2006年12月08日

体制転換せず:チャベスの選挙勝利はキューバとの同盟を強固にする
〔Regimes unchanged: Chavez's election win strengthens alliance with Cuba:Original Article in English/ZNet原文

デリック・オキーフ 〔Derrick O'Keefe 〕Seven Oaks ;2006年12月5日

人間の命の避けられないはかなさを祝うべきではないのは当然ではあるが、チリの91歳の元独裁者アウグスト・ピノチェトが12月3日日曜に、心臓発作に襲われたことは事によるとふさわしいのかもしれない。

同日、ウゴ・チャベス――米国とベネズエラのエリートがチリのサルバドール・アジェンデと同様の宿命をあてがおうと試みてきた人物――が選挙で大勝を収め、ボリバル革命とその計画である「21世紀の社会主義」の構築に対する委任が再び是認された。2002年にクーデターに、2002−2003年に雇い主のストライキと石油停止に、そして2004年に罷免国民投票に打ち勝った後、ウゴ・チャベスは、非公式の結果によれば、票の60%以上を勝ち取り、挑戦者のマヌエル・ロサレスに止めを刺した。訳注1

強固になる「希望の枢軸」

それは全くもって中南米政治における重要な週末であった。12月2日土曜に、数十万のキューバ人がフィデル・カストロの80歳の誕生日を祝うべく結集した〔式典はカストロの誕生日8月13日から延期されていた〕。今年公職を降りた病弱の指導者は、集会に参列せず、彼が重病であり公職に二度と復帰しないのではないか、という広範囲に及ぶ憶測を煽った。

著者のタリク・アリやその他が「希望の枢軸」と呼ぶ、キューバ、ベネズエラとボリビアの同盟は、地域的及び国際的に、米国帝国主義の利権に対する強力な挑戦として現われ出た。チャベスに対する更なる6年の委任の更新はこの枢軸をより強固にした。

ボリバル主義勢力の選挙勝利とカストロの健康状態を考慮すると、帝国勢力が、従順な資本主義政府を再び強いるという長期的な視野を伴って、ハバナの政権を不安定化させる拡大された試みに集中するであろうことは容易に推測できる。この戦略的な目標は数十年の間、米国諸政権の強迫観念であり、更に、2004年に採用された500ページ近い公式政策によって再確認された。体制転換の政策の成文化は驚くには値せず、そしてキューバの社会主義政権を破壊する規定された多くの手段は、舞台からのフィデルの退場に付け込む意図を持って、既に加速している。

(幾度も誤って)予告された崩壊の記録

長年にわたり、非専門的な右翼解説者らが存在し、ハバナ政府の崩壊を予期してきた。これらの文筆業のハゲタカらは実際、数十年の間堂々巡りしてきた。例えば1992年に、マイアミ・ヘラルド紙のアンドレス・オッペンハイマーは「Castro's Final Hour〔カストロの最後の時:原著」 を著した。

オッペンハイマーは今もなお1週間に二度、チャベスやカストロ、及び中南米の僅かばかり左派の誰もに対する辛辣な酷評を発表している。カストロの病状に対する米国の方針を分析する上で、彼の戦術的な忠告は、キューバにおける体制転換に対する慎重で、緩やか、そして意図的な路線を彼が力説しているゆえに、有益である(『Hostile words play into Castro hands 』マイアミ・ヘラルド、2006年8月3日)。

実のところ、右翼解説者の中ですら最も不合理な者のみが、キューバに対する短期的な軍事的選択が米国にはあると信じている。ハバナにおける12月2日の集会でのラウル・カストロの演説は、相互の尊重を基にした米国との交渉の「和解的」申し出及び、キューバの軍備の再強調の両方を含んでいた。

「我々は、25年前に計画し着手した全人民の戦争という戦略的概念に基ずく、我々の国家の軍事的な不滅性の強化を継続する。この種の人民戦争は、現代史を通して度々立証されてきたように、疑いなく無敵なのである。」

選挙勝利は「米国の勢力に対する益々大胆な挑戦」を可能にする

ベネズエラの選挙に先立ち、「ナルシシスト・レーニン主義」の大統領の不正な勝利を力説したコラムを記したオッペンハイマーは、「チャベスの最後の時」という表題の本に着手するのが賢明であろう。ベネズエラの指導者は今、少なくとも更に6年政権を担う。(これまでのところ、任期制限を取り除く論議があり、チャベスは時折彼が2021年まで政権に就くであろう、と豪語してきた。)

フィデルの「最後の時」は、おおよそ15年続いたようである。ベネズエラとの同盟は特に、ハバナにおける体制転換の将来の試みが失敗し続けることを確実にし得る。再選の1週間前、数十万の集会を前に演説したチャベスは、その好機を掴み、事前に彼の勝利をキューバ革命に捧げた。当然の如く、この明確な支援を、ボリバル革命がキューバの体制を模範とする、あるいは輸入することを目指しているという嘘と混同すべきではない。

ベネズエラの社会主義は、参加と闘争を通して自らを定義しなければならず、多数の矛盾と難題が未だにある。オッペンハイマーのあがきはさておき、ロサレスは敗北を認め、国際的メディアですら、この選挙を殆どありのままに評価しなければならなかった。

Ap通信の記事の書き出しは申し分なく状況を要約した。「はっきりとした再選によって励まされたウゴ・チャベス大統領は、ベネズエラを更に揺るぎなく社会主義へと向けるために必要な政治的資本の全てを手にし、その一方で米国の勢力に対し益々大胆に挑戦する構えである。」


訳注:

1.12月5日(開票率95.24%)の段階で、チャベス62.89%(7,161,637票)、ロサレス36.85%(4,196,329票)を獲得。投票率は74.87%。チャベスはロサレスが知事を務めるスリア州を含めた全州で勝利を収めた(参照元)。


捕捉(12月9日):
Historic reelection of Chávez (with statistics)」から抜粋

数値で見る勝利

棄権率は過去18年で最低の25.09%。

チャベス大統領は国の全ての州及び州都地域で勝利した。唯一反対派が治める2つの州であるスリアとヌエバ・エスパルタで彼はロサレスを、それぞれ50.57%と58.49%で打ち破った。

8つの州において彼は70%以上の投票で勝利した:

ポルトゥゲサ、75.27%
アマソナス、73.37%
アラグア、71.12%
コヘデス、71.73%
デルタ・アマクロ、74.37%
スクレ、73.04%
グァリコ、70.59%
モナガス、70.43%

11の州で彼は60%以上を得票した:

アンソアテギ、60.19%
アプレ、69.10%
バリナス、68.74%
ボリバル、67.16%
カラボボ、60.59%
ファルコン、60.96%
首都地区、61.56%
ララ、64.87%
トルヒジョ、68.86%
バルガス、68.70%
ヤラクイ、63.85%

5つの州において彼は50%以上の投票で勝利した:

メリダ 、52%
ミランダ 、55.09%
ヌエバエスパルタ 、58.49%
タチラ 、50.81%
スリア 、50.57%

posted by Agrotous at 22:37 | TrackBack(0) | ベネズエラ
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