2006年09月08日

ベネスエラの革命を推し進める女性達
〔Women Propel Venezuela’s Revolution Forward :Original Article in English/venezuelanalysis 原文

エレナ・モーラ〔Elena Mora 〕People's Weekly World ;2006年8月29日

カラカス、ベネズエラ――Venezuela: Ahora es de todos! 国旗の色で描かれた3人の子供の単純な図柄の下に書かれた、この標語は、「ベネズエラ:今、皆のために」という意味である。

この標語は、ボリバール革命とウーゴ・チャベス大統領の政府による、野心的で刺激的な社会的公正の目標を旨く捕らえている。政府は「21世紀の社会主義」の意味についての公共討議を来年開始するべく準備に入った。

そしてベネズエラの人々の問題と要求は莫大である。チャベス当選以前の20年間に、貧困は人口の80パーセントを包括して拡大し、富者と貧者の間の格差は世界最大のひとつであり、そして国内総生産は着実に下落していった。この「新自由主義的」緊縮財政と社会福祉の縮小の期間に、非識字が広く行き渡り、公衆衛生が重要問題ではなかったことは驚くことではない。

利益を守る女性達

その全てが変化し始めたのは、1999年にチャベスが公職に就いたときである。そしてそれ以来、多数の貧者や労働者階級の人々が、チャベス政権の公共事業計画や社会計画、また新しい社会を構築するよう一般の人々を参加させる努力から利益を得てきたのだが、女性達こそが最も益を得てきた。

2002年4月に、ベネズエラの裕福な支配階級の右翼勢力がチャベス大統領を打倒し、彼の野心的な新政府を挫折させようと試みた時、彼らのクーデターの試みが失敗したのは、数十万人のベネズエラ人が大統領を支持するために結集し、カラカスの政府庁舎やメディア支部周辺の街頭を数日の間占拠したからである。

ベネズエラ共産党(CPV)の党員で、女性の党任務の指導者であるエレナ・リナレス〔Elena Linares 〕と行われた最近のインタビューの中で、その重大な時に街頭に出た人々の大多数が女性であった、と彼女は述べた。

深い変化への関与

なぜか? 「単純です」とリナレスは言った。「女性達は新しい憲法によって、彼女達の地位の劇的な変化を体験したのです。」その変化の中には、未婚の母を援助し、家事を認知し保障する法律があり、そこに含まれるのは社会保障制度に入っている全ての女性である。

チャベスを打倒しようとする者達が成功した場合意味することを女性達は理解していた。「抵抗する者たちの間には怒りの感情があった、勝ち取ってきた権利を彼らが取り去ろうとしている、という」と彼女は述べた。その4月の日々、リナレス自身そこに居り、戦車の前に女性達が横たわるのを目撃した。

CPVの国際事務局長カロルス・ウィメル〔Carolus Wimmer 〕も同意する。「クーデターの企て後の大転換における動因はベネズエラ人女性だった。女性達が最初に街頭に出た。女性達が抵抗するために男性達を組織した。」

組織編成

リナレスとのインタビューは、2002年にチャベス大統領によって認知され、主要な女性の権利活動家であり共産主義者のマリア・レオン〔María León 〕によって率いられた国家女性団体のInamujer〔Instituto Nacional de la Mujer 〕の事務所で行われた。Inamujerは女性を教育し、彼女達を政治過程に参加させることを目標とした多くの企画に従事している。

この団体は、家庭内暴力〔DV〕の被害者のための無料の電話相談ホットラインを持っており、虐待された女性のための避難所を現在3ヶ所で運営している。Inamujerとチャベス政権の目標のひとつは、国の全ての州に避難所を設立することである。

大躍進の憲法

新しいベネズエラ憲法の草案には、多数の女性が関与した。その憲法が「非性差別のマグナカルタ」と呼ばれている所以は、それが包括的に男性的な言語を使用する代わりに、明確に男性と女性市民(ciudadanos y ciudadanas )に言及するからである。最も重要なことは、男女の政治的・法的平等に加えて、女性の社会的・経済的な権利の草分け的な保障を含んでいることである。

憲法はセクシャル・ハラスメントや 家庭内暴力に取り組み、雇用における男性と女性の間の完全な平等を保証し、また第88条において、家事を経済的に生産的な活動であると認知することによって、主婦に補償と社会保障の給付金の権利を与えている。

2006年6月、最も貧しい主婦らは、家庭での彼女達の労働に対する、最低賃金の80パーセントの支給を受け取り始めた(これは最近15パーセント引き上げられたばかりである)。その財源は石油収入からである。

