2006年11月12日

ボリバルの夢の再来のための希望のかがり火
昔の面影を失ったオルテガの勝利は、それでもなお中南米で浸透する変化に対する更なる要求の表明
〔A Beacon of Hope for the Rebirth of Bolívar's Dream
A shadow of his former self, Ortega's victory is still an expression of the wider demand for change sweeping Latin America:Original Article in English/ZNet原文

タリク・アリ〔Tariq Ali〕Guardian;2006年11月10日

教会に祝福され、元コントラを副大統領として側近に就け、依然として米国大使に忌み嫌われているダニエル・オルテガは、さえなく昔の面影を失ったかもしれないとはいえ、彼の勝利は疑いなくニカラグア人らの変化への欲求を反映している。〔ニカラグア首都〕マナグアは反帝国主義的〔ベネズエラ〕カラカスの徹底的な再分配の政策に続くのであろうか? あるいは自らレトリックに引きこもり、国際通貨基金〔IMF〕の依存国に留まるのであろうか?

オルテガの勝利は中南米が再び進展する中起きた。これまで、大衆意志の目覚しい示威運動が、ほんの少し都市の名を挙げれば、ポルト・アレグレ〔ブラジル〕、カラカス、ブエノス・アイレス〔アルゼンチン〕、コチャバンバ〔ボリビア〕やクスコ〔ペルー〕で進展している。これは、新自由主義の無感覚に埋没する(欧州連合、米国、極東)、あるいは新たな秩序の軍事・経済的な強奪に苦しんでいる(イラク、パレスチナ、レバノン、アフガニスタン、南アジア)世界にとっての新しい希望となっている。

ベネズエラ、ボリビアやキューバの諸政府及び、メキシコ、アルゼンチン、エクアドル、ペルーやブラジルの巨大な社会運動から発せられる騒音は、明らかに世界的なエリートやそのメディアの擁護者らによって歓迎されていない。ワシントン・コンセンサスに対抗する、ベネズエラ・ボリバル共和国が率先する闘争は、ホワイト・ハウスの憤激を買った。ウゴ・チャベスを転覆する(米国と欧州連合によって後援された軍事クーデターを含む)3度企てられた。

チャベスがベネズエラの大統領に初当選したのは1999年2月で、〔それは〕IMFの〔構造〕再調整政策に対する大衆暴動が、カルロス・アンドレス・ペレスによって残酷に鎮圧されてから10年後のことであった。〔ペレス〕の政党はかつては社会主義インターナショナルの最大の加盟政党であった。選挙運動中ペレスは、世界銀行に雇われた経済学者らを「経済的全体主義から給料を受け取る大量虐殺労働者」と、またIMFを「人々を殺害するが建物は建ったままに残す中性子爆弾」と糾弾したことがある。

その後、彼は両機関の要求に折れ、憲法を停止し、非常事態を宣言し、軍に抗議者らをなぎ倒すよう命令した。2千人以上の貧しい人々が軍隊によって射殺された。これがベネズエラにおけるボリバル主義の大変動の始まりとなる瞬間であった。

チャベスと他の若い将校らは、軍の悪用と腐敗に対して抗議するため組織編制した。1992年に、この急進的な将校らは、大量殺戮に許可を出した者たちに対する反逆を組織した。それは1989年のトラウマのすぐ後に続いたので失敗したのだが、人々は忘れなかった。このようにして、新しいボリバル人達は権力を握り、ゆっくりと慎重に社会・民主的な改革の履行に着手した。〔その改革は〕〔フランクリン・デラノ・〕ルーズベルトのニューディール政策や、1945年の〔英国〕労働党政府の政策を連想させる。ワシントン・コンセンサスによって統治された世界にとって、これは容認できないことであった。故に彼を引きずり降ろす衝動である。故に、ワシントンが即刻チャベスを暗殺するよう計画するべきである、という米国の政治的キリスト教の指導者パット・ロバートソンによる要求である。その時まで残りの世界にとって影の薄い国であったベネズエラは、突然かがり火となった。

チャベスに投票した多くの人々は立腹し意気込んでいた。彼らは10年間彼らを代表する者がいない、と感じており、伝統的な諸政党によって裏切られ、当時施行されていた新自由主義政策に不満を感じていた。〔その政策〕の構成要素には、寄生性の寡頭政治や腐敗した民間及び労働組合の官僚主義を強化するための、貧者に対する猛襲が含まれた。彼らは国の石油埋蔵によって成り立つ慣例を非難していた。浅黒い肌で貧しい大多数を犠牲にして、富とより白い肌の色を利用し自らを維持するベネズエラ人エリートの傲慢を彼らは良く思っていなかった。チャベスを当選させることは彼らの復讐であった。

国の社会構造に適度の変化をもたらすことをチャベスが決心していることが明らかになったとき、ワシントンは警鐘を鳴らした。この方面から発散される敵対的な偏狭が、ベネズエラに対するその行動とプロパガンダ以上に歴然としている場はない。重度の偽情報キャンペーンの最前線に立つファイナンシャル・タイムズとエコノミストを伴って。

彼らはチャベスに対する敵対感情によって結びついており、石油収入に基づいた社会改革――無料の医療、教育と貧しい者への住居――は古き悪き時代への逆行であり、全体主義への第一歩であるとみなされている故に、彼の権力への到来は狂気的な逸脱であるとみなされた。

チャベスは決して彼の政治的手段を隠し立てはしない。18世紀の2人のシモン――ボリバルとロドリゲス――は簡潔な教訓を彼に教えた。他人の利害に奉仕するな。自らの政治・経済的な革命を成せ。そして全ての帝国に対抗し南米を統合せよ。これが彼の政綱の核心である。

1994年〔キューバ首都〕ハバナでの演説でチャベスはこう明言した。「ボリバルはあるとき『政治的な退廃は、その場限りの手段で解決することはできない』と述べた。ベネズエラは完全に又徹底的に退廃に犯されている...機構が自らを治すことはありえない...60%のベネズエラ人が貧困生活を送っている...20年で1千億ドル以上が消えてなくなった。その金は何処へいったのか、とカストロ議長は私に尋ねた。ベネズエラで権力に就いたほぼ全ての者の海外銀行口座にである...来る世紀は、我々の意見では、希望の世紀である。つまり、それは我々の世紀であり、ボリバル主義の夢が再生する世紀なのである。」

タリク・アリの新しい著書「Pirates of the Caribbean: Axis of Hope〔カリブの海賊:希望の枢軸(原著)〕」はVersoから出版されている。

Guardian Unlimited © Guardian News and Media Limited 2006



posted by Agrotous at 22:30 | TrackBack(0) | ベネズエラ
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