2006年04月05日

米国、主要な軍事演習着手へ、ベネズエラ・キューバに対する警告として
〔US launches major military exercises in the Caribbean as a warning to Venezuela and Cuba:Original Article in English/ZNet原文

ジョージ・マーティン〔Jorge Martin 〕;Hands Off Venezuela ;2006年4月1日

3月27日月曜の米南方軍司令部の声明によれば、「米国海軍空母打撃群のひとつが、Operation Partnership of the Americas 〔米州パートナーシップ作戦〕を実施するべく、2006年4月初旬から5月下旬までの間、米国東海岸からカリブ海へ展開する。」この打撃群は「空母ジョージ・ワシントンと搭載された航空団、巡洋艦モントレー、駆逐艦スタウトとフリゲート艦アンダーウッド」で構成される。これが意味することは、米国海軍が、60機の航空機を搭載した軍艦1隻を含む4隻の軍艦と、総人数6500の兵士を主要な軍事演習のため、カリブ海に数週間以内に派遣を開始するということである。(U.S. Navy Carrier Strike Group to make Caribbean deployment を参照せよ〔英文PDFファイル〕)

この演習の公式の目的は「地域の同盟諸国との軍対軍関係を深め、作戦上の即応性を改善し、親善を促進する」ことである。「親善を促進する」が意味することは、ベネズエラとキューバに対し強力なメッセージを送るということである。米南方軍の司令官バンツ・クラドック大将は折に触れてベネズエラ政府を攻撃してきた。この並外れて規模の大きい艦隊をカリブ海へ派遣するという決定が公表されたのは、米国下院委員会の公聴会でクラドック大将が発言をしたわずか2週間後であり、そのなかで彼はベネズエラ政府を、国際舞台でのその動きと、現在兵器を特に中国から購入しようとしていることから、「不安定化勢力」と呼んだ。「軍事設備の購入は透明な手順で成されていない。諸国が互いに争うのではなく、国際的な脅威に取り組むべく共同で努力している地域において、これは不安定化要因である」と彼は述べた。そして「この様な有り余るほどの購入が、ベネズエラの国家防衛問題に由来しているとは我々は完全に納得していない」と付け加えた。

2005年6月にウルグアイを訪問した時の記者会見で、彼は更に具体的であった。「私はキューバを米国に対する軍事的な脅威とはみなしていないし、ベネズエラを米国に対する軍事的な脅威とはみなしていない、私が理解していることは、不安定さと不確実性をもたらす、潜在的にもたらす、中南米における影響力であり、その理由はキューバは明らかに全体主義国家であり、共産主義国家であり、またベネズエラでは民主的な過程と制度が危機にさらされているからである。その一連の措置が輸出された場合、この地域全域に、やはり不安定さと不確実性をもたらす注目すべき条件がある。というわけで、私たちは懸念しており、この地域の隣国も懸念するべきであると信ずる。」軍事介入の見え透いた脅迫として、クラドック大将は、「軍事的な側面は、他の解決策――経済、政治、社会――が機能する状況を作り出すことにある」と付け加えた。(http://montevideo.usembassy.gov/usaweb/paginas/431-00EN.shtml 〔英文〕)

最近公開された2006年の文書、国家安全保障戦略でワシントンは明確にベネズエラを標的として捕らえている。「ベネズエラにおいて、オイル・ダラーに浸かった煽動家が民主主義に攻撃を加え、この地域を不安定化させようと試みている。」(http://www.whitehouse.gov/nsc/nss.html 〔英文〕)

こうした背景から目下の軍事演習を見極めなければならないことは明白である。このことは米国の右派軍事防衛専門家たちですらも認識している。バージニア・パイロット紙の記事がその内のひとつを引用している。「カリブ海における米国の空母機動部隊の駐留がキューバとベネズエラ両政府により、ある種の合図として解釈されるのは間違いない」と、ワシントンの防衛シンクタンクであるレキシントン研究所のローレン・トンプソンは述べ、こう付け加えた「我々が今これを行うという事実は、カストロとチャベスにより、ある種の米国計画、または先制、あるいは何と呼んでもいいのだが、を示していると解釈されるであろう。」(GW strike group will head south for training 〔ジョージ・ワシントン打撃群、演習のため南へ(英文)〕、ジャック・ドーシー〔Jack Dorsey 〕、バージニア・パイロット、3月28日)