「女性は最も貧しい、彼女達は最もよく働き、彼女達は革命に最も専心している」とチャベスはある時述べた。

草の根の積極的参加

新しいベネズエラの主要な特徴は、現在起きている革命的変化への労働者階級の人々の積極的な参加である。そしてこの草の根レベルでの主要なプレーヤーは女性である。例えば、土地分配、水や保健医療についての決定を監督する委員会のメンバーの大多数が女性である。

チャベス政権とボリバル革命の先導的行為が、女性達の日々の生活にもたらした劇的な影響について、リナレスは語った。

そこに含まれるものは、石油歳入によって資金供給された社会諸計画の「ミッション」である。1ダース程のミッションは、政府官僚制度内に存在する惰性と抵抗を回避するよう開発された。それらが取り組むものは、飢餓、ホームレス問題、貧困、失業や非識字から、軍隊の予備役の創設、視力回復手術の実施、小規模農家への休閑地の譲渡や、ベネズエラ人の政治参加の拡大まで多岐にわたる。

ミッションは女性を、特に教育に関連した計画に組み入れるべく特別の努力を注いできた。そこに含まれるのは、大学にこれまでよりも多い人数を参加させることであり、そのレベルの新入生の70パーセントが女性である。

協同組合、土地改革

女性に直接利益となる別の計画は、地域共同体食堂(Casas de Alimentacion )や、協同組合によって運営された小規模で低価格の食料品店のネットワークである。約150万人の子供がいま、1日3度の無料の食事を受け取っており、150万人の人々に安全な飲料水が提供されてきており、また食糧に対する助成金や、妊娠した女性や、母親に成り立ての女性に対するクーポンがある。

おおよそ500万エーカーの土地が小規模農家に分配されており、女性が世帯主の世帯に優先権があり、それは全体の60パーセントである。

コミュニティー・センター

経済・社会的な状況での刺激的な新しい進展は、地域共同体の協同組合――Nucleos de Desarrollo Endogenos〔内発的発展の核:NDE〕である。カラカスに位置するNDEファブリシオ・オヘダは、チャベス政権の計画が人々の生活にもたらした、大きな変化の実例である。

荒廃した住居でぎゅう詰めになった区域における、壁画が並ぶ憩いの場であるこのNDEには、デイケア・センターや、児童図書館、救急車や(無料の)薬局まで備わった医療クリニック、食料品店、菜園、バスケットボールコートや野球場がある。

このセンターには2つの小規模な協同組合――ひとつは靴を作り、もうひとつは衣類――が含まれ、それが地元の多くの人に職を提供している。初等学校や地域の大食堂や文化センターの建築のため工事が始まったばかりである。

女性の健康

性と生殖に関する健康〔リプロダクティブ・ヘルス〕や教育を含めた女性の健康もまた、この新しい政府の優先事項である。殆どの中南米諸国と同様に、ベネズエラでは中絶がいまだに違法であることから、政府は最近この処置を非犯罪化する必要性についての討論を開始した。ついでながら、現在起訴されるのは女性であり、医者ではない。

リナレスは女性の運動が目指している法律は、強姦の事例や女性の健康が脅かされた時に中絶を許すというものである、と述べた。この制限された処置は、多くの女性が未だに路地裏での中絶によって怪我を負ったり死亡している状況では、とても重要であり、公衆衛生の問題である、と彼女は述べた。

拡大する政治的経験

この全てを考慮すると、ベネズエラ共産党が女性達の間の仕事を、特別重要視するのも驚くことではない。リナレスはこう表現する。「最高の政治意識をもっているのが女性達である。」

2002年に、CVPはそれ自体の大衆女性団体を設立した。ドイツの革命家にちなんでクララ・ツェトキン団体と呼ばれる。興味深いことに、党の政治的優先事項のひとつは、女性が職種別労働組合を組織し、彼女らを組合指導者にすることに手を貸すことである。これは「通りから通りへと」政治過程における大衆参加を築き上げていくという、党の働きと一致している。

過去数年間、政府における女性の数は、地方・州・国の役職の約30パーセントまでに、適度に拡大してきた。そして最近チャベスは全公職の50パーセントに女性を就けることが目標である、と宣言した。

リナレスは、未だにベネズエラ人女性の前には難題がある、と言及した――彼女達は「この過程を率いていない、彼女達は兵隊である。」

「私達は今もなお、男性からの抵抗に直面しており、女性たち自らが主導権を握るために苦闘しなければならない」と彼女は言った。

ベネズエラの共産党それ自体も、この問題についての党内教育運動を始めたばかりである。


エレナ・モーラはニューヨークのアメリカ共産党州知事。彼女は7月に、第12回ベネズエラ共産党全国議会に出席した。



posted by Agrotous at 21:06 | TrackBack(0) | ベネズエラ
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