2007年04月28日

CIA、ウゴ・チャベス殺害目論みか?
〔Is The CIA Trying to Kill Hugo Chávez? :Original Article in English/ZNet原文

クリス・カールソン〔Chris Carlson〕;2007年4月19日

「あのくそ野郎を殺してやりたい」と、ベネズエラのトーマス・ギジェン〔Thomas Guillen〕国家警備軍大佐は妻との録音された電話で言った。昨月ベネズエラ国営テレビ局で放送されたその通話で、大佐はウゴ・チャベス大統領を殺害する彼と彼の父親の計画を明かした。翌日、大佐と彼の父親、退役したラモン・ギジェン・ダビラ〔Ramon Guillén Dávila〕将軍はベネズエラ大統領殺害を企てたとして逮捕・拘留された。[1]

ここ数週間ウゴ・チャベスは、米国が彼を殺害する計画を立てており、彼と彼の政権に対する活動を増大させている、という警告を強めてきている。チャベスは更に、CIA〔中央情報局〕が有名なキューバ人テロリストでCIA工作員のポサダ・カリレスと提携して彼の暗殺計画を企てていると主張してきた。だがこのなかに僅かな真実もあるのだろうか? これは米国のもうひとりの公式の「敵」を殺害する典型的なCIAの陰謀なのであろうか? CIAとラモン・ギジェン・ダビラ将軍の間の繋がりを一瞥すると、それが確かに可能性のひとつであることを垣間見せる。

米国は自らの触手を世界中の異なる諸国に様々な仕方で拡張させ、各々の主権国家の政策に影響を与えたり、介入したりすることを成し遂げている。中南米での最もありふれたやり方のひとつは、表向きの「麻薬作戦」を通してである。CIAはボリビア、コロンビアやエクアドルの様な諸国で「対麻薬」作戦を行っていることで知られている。

ベネズエラでは、そのようなCIAによって生み出された「対麻薬」作戦は1980年代に、ラモン・ギジェン・ダビラ将軍によって率いられていた。最近チャベスを殺害しようと計画していた同一人物である。マイアミ・ヘラルド紙によれば、ギジェンはベネズエラでCIAに最も信頼された人物であり、1980年代にCIAに協力していた高官であるという。[2]

ベネズエラ国家警備軍のトップとしてギジェンは、コロンビアの麻薬密売作戦に潜入し情報を収集するべくCIAと密接に関わった。しかし麻薬作戦を抑制する代わりに、ギジェンとCIAは最終的に彼ら自身がコカインを密輸入することになり、その全てが1993年に〔米CBSの報道番組〕『シックスティー・ミニッツ』がすっぱ抜きを放映した時に噴出した。CIAはギジェンと協力して途方もない総量である22トンのコカインを米国へと密輸入していた。[3]

マイアミ国際空港を通し国に入ったコカインの積み荷を米国関税局が取り押さえた後、公式調査はギジェン将軍に責任があることを明らかにした。とはいえ調査報道記者マイケル・レビンによれば、ギジェンはCIAの指示と保護のもと作戦行動を行うCIA「要員〔asset〕」であったという。それは後にCIAが認めた事実である。ギジェン将軍は米国での裁判のためにこれまで一度も引き渡されたことがない。[4]

さて、ラモン・ギジェン・ダビラ将軍は未だに、ベネズエラ大統領の排除に従事するCIAの「要員」なのであろうか? 将軍がCIAとの繋がりを維持していようといまいと、チャベス政権を不安定化させるのに彼はかっこうの人物であるように思われる。

『School of the Americas Watch』のウェブページによれば、ギジェン将軍はその悪名高い米国の戦闘訓練学校〔米州軍学校(SOA)〕を1967年に卒業している。[5]2001年に『安全保障協力のための西半球協会』に改名された『米州軍学校』は、対破壊活動技術や尋問手法に関して中南米の兵士を訓練するために利用される米国軍の機関である。

米帝国の多数の触手の別のひとつとして、米州軍学校は「中南米における不安定化のための最大の拠点」と呼ばれてきた。ジョージア州フォートベニングに位置するこの学校は、中南米諸国における左派及び共産主義運動を抑圧し、政治情勢に影響を与えるべく、その地域全域に卒業生を送り出している。国民を抑制するために死の部隊や拷問を用いた歴史を持つ諸政権をこの学校は頻繁に支援してきた。

先週、2002年の米国が支持したベネズエラ政府に対するクーデター未遂の5周年記念に、チャベスは「帝国は決して休息することはない」と力説した。彼は米国がベネズエラのエリートと共に、彼を権力から引き降ろすために陰謀を企て続けるであろうし、彼らがボリバル革命を受け入れることは決してない、と断言した。

とはいえ、もしCIAがウゴ・チャベスを殺害あるいは引き降ろそうと計画していたとしても、それは驚くことではない。その犯罪組織には、暗殺、経済戦争や不正選挙を含めた秘密作戦の長く卑劣な歴史がある。中南米のみでも、CIAはニカラグア、チリ、パナマ、ブラジル、グレナダ、ドミニカ共和国、グアテマラや、最も最近の2004年のハイチの様な地域で多数の政権を転覆させてきた。

それどころか、もしCIAが人気のあるベネズエラ大統領を取り除く方策を追求していなかったとしたら、それこそ驚きである。結局のところ、チャベスは米帝国とその企業後援者たちの利権に対する並外れた脅威であることを示してきたのだから。チャベスはワシントンの新自由主義の行動計画をはっきりと否認し、経済の主要部門を国営化し、彼の国をIMF〔国際通貨基金〕と世界銀行の指令から解放し、OPEC〔石油輸出国機構〕を強固にし、国の石油産業を統制し、世界中での南々統合〔south-south integration〕を強化してきた。

とはいえ、帝国の利権に対してより脅威的なことは、ベネズエラにおける革命がその地域における模範となり、現在他の地域に広まっている、ということである。ボリビアやエクアドルの様な諸国がいま、彼ら自身の革命に生きており、ベネズエラの体験を模写している。

元CIA「要員」であるラモン・ギジェン・ダビラがCIAと共謀して、中南米で現在最も強固な左派運動を取り除こうとしていた、ということはもっともらしいことに思われる。だがCIAがベネズエラにおける炎をかき消すことを成し遂げようと成し遂げまいとに関わらず、この地域における左派諸革命の高まるうねりを彼らが統制するには時は既に遅いのかもしれない。


1. "Presentan grabación sobre supuesto plan de magnicidio contra Chávez," ABN / Aporrea.org, 07/03/07 http://www.aporrea.org/actualidad/n91527.html

2. Jerry Meldon, Contra-Crack Guide:Reading Between the Lines, 1998. http://www.consortiumnews.com/archive/crack10.html

3. Howard G. Chua-Eoan, "Confidence Games," Time Magazine, Monday, Nov. 29, 1993, http://www.time.com/time/magazine/article/0,9171,979669,00.html?iid=chix-sphere

4. Michael Levine, "Mainstream Media: The Drug War Shills?," http://www.expertwitnessradio.org/essays/e6.htm

5. School of the Americas Watch, Notorious Graduates from Venezuela, http://www.soaw.org/article.php?id=248

クリス・カールソンはベネズエラ在住の記者及び活動家。彼の個人的ブログは以下:www.gringoinvenezuela.com



posted by Agrotous at 21:18 | TrackBack(0) | ベネズエラ
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