2006年03月09日
ベネスエラの率先:社会変革の労働者は社会福祉の母たちと草の根運動の女性たち
〔Venezuela Leads the Way: Welfare Mothers and Grassroots Women are the Workers for Social Change:Original Article in English/ MRZine原文

コリー・フィッシャー=ホフマン〔Cory Fischer-Hoffman 〕;2006年2月15日

〔文中リンク原文ママ〕

歓声が上がり、抱き合い、シュプレヒコールが唱えられ、多くの人が沈黙を求めた。ニュースを聞くために、このグループは祝いを一時的に中断した。インド、ウガンダ、ガイアナ、英国と米国を含む世界中から集まった70人の女性の派遣団は、ベネスエラのラ・パデラ共同体で互いに寄り添い、詳細を待ち構えていた。

フアニタ・ロメロ、別名マドレ〔Madre:母の意〕は、たった今ウゴ・チャベス大統領が、私たち皆が待ち望んでいたニュースを公表したと説明した。ベネスエラのボリバル憲法第88条の履行である。

世界女性ストライキGlobal Women’s Strikeを編成する、この多様なグループは、ボリバル革命の基盤となっている草の根のプロジェクトを視察してきた。医療診療所や土地委員会、食糧計画の家々、そして教育計画の視察に疲労困憊した3日間の後、世界女性ストライキが圧倒されるほどに再確認したことは、この変革を築いているのが草の根の女性達だということである。

「諸計画を率いているのは女性です。彼女たちは常に働いており、常に大多数を占めている」とガイアナから来たニコラ・マルコスは言う。

世界女性ストライキは、無給の世話労働の経済・社会的な承認を勝ち取るために結成された。ボリバル憲法への第88条の追加(1999年)以来、世界女性ストライキはベネスエラの草の根諸団体との多くの関係を築き上げてきた。

第88条は宣言する:

国家は、働く権利を実践する上で、男性と女性の間の平等と公正を保障する。国家は家庭での仕事を、付加価値を生み出し、社会福祉と富を生産する経済活動として認知する。主婦は社会保障を受ける資格がある。

世界女性ストライキは首尾一貫して、第88条をボリバル憲法に含めることを推薦してきた。多種多様なベネズエラ連帯団体に参加し、またこの過程を不安定化させようとする米国の試みに批判的であり続けた一方で、世界女性ストライキは第88条の履行を推し進めてきた。女性開発銀行のノーラ・カスタニェーダNora Castañedaと、ベネスエラの草の根の女性の主張ゆえに、第88条は実現されることとなる。大いに宣伝された世界女性ストライキの派遣団と時を同じくし、チャベスはこの前例のない権利が履行されることを公表した。

2月2日、カラカスのテレサ・カレーニョ劇場で行われた演説のなかで、ウゴ・チャベスは国際労働者の日である5月1日より、10万世帯を対象に、一世帯あたりベネスエラ人女性一人が毎月38万ボリバル(185ドル)を受け取る、と宣言した。これはベネスエラの最低賃金の約80パーセントである。これに続く6ヶ月の間に、さらに10万人の女性が、彼女たちの仕事の承認として報酬を受け取ることとなる。

「他の人の世話をすることは、絶え間なく多様な状況での目もくらむほどの一連の技能により達成される。他の人のための料理、買い物、掃除、洗濯、種まき、栽培、収穫に加え、女性は慰め指導し、看護し教え、手はずを整え忠告し、しつけをし励まし、奮闘しなだめる。いかなる状況でも荷が重く、心身を疲れさせる、この奉仕の仕事、この感情を伴う仕事は家庭の外と中、両方で行われる」と世界女性ストライキの国際調整役のセルマ・ジェームス〔 Selma James 〕は述べる。

家庭での仕事のみではなく、共同体での世話労働がボリバル革命の基盤に奉仕している。ロステケスの共同体では、他の多くと同様、この極めて重要な仕事は圧倒的に女性により率いられている。一方でウゴ・チャベス大統領は彼が「貧しいものに力を与えることにより貧困を撲滅する」と断言した。裕福であり貧しくもあり、都会的であり田舎でもある町のロステケスでは、貧しいものたちは力が与えられるのを待ってはおらず、彼らはそれを手に入れ始めている。

多くの共同体の人々が、彼らの土地を不法占拠した貧しいバリオで、サン・フアン・エバンヘリスタ医療診療所の看護人と医師は、彼らが共同体に提供する無料の予防・治療・リハビリの医療を説明した。

