2005年05月21日

新しい人類の世紀への岐路に立つベネズエラ

〔Venezuela at the Crossroads of the New Humanity Century Original Article in English/ZNet原文

ヴラディミア・ブラヴォ‐サラザー〔Vladimir Bravo-Salazar〕;2005年4月3日


1)世界の石油とオイルピーク訳注1

人類が、15世紀以来親しんできた世界は、いま分岐点に立っている。資本主義という優勢な、経済と発展のモデルが、ここまで世界を推し進めてきた。我々が持つ選択肢のひとつは、もっと正常で維持可能な、全ての人々のための未来か、または消費しつくすまで資源を搾取するために、他の国家を破壊していくかのどちらかである。資本主義は絶え間ない成長を必要とし、この体制は庶民に最低限の資源を与えておきながら、限られた小数の者に膨大な富を与えるために運営されている。これが今、いわゆる先進諸国の人々すら巻き込みながら、貧富の両極化を推し進めている。

人口増加がさらに資本主義体制にひずみをあたえている。世界の人口は増える一方であり、特に資本主義に必要な断続的成長を支える資源を豊富に持つ国々に著しい傾向である。世界の中心的な資本主義国家、特に米国、はこの資源を持っていない。それにもかかわらず、浅はかな消費と維持しえない生活水準を保つ為に、中核にある資本主義の国々はこの資源の権利を主張する。そして実際に資源を持つ世界の外縁に位置する国々は、自国民の為の食物、健康、教育、尊厳、そして生存の為にその権利を主張している(1)

水を例外にすると、この資源のなかで石油以上に重要なものはない。資源入手作業にかかる労力に対するエネルギー量の点からすると、石油ほど安く効果的な資源はない。現在の工業的、技術的な世界が必要なエネルギーを供給するには、他のエネルギー資源は石油に到底及ばない。そんななか、多くの専門家が石油生産はピークに近づいているとみている。もうピークに達した、あるいはもう過ぎたとみる専門家もいる。これが意味することは、近い将来石油は少なくなり先進諸国の需要すら供給できなくなるという事だ。石油はエネルギーの為だけに必要なのではなく、プラスチックを含めたあらゆる人工品に不可欠なのである。石油はまた、あらゆる産業に広範囲にわたって利用されている。医療は多数の石油から作られた製品を利用し、農業生産は石油から作られた化学肥料なしには、現在得られている収穫量を維持でき得ない(2)訳注2

現在構築された世界経済は石油なしでは成り立たない。石油は米国に牛耳られた世界市場で取引され、アメリカドルを基にした、ペトロダラー訳注3という名を付けられている。他の国々が所有する資源に担保を当てることによって、米国ドルは人為的に支えられている。ペトロダラーこそが莫大な赤字を抱えた米国経済を、崩壊せずに留めているのである。(3)

西半球の中で最大の石油確認埋蔵量訳注4をほこり、世界最大重油埋蔵国がベネズエラである。残念ながらこの事実が米国にとってベネズエラを、戦略的フォートノックス(Fort Knox)訳注5にしているのである。

2) 旧植民地主義、親植民地主義と新アメリカ世紀プロジェクト(PNAC)訳注6

新植民地主義経済の目標は、資本主義体制の外縁に位置する国々を支配することと、彼らの資源を横領することである。支配のための新植民地主義体制はいくつかの段階がある。まず、対象国に全面発展――新植民地主義者の定義によると、主要な先進国家が維持している程度の生活水準に届く発展――は果たせうると納得させる。全面発展を望む国はその開発を成し遂げる為に、IMF(国際通貨基金)と世界銀行から、貸し付けを受け入れることを要請される。次に、対象国に市場の実勢相場は経済学者らが作り出した物ではなく、変えられない自然の法則だと信じさせる。そして、対象国にそうすることによって全面発展は達成されると約束し、自らのもろい経済を世界市場に開けさせる(4)

