2007年04月07日

チャベスは安定に対する脅威か? 否。
〔Is Hugo Chavez a Threat to Stability? No.:Original Article in English/ZNet原文

マーク・ウェイスブロート〔Mark Weisbrot〕International Affairs Forum;2007年4月4日

〔文中リンク原文ママ〕

「ベネズエラのウゴ・チャベス大統領が〔中南米の〕地域的な安定性に対する脅威であるかどうか、またブッシュ政権を含め彼を批判するものたちは如何にして応じるべきか」という質問について意見を述べることを私は求められた。これは簡単な質問である。

チャベス大統領の政策や声明に同意しようと異議があろうと、彼や彼の政権が地域的な安定に対する脅威であるという考えは馬鹿げている。それどころか、それよりも遥かに理にかなった論を挙げることができる。彼の政権がその地域の安定化に貢献した、と。

そのやり方は、自らの500億ドルの外国為替準備を利用し、最後の手段としての債権国の役割を果たし、その地域全域の諸国に対する財政援助の他の形態を提供することによってである。それはこれまで国際通貨基金〔IMF〕が行ってきたと言われているが、ほとんど行わなかったことである。それが今特に重要なのは、中南米が重大な歴史的推移を体験しているからである。その地域のおおよそ半数の人口を左派諸政府が統治している今。

中南米は、ここ100年以上の間で最悪の経済成長の成果に終わった、その地で「新自由主義」として知られる失敗した経済改革政策の長い時期から抜け出している。1980年から2000年に、地域的な一人当たりGDP(国内総生産)はわずか9パーセントの伸びであり、2000年から20005年にはもう4パーセントであった。それに比べて、1960年から1980年のわずか20年の間にそれは82パーセント拡大した。過去25年間の前例のない成長不足の結果、アルゼンチン、ボリビア、ブラジル、エクアドル、ニカラグアやウルグアイを含めた複数の諸国において有権者は変化を要求した。

ベネズエラは30億ドル以上をアルゼンチンへ貸し出してきており、ボリビア、エクアドル、ニカラグアや他の諸国に数億ドルを貸し出した、あるいは明言した。更にそれはペトロカリブ計画を通して、カリブ海の諸国に石油のための助成された債権を提供しており、近隣諸国に他の形態の援助を提供してきた。これらの資源は、大多数の他の国際的(IMF、世界銀行、米州開発銀行等)及び二国間援助とは異なり、政策条件なしで提供されている。これらの資源を提供することにより、他の諸国が政策を有権者が要求したことに更に即したものに近づけることをベネズエラは助けており、その過程における経済危機の脅威を非常に縮小させている。

例えば、去る11月のニカラグアの選挙の前に米国政府高官らは、その国の有権者達に度重なる脅迫をした。彼らがダニエル・オルテガを選出した場合、貸付金や援助の中断によって大変苦しむことになる、と。そこには多くのニカラグア人が頼っている米国にいる親戚から送られる送金の停止すら含まれていた。これらの脅迫のどれひとつとして実施されなかった。それは部分的に、それが無益で非生産的であることをワシントンが知っているからである。なぜなら、ニカラグアは米国に支配された財源をベネズエラからの借り入れにただ単に取って代えるであろうから。同じことがボリビアにも当てはまる。ボリビアは炭化水素収入を劇的に拡大させてきており、国内的政治課題に干渉しようと試みない国際的な債権国を有していることを理解し、交渉に更に有利な立場にある。エクアドルの新しい進歩的な大統領〔ラファエル・コレア〕――行政改革、貧困層支持及び開発志向の政策という彼の公約を果たすために、複数の重要な政治的戦いに直面している――は、ベネズエラを債権国として持つことで同様に強化されている。2006年1月にアルゼンチン政府が、残りの99億ドルの負債を返済することでIMFに別れを告げる決定を下した時、ベネズエラの25億ドルの貸与は、その政府が自らの準備金を危険なほどに低い水準へと押し下げることを回避する手助けとなった。

以上の全ての実例やその他において、ベネズエラによる財政上の支援は、他の諸政府が彼ら自身の有権者に対する公約を果たすことを助けており、それによって安定のみならずその地域における民主主義の強化にも貢献している。対照的にワシントンによる援助は頻繁に正反対の効果があった――徹底的に評判が悪く、現在私達が知っているように、経済上欠陥があった諸政策を強制しようと試みることで、「IMF暴動」や時に経済危機(例えば1998年から2002年のアルゼンチン不況)を引き起こした。

チャベスが地域的安定に対する脅威であるというブッシュ政権の非難を容認する政府はその地域にはない――衝突の耐えない1300マイル〔約2千キロ〕の国境をベネズエラと共有するコロンビアのアルバロ・ウリベ大統領ですら。昨年ウリベが米国議会のメンバーと会談した時、彼はチャベスを非難することを拒否した――伝えられるところによれば非公式のときにすら。更に、大多数の中南米政府がベネズエラの国連安全保障理事会の〔非常任議席〕獲得を支持した。国連で彼がブッシュ大統領を「悪魔」と呼んだ後にもかかわらず。またその経済がベネズエラ経済の規模の67倍である米国が行使したあらゆる圧力にもかかわらず。

ブッシュ政権はベネズエラの非脅威に関して何をするべきか? 手始めに、チャベスを引きおろした2002年4月のクーデターに対する支持は誤りであったことを認めることができる。米国連邦議会は、その関与〔の疑惑〕に対する真の調査に乗り出すべきであった。1973年のチリの民主的な政府に対する米国後援のクーデターに対してそうしたように。それは大量の情報をもたらした。これまでのところCIAと国務省からのベネズエラのクーデターに関する文書が示していることは、ブッシュ政権がクーデターの指導者らの幾人かに支払いをし、発生中に事件に関して嘘をつくことによって手を貸したということである。政権は更に2002年から2003年に〔ベネズエラ〕政府を転覆するべく試みた破壊的な石油ストライキを暗黙のうちに支持し、2004年の失敗に終わった〔チャベス大統領〕罷免の試みやその後にかけて反対派の諸団体に資金を供給した。実のところ、米国国際開発庁〔USAID〕は、内密な組織ではないとされているのだが、それが明らかにしない活動や受領者のためにベネズエラ、ボリビアや他の諸国に数百万ドルを注ぎ続けている。これもまた公表される必要がある。

マーク・ウェイスブロートはワシントンD.C. 所在の経済政策研究センター〔Center for Economic and Policy Research〕の共同ディレクター。

posted by Agrotous at 21:28 | TrackBack(0) | ベネズエラ
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