仕方である。IMFを統率者として、そして米財務省の拒否権の所有と共に、彼らは「債権者のカルテル」を指揮してきたのであり、それは非常に様々な経済問題に関して諸政府に莫大な圧力を加えることができてきた。この圧力は広範囲に及ぶ憤りを引き起こしたのみならず、IMFと世界銀行が最も影響を与えた諸国や地域にしばしば経済破綻をもたらしもした。過去25年間に中南米は1世紀以上で最悪の長期的経済成長を経験した。

ベネズエラにはさらにIMFに対する特定の不満の種がある。それは民主的で中道左派の政府を伴った他の開発途上諸国に同情を引き起こすであろう。2002年4月12日、ベネズエラの民主的な選挙で選ばれた政府が軍事クーデターによって転覆させられたわずか数時間後、IMFは「ふさわしいと彼らが考える如何なる方法でも[ペドロ・カルモナの]新政権を喜んで手助けする」と公然と言明した。

新たに据えられた独裁政権――国の憲法、議会や最高裁判所を直ちに解消したそれ――に金融援助をするというこの即座の表明はIMFの歴史において前例のないことであった。通常IMFは、選出された政府に対してすらこれほど迅速に反応することはない。この措置がベネズエラや他の地域において、クーデター自体を支持するIMFの試みであったとみなされたのは少しも驚きではない。この基金で支配的なワシントンは、米国政府の公文書によれば、あらかじめクーデターの情報を得ており、それを支援し、その指導者の幾人かに資金提供していた。

それに加えて、ベネズエラは近年のIMFによって首尾一貫して低く見積もられた自らの経済成長率に満足していなかった。基金は同様のことをアルゼンチンに対しても行ってきた。IMFの予測は広く利用されており、従って投資家に影響を与え得る。

とはいえIMFと世界銀行に対する憤りや、変化の要求は世界中に及んでいる。世界銀行におけるポール・ウォルフォウィッツの指導力に関するスキャンダル――世銀のこれまでで最も望まれていない総裁を引きずり降ろそうとしているそれ――は、氷山の一角にすぎない。昨月、IMFの独立評価機関〔IEO〕が明言したことは、1999年以来サハラ以南のアフリカの貧しい諸国に対する援助の4分の3近くが費やされていない、ということである。むしろそれはIMFの要請で、負債を返済し準備金を備蓄するために利用されている。これは酷いことである。この資金をHIV/AIDSの蔓延のような緊急事態に利用する切羽詰った必要がある、世界で最も貧しい諸国に対して行うことは。

ベネズエラの決断は、IMFと世界銀行に加盟しており、重大な改革を要求している開発途上諸国を力づけるであろう。現在世界人口の5パーセント以下を構成する米国がIMFで、惑星の大多数を代表する諸国よりも多い数の投票権を有している。両機関の誤りの矢面に立つ世界の開発途上諸国は、その意思決定において発言権をわずかしか、あるいは全く持っていない。ベネズエラの動き――およびそれに続く他の諸国――はIMFと世界銀行に、両機関から完全に脱退するという選択肢は現実のものである、ということを示すであろう。

このことが、両機関が債務諸国と維持している植民地支配的な関係を実際に変える改革に拍車をかけるか否かはまだ分からない。それよりもありそうなことは、過去10年間に急激に起きたように、両機関が開発途上世界にとって、より意義をなくしていく、ということである。

マーク・ワイズブロットはワシントンDCの経済政策研究センター〔CEPR〕の共同ディレクター。

posted by Agrotous at 21:15 | TrackBack(2) | ベネズエラ
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