対象国は構造調整計画(SAPs)訳注7を導入するようIMFと世銀に強いられる。この計画は新しい貸し付けに対し、対象国の経済を信頼できるものとするとされているが、実際には社会構造の破壊しかもたらさない。IMFと世銀の真の目的は、対象国の全面発展を支援するのではなく、対象国を主要先進国の成長に対し供給する為の、安い商品生産者に変える事である。外縁諸国は「開発貸付金」を返す為に、実際の資源を主要先進国にペトロダラーと引き換えに輸出している。この極めて巧妙な事業は、第二次世界大戦の終わりから行われている。IMFと世銀を操るのは米国であり、このことが米国の新植民地主義勢力としての力を強めさせ、世界の覇者にし、その結果ヨーロッパの旧植民地主義者達を凌駕するようになった。ワシントン・コンセンサス 訳注8(実用的な効果において、ここでは新自由主義と同義)は絶大な支配をし、米国がソ連を圧倒するのを可能にしたひとつの要因がペトロダラーだった。

米国現政権の主要な人々は、新アメリカ世紀プロジェクト(PNAC)と呼ばれる文書の草稿に関わった。この文書は世界に対する覇権を保証するために、米国政府がなにをするべきかという助言を詳しく述べている。欧州連合(EU)は堅実にまとまりある経済的、政治的な集団になりつつあり、彼らの通貨ユーロはペトロダラー独占への脅威になり始めた。イラクは国際用貯蔵を欧州諸国に替え、石油をユーロで売るようになった。多くの人はイラクが侵略された本当の理由のひとつが、ペトロダラーからユーロへの変換だったのではないかと信じている。ブレント原油(Brent)訳注9とニューヨークマーカンタイル取引所(NYMEX)訳注10に張り合うためにイランは現在、ペトロユーロと呼ばれる新しい石油取引の計画を提案している。当然ながら、現米国政府はイランが大量破壊兵器を所有していると非難している(5)。 

新植民地主義者達にとっての主な関心事は、旧植民地主義者達の経済力の潜在的な強まりであり、またペトロダラーに対する脅威である。カリフォルニア、モンテレイに位置するナヴァル・ポストグラデュエイト・スクール〔the Naval Postgraduate School〕のセンター・フォー・コンテンポラリー・コンフリクト〔the Center for Contemporary Conflict〕は、ペトロユーロや、いかなる通貨、またはペトロダラーではない、いかなる形態での貿易も「陰謀説」として退ける試みを幾度か行っている(6)

ベネズエラは他の外縁諸国(アルゼンチン、キューバ、ウルグアイ)と、ペトロダラーの替わりに、商品を直接交換し合う貿易取引を組んだ。この代替案は外縁諸国に実質的で、維持できうる発展を促進する貿易設立の基になりうる。


3)多極 対 帝国主義

外縁諸国が資本主義体制のなかで生き残るには、彼らが持つ資源の所有権を主張しなければならない。まずは自国民の要求を満たすことが先決であり、そうした後にはじめて貿易に手を付けられるのである。この貿易には決してペトロダラー、あるいはペトロユーロすらをも元に行ってはいけない。このどちらの通貨も植民地主義者たちによって、本物の品物を借金と引き換えに主要先進国に垂れ流す為の貿易不均衡を確実にするために作られた。主要先進国を肥やすための構造を終わらせる手助けを、主要先進国自身に頼れるはずがないので、外縁諸国は互いに連携しあって、新しい経済開発機構、あるいは「極」と呼べるもの、を作り上げなければならない。この多数からなる極は、外縁諸国がその極内において維持可能で人道的な発展をすることを可能にし、後に帝国主義者たちともっと対等な立場から交渉を行えるようにする。各地域にそれぞれの極を作る為に、外縁諸国の統合は南米、アジア、アフリカで地域的に行うことができる。そしてそのそれぞれの極が戦略的に互いに結びつき、南半球の経済ブロックが成り立つ。この南のブロックは、米国極と欧州極から公平さをはるかに要求しやすくなる。