米南方軍は既にベネズエラ領土に届く範囲内に複数の軍事基地を持っている。そこに含まれるのは、ベネズエラ沖合いのアルバ島とキュラソー島や、エクアドルのマンタとエルサルバドルに位置する規模の小さな「協力的安全保障拠点〔Cooperative Security Locations〕」であり、それに加えて、ホンジュラスのソト・カノ、キューバのグアンタナモと、コロンビアの複数の地域に位置する規模の大きい基地である。南方軍は新たに「theater command strategy 〔戦域司令部戦略〕」を公表したばかりであり、その一部は機密解除されている。第一目標は「地域のエネルギー供給が国際市場に自由に流れ、攻撃の対象にならないこと」を確実にすることである。この安全保障の目標を達成するために不可欠なことは、「同盟諸国の防衛軍が」その地域のエネルギー産業の「重要なインフラストラクチャーを防衛する」能力を向上させることにある、と南方軍は述べる。これは明らかに、米国に対する3番目に大きい石油供給国であるベネズエラに影響を与える。

複数の目標は機密解除されていないのだが、6番目の目標は「ならず者国家がテロ組織を支援することを防止する」ことである。中南米には「ならず者」国家がないことを考慮すると、これは、(クラドック大将により「麻薬テロリスト」というレッテルを貼られた)コロンビアのFarc〔コロンビア革命軍〕ゲリラを支援していると、ワシントンが、いかなる証拠も示さずに非難しているベネズエラへの言及以外にありえない。

通例企業メディアは、ベネズエラのボリバル革命に対する米国軍事介入の危険に対するチャベス大統領の警告を退ける。だが公に手に入る情報が、これは現存する危険であることを示している。イラクで勝利することのできない戦争にはまり込んでいる今、現時点でワシントンがベネズエラで戦争を開始するのはありそうではないが、彼らは疑いなくその下準備をしている。軍事介入が行われる手段のひとつは、コロンビアと国境を接する石油に富むベネズエラの州スリアにおいて、人為的に自治論者の要求を助長することである。この地域(反対派知事がいるわずか2つの内のひとつ)の地方政治家達は、自治についての国民投票の要求に励んできている。予想できる筋書きは、彼らが一方的に独立を宣言し、彼らの「民主的権利」を保障するため外国の介入を要請することである。そのような介入の正当化は比較的容易であり、「平和維持」の見せかけの下に行うことすら可能である(現在のハイチにおける帝国主義の介入での事例のように)。

これは明らかに易しい任務にはならないであろう。チャベスは既に、ベネズエラに対する米国による軍事介入の翌日には、大陸全域が炎に包まれるであろう、と正確に指摘してきた。中南米は、大衆に左翼であるとみなされている諸政府の当選、大衆運動、ゼネストや反乱などを伴う、左翼への転換を体験している。

米国はベネズエラ革命が残りの中南米に与える衝撃について真剣に懸念している。エボ・モラレスが圧勝した12月のボリビアの選挙にチャベスが干渉した、と彼らが非難したのと同様に、チャベスがペルーとメキシコでの選挙運動に干渉していると非難している。ベネズエラ政府が他の諸国の候補者に直接資金供給しているという非難は明らかに間違いである。だが疑いなく事実であることは、ボリバル革命がこの大陸全域とその先の幾多の労働者と農民の希望を高めてきたということである。ワシントンによって強いられた政策に挑戦することが可能であるという実例をそれは示した。過去数十年間の間、中南米では聞き慣れたパターンが生じてきた。労働者と農民の群集が行動に出て、革新的な政府を選出するのだが、米国で工作された軍事クーデターによりそれはじきに覆されるのであった。このことはこの大陸の大衆運動の士気をくじかせる結果となった。ボリバル革命は、通りに出た人々の大衆運動による、2002年4月のチャベスに対する軍事クーデターの打破とともに、それをも改めた。

そして影響は中南米に留まらず、多くが出自国との繋がりを保ち続けている多数のラテンアメリカ系住民が生活し、働く米国にも及んでいる。過去数週間、彼らの権利のためデモし、ストライキしている米国の数十万という莫大な数の中南米移民は、米国がベネズエラに対する軍事的な挑発を展開した場合、何もせずにはいないであろう。

この全てがボリバル革命を米国の支配階級にとって更に危険なものとしている。彼らはそれを阻止する綿密な下準備を行っている。そこに含まれるのは、メディアを通し、また外交と経済妨害工作を通じての激しい圧力の展開であり、ベネズエラの兵器購入を妨げる試みであったりする。そして現在のカリブ海における軍事演習は明らかに、将来の軍事介入のための具体的な地ならし及び威嚇の両方として、この下準備の一端なのである。

これらの理由から、連帯運動の努力を今まで以上に倍増させることが重要である。ベネズエラから手を引け!



posted by Agrotous at 22:27 | TrackBack(0) | ベネズエラ
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