2006年04月29日

チャベスの効果的な社会主義という危険
〔The Danger of Hugo Chávez's Successful Socialism:Original Article in English/ZNet原文

テッド・ロール〔Ted Rall〕;2006年4月12日

サウジアラビアやカザフスタンのような諸国の嫌悪された暴君が、彼らの国の公庫を略奪し、石油の富を個人のスイス銀行口座に転送し、その残りを(サウジ王家の場合)テロリスト過激派への資金供給に利用したとき、米国の政治家らは彼らを信頼できる友であり、同盟国であると賞賛する。だが民主的に選出された大衆主義の大統領が、貧しい人々を貧困から救い出すために、ベネズエラの石油収入を利用すると、彼らは彼が迎合していると非難する。

米国と欧州が、ダーウィン法則モデル〔Darwinomic model 〕――貪欲な企業が膨れ上がる利益を獲得する一方で労働者がさらに貧しくなってゆくモデル――への転換を継続する間に、ウゴ・チャベス大統領により擁護された社会主義経済モデルは、腐敗した右翼指導者達が民衆の支出により裕福になるのを見るのに嫌気がさしていた中南米人の間で熱狂的に好まれている。近年、中道左派の政府がアルゼンチン、ブラジル、エクアドル、パラグアイ、ペルーとウルグアイで権力を握った。チャベスの断固としたレトリックは彼の政略に匹敵するのだが、米国政府とその企業の主達を本当に発狂させているのは、彼にはそれを支える資金があるということだ。

チャベスを打ち倒す絶望的な狂乱として、国家により統制されたメディアは、最も明白で滑稽きわまるほどに偽善的な話題のひとつを用いている。4月4日付のニューヨーク・タイムズで、フアン・フォレロはチャベスによる石油収入の利用は公正ではなく、ともすると狡くさえある、という言葉のあやを繰り返した。「ベネズエラの石油歳入が昨年32パーセント上がると共に、チャベス氏はブラジルのサンバ・パレードや、貧しいメキシコ人に対する眼科手術、そしてメーン州からブロンクス、フィラデルフィアまでの貧しい家族に対する灯油にすら助成金を支給してきた。ある見積もりによれば、この支出はワシントンが開発計画と麻薬戦争のため南米西部に割り当てている約20億ドルを凌いでいるという」と同紙は声を張り上げた。

チャベスは「大衆の英雄であり、米国のあらゆる手段に反対する意図を持つが、重要な利点を伴った、次のフィデル・カストロ」になるべく待ち構えている、とこの話は続けた。

何ということだ! ある裕福な国がその富を使い国外に影響力を広めている! いかなる神がそのような醜行を許すのだろうか? ついでだが、米国が「開発計画」に資金提供していることに注目せよ。おやおや、それは「麻薬戦争」だ、――南米の残り少ない親米右翼政権に反対する左翼反乱軍への爆撃作戦じゃない。

2002年のクーデター未遂で、チャベス打倒を試みた右翼の寡頭政治家らのプロフィールを掲げ、彼らに有利な社説を載せたタイムズ紙が引用した「批評家」は、彼の本業が偶然にもブッシュの国家情報長官のジョン・ネグロポンテである。ネグロポンテはチャベスが「相当な額の金を費やし、中南米や他の地域の諸国の政治・経済活動に影響を与えている。それは彼自身の国の経済成長と社会の需要という現実があるにも関わらずにである」と不満を漏らした。

目くそ、鼻くそ、ここ米国で医療の欠如によって人々が死に行き、学校が破綻していく一方で、毎週イラクで空費している10億ドルをどうか論じていただきたい。リオのカーニバル・パレードに費やした資金には、より良い使い道をチャベスは考え出すべきであったかもしれない。とはいえ、少なくともそれは爆弾や拷問収容所には費やされなかった。

テレビ伝道師のパット・ロバートソンによる2005年のチャベス暗殺の呼びかけは、体制派メディアにより控えめにしか批判されなかったし、それはおおむね国家元首の殺害は米国法に違反するということに基づいていた。コンドリーザ・ライス国務長官はチャベスを「諸国を駄目にしたラテン産の大衆主義者」と非難した。どの諸国のことであろうか? 2桁のGDP〔国内総生産〕の急成長がその地域を率いており、新たな家々に資金が与えられ、毎年100億ドルが将来の貧困対策計画に預金され、学校が雑草のように生じているベネズエラ自体ではありえない。

中学校の新聞にも値しない偏見のある言葉が、ベネズエラ大統領についての報道の水準となっている。「チャベスは彼の政権が民主的であると言い張り、ワシントンが彼に対し陰謀を企てていると非難する」と4月3日付けのサンホゼ・マーキュリー・ニュースは記した。なぜ「言い張る」なのか? いかなる国際政治に通じた者も、選挙に勝利したものが大統領となるベネズエラが、少なくとも米国と同程度に民主的であることを疑うことはない。2002年のクーデター首謀者らはあらかじめホワイト・ハウスに集まった。疑いなく、マーキュリーはチャベスの「非難」を事実として容認できるだろう。同紙はこう続ける。「彼は米国が2002年の短命に終わったクーデターを後援したと言うが、米国高官らはこの主張を否定している。」チャベスは再び正しいのだが、この文章からはなんとも言いがたい。

82パーセントのベネズエラ人がチャベスは良い仕事をしていると考えている。この数字は米国人のブッシュに対する支持率の二倍以上である。彼は彼を罷免する試みを完璧に打ち破った。というわけで、なぜワシントンはカラカスに説教をしているのだろうか?

「[ベネズエラ]政府は[その国営石油企業から]数十億ドルを稼いでおり、それらを住宅、教育、医療に費やしている」とCNNは言及する。そして――なに?!――人々の生活は改善されてきている。

もしも、その他の人々が気づいたとしたらどうなるだろう? チャベスが去らなければならないのも当然だ。

テッド・ロールは、5月に出版されるウェブ風刺漫画のアンソロジー「Attitude 3: The New Subversive Online Cartoonists 」の編集者である。



posted by Agrotous at 15:04 | TrackBack(0) | ベネズエラ
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