ボリバル革命が民主的に選任されて以来、ベネズエラ政府は先頭に立ってこの統合を率いてきた。IMFにより行われた構造調整計画(SAPs)がもたらした社会的混乱を目の当たりにした多くのベネズエラ市民は、ワシントン・コンセンサスによる「成長」モデルの邪悪さを知っている。南米統合のための具体的な計画をベネズエラは提案し、現に実行している(例えば、南米石油会社ペトロスル(PetroSur)、南米視点による二十四時間のニュースと文化チャンネルのテレスル(TeleSur),それにペトロダラーによらないエネルギーと物資を交換する貿易。)ベネズエラはすでに南米南部共同市場(MERCOSUR)訳注11(共通市場確立のためにブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイによって作られた)、アンデス共同体(CAN)訳注12等のすでに発効された協定を支持し、南米国家共同体(CSN)(7)訳注13の創設には主要な役割を果たした。この努力の数々は南米の極が現実になる役目を担っている。

ベネズエラが懸命に指し示しているのは、どうすれば全く違った世界、もっと民主的な多極的な世界が実現できるのかということである。


4)人道的経済 対 新自由主義

世界の資本主義体制にとって、人口増加と減りゆく資源は悪い前兆である。この体制が繁栄するためには継続的な成長は必須であり、継続的な成長には限りない資源が必要である。資本主義体制は、企業自由貿易と「公開市場」という新自由主義の理念によって運営されている。成長という幻想を作り出すために、あらゆるものは商品とみなされ(ここには技能を持った、そして熟練した人材も入る)、最安値入札者に外部委託することで無理やり安くされていく。この「成長」によって利益を得るのは外部委託によって儲ける企業と、その企業の大部分の資本を所有するほんの一握りの裕福な個人だけなのである。これ以外の人々の手に入るのは、しだいに少なくなる所得なのだ。新自由主義の理念による資本は、大富豪と超貧民の間の維持不可能な両極を作り出し、主要な国々の人々すらこのことに気づき始める段階にまで達している。

新自由主義モデルが維持できないという証拠は、資本主義体制に位置する外縁諸国に見いだせる。その国々は新自由主義構造調整計画(SAPs)がもたらした、社会と経済の破壊をしめす「鉱山のカナリア」なのだ。訳注14アジアの虎(韓国)から、アフリカ(ソマリア、モザンビーク)、南米(アルゼンチン、ペルー、ブラジル、ボリビア)、それに幾多の東欧諸国までいくらでも例はある(8)。社会の両極化を広め, 社会的動揺に対する多くの死者をだした暴力的な抑圧をもたらしたSAPs(80年代後半から98年まで適用された)の結果に苦しんだ後に、ベネズエラの人々は眠りから覚め、民主的、革命的な変化に向けて進みだした。

ベネズエラの人々は、民主的に彼らの共和国をベネズエラ・ボリバル共和国〔Bolivarian Republic of Venezuela〕として新たに制定し、ほぼ間違いなく世界で一番進歩的な憲法を作り出した (9)。この憲法は(その前文と第2条および3条において)、その価値観において、自由のみではなく、独立、平和、結束、公益と共存をも確立している。そして権利においては、命だけではなく、働く事と医療保険(83条と84条)、文化、教育、差別と服従なしの社会的正義と平等も挙げている。この憲法の前衛的な社会的、人道的視点の例は家庭での労働を経済的な活動として認め、主婦に社会保険の権利を与えていることである(88条)。第90条は一日八時間労働を義務付け、雇い主が労働者に残業を強要してはいけないと規定している。憲法はまた、選挙で選ばれ、公職につく者の委任を取り消すことを含めた多数の国民投票を通して、最高権力は人民の手にあることを保証している。

その価値観と憲法に一致する形で、ベネズエラ・ボリバル共和国は、今の世界を動かしている新自由主義政策とは異なる選択肢を提案した。富める者達に利益を与えるべく、人類は経済に奉仕するべきとする新自由主義の前提に対して、ベネズエラモデルが第299条において提案する中心的前提は、経済が全ての人々に利益を与えるため人類に奉仕するというものである。このことはアメリカ大陸において、南米ボリバル代替案(ALBA)訳注15によって体現されている。ALBAは「米国後援の米州自由貿易地域(FTAA訳注16、スペイン語ではALCA)に対する代替案であり、後者が規制緩和された利益の最大化という論理を基にしているのに対し、社会志向の貿易ブロックを提唱している点で異なっている。ALBAが訴えているのは、人間に生来備わっている正義と平等という平等主義の原理、もっとも奪われた地域の社会の幸福、そして今迄行われていた様な先進諸国の命令下の条件ではなく、必要な援助とともに、もっと有利な条件で貿易交渉が出来るようになる為の、西半球の発展途上国に向けた再活性かされた結束感覚である(10)。」外縁諸国は人道的で維持可能な経済と、結束を基にした生き方に移行しなければならない。これは生存の問題だけではなく、より良い生活をおくる機会なのである。ベネズエラはこの変容過程の先駆者なのだ。