診療所はバリオ・アデントロ医療計画の一部であり、その計画においてベネスエラ人とキューバ人医師が、奉仕するその共同体で生活し、ベネスエラで最も貧しい者のうちに数えられる人々に無料の医療を提供するのである。

サン・フアン・エバンヘリスタ医療診療所は400の家族に奉仕し、医療委員会との緊密な協力のもと働いている。この委員会は多数の共同体委員会のひとつであり、これらの委員会は政府の計画と使命が草の根に到達し、共同体の構成員がそれを形作る役目を担うよう確実にするため結成された。この医療委員会には、診療所で働く看護人と医師に加え、無給の共同体の仕事をする多くが女性の共同体構成員が含まれる。

サン・フアン・エバンヘリスタ医療診療所の看護人のひとりはこう語った。「私は医療委員会、土地委員会に加わっており、また私は私の共同体の代弁者です。みんなは私を信頼している。私は社会事業として、給料を受け取らずにこの全ての仕事をしています。」

世界女性ストライキの派遣団に参加したロサンゼルスの活動家、シャロン・ルンゴは、ベネスエラにおいては、「代替手段を築くことにより不公平に取り組み」まとめ上げていくことに重点が置かれていると述べた。

急勾配の丘のふもとで、シルビア・ゴンサレス・ロドリゲスは世界女性ストライキの70人の女性に満面の笑顔で出会った。彼女は共同体の150人の人々――大部分が失業していたり、麻薬中毒であったり、妊娠していたり、子育て中である人々――に食糧供給する「食糧の家」の管理をしている。彼女は別の4人の女性と共に、メルカルと呼ばれる国の助成された食糧計画から受け取る基本食品を使い、一から温かい料理を支度する。

「他にも革命事業には関連のない、子供たちに食物を与える食糧計画がいくつかあります。私たちは子供たちだけではなく、家族全員が食べれるよう確保します」とシルビアは言う。

この厨房は他の全ての計画の不可欠な部分である。食糧を受け取る子供や親のなかに読み書きを習ったことのない人がいた場合、彼らは教育計画に組み入れられる。特定の技術を欠いた無職の人がいれば、彼らは協同組合を設立するための職業訓練を提供する計画ブエルバン・カラスに組み入れられる。「これが[ボリバル主義の]過程の基底です、行動により学ぶのです」とシルビアは付け加えた。

3人の子供を育て、「食糧の家」を運営することに加えて、シルビアは助産婦でもある。彼女の家族と共同体の面倒をみるうえで不可欠である労働に対する賃金を彼女は受け取っていない。

全ての計画で一貫して、女性が革命を持続させるべく働いていた。私たちは多くの女性にどのように自らの生計を支えているのか尋ねた。一部の女性は結婚しており、夫の低賃金を分かち合っており、他の女性は食糧を売ったり、家事をしたりして非公式経済で働いている。大部分の女性が無給の世話仕事を維持できるよう、有給の仕事を得ることを余儀なくされている。

2世紀前からある鉄道路線に沿って、ラ・プラデラという小さなバリオに着くまで、私たちは歩き続けた。光り輝く新しいバリオ・アデントロ診療所の前に立った、ひとりの有頂天になったベネスエラ人女性が、5月1日から一世帯の女性ひとりが彼女たちの仕事の承認として報酬を得る、とチャベスがたったいま公表したことを人々に伝えた。

皆が勝利の歓声を上げた。第88条の履行は、世界女性ストライキとベネスエラの女性たちが数十年間取り組んできたことに先例を作ることとなる。

この共同体の複数の女性がこの報酬を受け取る資格があると述べ、一人の女性が熱烈に冗談を言った、「これからはもっと愛を込めて働くわ!」

〔以下米国の生活保護とベネスエラ・ボリバル憲法第88条との比較部分省略〕


現在コリー・フィッシャー=ホフマンはベネスエラのカラカスに在住しており、2006年2月の世界女性ストライキ派遣団に参加した。彼女はワシントン州オリンピアの〔社会福祉連合〕Welfare Rights Organizing Coalition の一員である。


補足:

原文には原文執筆者による写真数枚が掲載されている。

また、「Global Women’s Strike」サイトの日本語訳文書では、組織名は「グローバルな女性のストライキ」と表記されているが、訳文では世界女性ストライキとした。



posted by Agrotous at 23:15 | TrackBack(0) | ベネズエラ
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