5)主権 対 介入

この民主的、革命的な変化の過程は貿易、エネルギー、外交の問題において自律的対外政策を成立させ、ベネズエラを主権国家にした。無料の教育と医療保険を最も貧しい市民にすら提供するために、国はその資源と国家財産を消費した。

ベネズエラの民主主義は、米国政権の強度な敵意によって迎えられた。この敵意は、頻繁に行われるベネズエラ民主政権に対する否定的声明から、2002年4月にほんの少しの間成功した政権転覆を招いたクーデターを行った団体に対する、全米民主主義基金(NED)訳注17を通した資金提供にまで及ぶ。クーデター指導者達によって置かれた法的、公的はともかく事実上〔de facto〕の政府は、憲法と最高裁と国民議会を廃止した。この独裁を正当なベネズエラ政府だと最初に認めたのが米国政府だった。米国はいまもクーデターを起こした団体に対して、年に500万ドルの支援を行っている(11) (12)。さらに米国の介入を示す証拠は、鈍感な論理でクーデターを民主化運動であったと米主要新聞が称えた事実にある(13)。実際のベネズエラ政府が持つ真の民主的性質は、そのクーデター反転にみられる。米国が扇動した中南米諸国におけるクーデターのなかで、ベネズエラにおいてのクーデターは、憲法に則って選ばれた大統領(〔ウゴ・〕チャベス氏)を復帰させるために、大群衆が通りに出て抗議をしたという点で他に類を見ない。人々の要請によって、大統領警護隊と軍の下士官たちが大統領を再任させた。それ以来、チャベス氏の政権は、クーデターを試みた集団による幾度かの経済的破壊工作の試練に首尾よく持ち応え、米州機構(OAS)訳注18、カーターセンター(Carter Center)訳注19、その他の国際的監視団体のきびしい監視下で、彼の統治委任を問う国民選挙で圧勝した。最近では中国、フランス、インド、そして他の南米諸国と協定を組むことで、ベネズエラは自国の石油市場の多角化を図っている。その主要市場を米国に頼りきることは、特に米国の敵意を考慮に入れると、国益に適わないため、このベネズエラの動きは最も慎重な戦略といえるだろう。新アメリカ世紀プロジェクト(PNAC)の意向を反映するのみではなく、新モンロー主義(Roosevelt Corollary of the Monroe Doctrine)(南米に介入する権利があると米国が主張する時)訳注20をも踏まえた仕方で、米国の意図を表面化させながら、この敵意は高まっている。

最近のベネズエラとコロンビア間の外交問題は、コロンビアがゲリラ組織のコロンビア革命軍(FARC)代表ロドリゴ・グランダ(Rodrigo Granda)を、国際法に則って国際刑事警察機構(Interpol)に拘留を要求する代わりに、カラカスから誘拐し、ベネズエラの主権を侵害した時に起こった訳注21。即座に米政府は、明らかに二国間の間に問題を起こそうと、コロンビア大使を通して、100パーセントコロンビア側に付くと発言した(14)

この介入主義戦略の中にはコロンビア計画(Plan Colombia)訳注22も含まれる。この計画の下、米国は、「麻薬に対する戦争」や「対テロ戦争」という口実で、800人程度の軍事「顧問官」を送り出した。又、米国はコロンビアに対し、年間10億ドル以上の軍事支援を行っている(15)。軍事支援および援助が容易に軍事介入につながるという点で、この事は、特に南米において、米国の新植民地主義的歴史に合致する。米国の行動は、現米国政権の対外政策を動かしているPNACが提案した、完全覇権に対する衝動と一致する。

米国政権はコロンビアに対する軍事関与を止めていないだけではなく、ベネズエラに介入するのを狙って、米州機構憲章(OAS Democratic Charter)の改正を提案している。米国務省二番目の座に対する有力候補のロバート・ゾーリック(Robert Zoelick)によれば、「チャベスは選挙に勝ち、反体制をくつがえし、報道と司法権を制限した。」「これは発芽している新種の独裁であり、直面しなければならない(16)。」参加型民主主義を体現する憲法を持ち、広範にわたって支持されている民主政権を、独裁政権に変えるこの偽りの論法は、ベネズエラに対し、米国政府高官と現地代理人たちが使う典型的なレトリックである。

米国はベネズエラを不成功ながら周辺地域から隔離しようとしており(17)、ベネズエラ沖からわずか30マイル離れた海域で、不振を抱かせるほど挑発的に海軍活動を追行している(18)。又、米国政府高官の間で不特定の「抑制」が囁かれ(19)、Miami TV訳注23が元CIA諜報員とのインタビューのなかで、司会者はチャベズ大統領の「身体的排除」の事を聞き、ベネズエラ国民に「目覚めろ」と告げた(20)。  

自分達の目的に有利になるような貿易を実施する為、そして建設的結果と、平和な目標に至る独立した外交政策を進める為に、外縁国の人々は、幸福と成長のために自らの資源を管理する形で、自らの主権を擁護しなければならない。


6)共同体、教育、公正な社会への約束

ボリバル革命の目標は、ただ自由を謳歌できるだけではなく、総体としての社会と国と人類を向上させるために、参加型民主主義のなかで、建設的に自らの義務を効果的に実行できる個々人からなる社会を手にすることである。この過程の一部は無料の教育(小学校から大卒レベルまで)を提供することだ。ボリバル大学(Bolivarian University)の校長によると、「教育とはただ専門家をつくるのではない。教育とはそれ以上のものだ。知識は力であり、より多くの人々が知識を持てば持つほど、全人口の力を強めることになる。女性を教育すれば、その教育を受けた女性だけでなく、全ての人々の力を強めることになる。論理的、批判的に考える人々〔critical thinkers〕、いわゆる知識人階層、を作り出すことは、ただ人々が働けるように準備するよりも遥かに意味深い事業なのだ(21)。」

この目標を確固とした現実にするため、ベネズエラ政府は一連の計画、通称ミッション、を実行している。ミッション・ロビンソン(Mission Robinson)は初等教育を提供し、ミッション・リバス(Ribas)は高校レベルの教育を、ミッション・スクレ(Sucre)は大学レベルの教育を、そしてミッション・ブエルバン・カラス(Vuelvan Caras)は職業訓練を提供している。それに加えて、最も貧しい地域及び地方に初めて治療をもたらした、拡大する地域診療所網を作り上げたミッション・バリオ・アデントロ(Barrio Adentro)を通して、医療保険が提供されている。政府はまたミッション・マーカル(Mercal)を通じて、助成金を受けた主食を、実に手ごろな価格で提供する、基本的な食料雑貨店網を創設した。

この探求が目指すのは結束が基にある、暴力のない社会、本当の参加型民主主義、全ての人への医療保険、全ての社会の一員に対する無償の教育と生活の質である。このことは、自己しか気遣わず、個人を、共通の利益(common good)という意識を欠いた孤島に変えてしまう、新自由主義が目指すものと対照をなす。そして、新自由主義の枠組み内にいる個人は、他人の人間性を奪うことで、彼や彼女が所属する社会の拡大する両極化に耐えるよう強制される。

ベネズエラの提案は公正な社会への約束を有し、それをもたらしているのがボリバル革命という民主的過程である。もし残りのものがこの例に続けば、今世紀は新しい人類の世紀になる可能性を手にすることになる。


7) 原注

 (1) Pacheco Simanca, Jose Luis, “Sistema Capitalista Mundial y Polo de Poder Latino Americano”, Fondo Editorial Question/Centro de Estudios Territorio Emergente, Caracas 2004. 戻る

 (2) Heinberg, Richard, “The Party’s is Over: Oil, War and the Fate of Industrial Societies”, 3rd Edition Revised, New Society Publishers, Canada 2003. 戻る

 (3) http://www.ratical.org/ratville/CAH/RRiraqWar.html   戻る

 (4) Chossudovsky, Michel, “The Globalization of Poverty and the New World Order”, 2nd edition, Global Outlook, Canada 2003. 戻る

 (5) http://www.globalresearch.ca/articles/CLA410A.html   戻る

 (6) http://www.ccc.nps.navy.mil/si/nov03/middleEast.asp - references 戻る

 (7) http://www.comunidadandina.org/ingles/press/Allanwagner8-2-04.htm 戻る

 (8) Chossudovsky, Michel, (see [4]). 戻る

 (9) http://www.vheadline.com/readnews.asp?id=6831  戻る

 (10) http://www.venezuelanalysis.com/docs.php?dno=1010 戻る

 (11) http://www.venezuelafoia.info/ 戻る

 (12) http://www.venezuelafoia.info/Press-Articles/CIA-coup-proof.htm#edn4 戻る訳注24

 (13) http://www.fair.org/press-releases/venezuela-editorials.html 戻る

 (14) http://www.axisoflogic.com/cgi-bin/exec/view.pl?archive=85&num=15280 戻る

 (15) http://www.thenation.com/doc.mhtml?i=20041101&s=weinberg 戻る

 (16)http://translate.google.com/translate 戻る

 (17)http://www.greenleft.org.au/back/2005/614/614p19.htm 戻る

 (18) http://www.venezuelanalysis.com/news.php?newsno=1528 戻る

 (19) http://news.ft.com/cms/s/77d0a418-93ff-11d9-9d6e-00000e2511c8.html 戻る

 (20) http://www.venezuelanalysis.com/news.php?newsno=1549 戻る

 (21) http://www.venezuelanalysis.com/articles.php?artno=1282戻る


訳注

1: peak oil;オイルピーク、石油ピーク、ピークオイル等と訳されている。石油生産がピークに達し、衰退していく事を指す用語。日本語では下記のサイト等で情報が得られる。
http://www.iae.or.jp/energyinfo/energykaisetu/jiji0002.html
http://ecosocio.tuins.ac.jp/ishii/opinions/enegy_future.html
http://www007.upp.so-net.ne.jp/tikyuu/myenvironmentalism/philosophy/do_you_know.html 戻る

2: ここで述べられていることは、石油が化石燃料だということを前提にして語られている。しかし、このサイトの解説にもあるように、石油が化石燃料だということは、既成概念ではあるが、説の域をでていない。 戻る

3: petrodollars;オイルダラーとも呼ばれる。 戻る

4: proven reserves of oil;「油田にある原油のうち、技術的・経済的に生産可能なものを可採埋蔵量、その中でも確実に生産できるもの」が石油確認埋蔵量と呼ばれる。参照元 http://oil-info.ieej.or.jp/static/oil/2-1a.html 戻る

5: Fort Knox: 米国連邦金塊貯蔵所の所在地。言葉のあやで金鉱の意。ここでは経済的に重要な拠点というような意味。 戻る

6: Project for New American Century;日本語の詳しい概要は http://homepage.mac.com/ehara_gen/jealous_gay/pnac.htmlを参照のこと。またこの団体のサイト(英語)はこちらwww.newamericancentury.org/ 戻る

7: Structural Adjustments Programs;日本語での詳しい概要はhttp://www.africa.kyoto-u.ac.jp/lecture/shimada/を参照のこと。 戻る

8: Washington consensus;「ワシントンに本部を持つIMF・世界銀行などとアメリカ政府で共有されていたコンセンサスで、1990年代の途上国についての経済政策に関する正統的な考え方。東南アジアの経済危機、ロシアの経済危機に対して、このコンセンサスに基づいて行 われた世界銀行、IMFが施した処方箋は適切なものではなかったとの批判がある。」出典 http://www.hefx.ne.jp/annai/yougo_w.htmlまたタイにおけるワシントン・コンセンサス適用の過程と結果はhttp://tanakanews.com/e0108thai.htm 戻る 

9: Brent;ロンドン国際石油取引所(International Petroleum Exchange of London:IPE)で取引される原油の総称。 戻る

10: New York Mercantile Exchange;上記のロンドン国際石油取引所がBrentを取引するのに対し、NYMEXはLight,Sweet Crudeと呼ばれる原油を取引している。 戻る

11: MERCOSUR:Mercado Comun del Sur;概要はこちら http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/latinamerica/keizai/mercosur/gaiyo.html 戻る

12: Community of Andean Nations(CAN)の概要は外務省のページにある。 
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/latinamerica/keizai/andes/andina_gaiyo.html 戻る

13: South American Community of Nations ;南米共同体ともいう。
     http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%97%E7%B1%B3%E5%85%B1%E5%90%8C%E4%BD%93 戻る

14: canaries in coal mine;過去に石炭鉱山でカナリアを毒ガス検知に使っていた。そこから「何かが起こる指標」の意。 戻る

15: Bolivarian Alternative for the Americas;在ベネズエラ日本国大使館では米州ボリバル代替統合構想と訳されている。 戻る

16: Free Trade Area of the Americas;概要はこちら http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/latinamerica/keizai/ftaa/gaiyo.html 戻る

17: National Endowment for Democracy;この組織についての詳しい記事はhttp://www.jca.apc.org/~kmasuoka/places/c19.html また2002年4月のクーデターについては http://www.jca.apc.org/stopUSwar/Bushwar/hands_off_venezuela.htm 戻る

18: Organization of American States;アメリカ大陸の国際機関。http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/latinamerica/kikan/gaiyo.html 戻る

19: Cater Center;元米大統領ジミー・カーター(Jimmy Carter)が設立した人権機関。
http://www-cger.nies.go.jp/cger-j/db/info/org/carter.html 戻る

20: Roosevelt Corollary of the Monroe Doctrine;セオドア・ルーズベルト(Theodore Roosevelt)が1904年に掲げた外交政策。これは、ヨーロッパ諸国(植民地主義者)を南米大陸に干渉させないとするモンロー主義(Monroe Doctrine)に対し、ルーズベルトが修正したもの。新モンロー主義は、米国が南米に対し干渉するのを正当化することに使われた。日本では新モンロー主義とは訳されず、ただモンロー主義とされることが多いようだ。モンロー主義についてはhttp://pol.cside4.jp/theory/17.html 戻る

21: この事件については在ベネズエラ日本国大使館が詳細に報告している。http://www.ve.emb-japan.go.jp/gaiko/seiji/seiji200501.htm 戻る

22: この計画の概説はhttp://www.jca.apc.org/~kmasuoka/places/colplan.html 戻る

23: Miami TV; このテレビ局は過去キューバ及びベネズエラに対し攻撃を加えると公言するテロリストを番組に登場させたことがある。参照元http://counterpunch.org/wire06112004.html(英文)戻る

24:このリンクは切れているが(2005年5月現在)、アーカイブサイトに記事が保存されている。そのページへのリンクはここhttp://web.archive.org/web/20041122133200/http://www.venezuelafoia.info/Press-Articles/CIA-coup-proof.htm#_edn4 この原注12で示されているのはリンク先の記事内の注であり、それは引用元として http://www.i2osig.org/cia.html を挙げている。ここには大まかなCIAの歴史と工作活動が主に書かれており、文章の終わりあたりで、2001年9月15日の説明会(Briefing)において、ジョージ・テネット(George Tenet)CIA長官(当時)が「Worldwide Attack Matrix」と呼ばれる最高機密の、アジア、中東、アフリカの80カ国を対象にした、CIAの隠密な対テロ作戦についての説明をする文章を提出したことに触れている。「この機密文章は2002年1月にワシントン・ポストのボブ・ウッドワード記者の記事中(英文)で、はじめて報道された。その時点ですでに、この対テロ作戦は計画、または実行されているという(出典Wikipedia.org(英文))。」 戻る



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