2006年02月10日

ベネズエラのボリバル主義運動
〔Venezuela's Bolivarian Movement: Original Article in English/ZNet原文

スティーブン・レンドマン〔Stephen Lendman〕;2006年1月4日


民主的に選任された大統領、ウゴ・チャベス・フリアスの下、現在のベネズエラはボリバル主義の精神と彼のボリバル革命に染まっている。それは、スペイン人を打ち破り、南米の半分を解放し、チャベス政権を特徴付ける再分配に関する政策と同様のものを信じた、カラカス生まれの17、18世紀の将軍、シモン・ボリバルの理想像を基にしている。それはさらに、ボリバルが「自由の名の下の苦難で中南米を苦しめる」帝国の呪い、と鋭くも描写したものを克服することをも望んでいる。

チャベスと彼の第五共和国運動党(MVR)は、参加型民主主義と社会的公正を基にした、大衆の社会的・政治的な革命の始まりを生み出した。どのような基準に照らしても、80%の国民が貧しい国において、チャベスは、少数である中流・上流階級と大企業経営者らを除き、大規模な公衆の支持を得た、大衆の英雄である。彼は過去の資本主義に対する対案として、ベネズエラを民主的な社会主義に変容させる望みと意図を公然と述べる。だが実の所、彼の政策はより漸進主義であり、典型的な種類の社会主義国家よりは、欧州式の社会民主主義に近い。そしてベネズエラの石油企業であるベネズエラ石油公社(PDVSA)と経済の主力が国営であるにも関わらず、彼が公職に就いて以来、民間部門は経済全体の大きな割合を彼が選任される以前よりも占めている。それにもかかわらず、米国へと国のオイルダラー〔petrodollar:産油国が石油輸出によって得た過剰歳入〕を還流させるという先の諸政府の政策の代わりに、チャベスはそれをベネズエラ経済の成長と、彼の社会事業計画に利用している。彼が、彼を止めようと意図するブッシュ政権の大いなる懸念を引き起こしているのは驚くに当たらない。ブッシュ政権は既にそれを3度試み、失敗している。

チャベスは1998年12月に56%の得票で初当選し、1999年2月に大統領職を開始した。最初から彼は、全国的な国民投票を行うという選挙戦での約束のひとつを果たすことにより、彼の理想を実行する任務に着手した。その国民投票は、チャベスの政治理念を反映した新しい憲法を起草する、新しい憲法制定国民会議を招集するか否かを人々に決定させるために行われた。それは圧倒的に承認され、3ヵ月後に議会選挙が続き、それを受けて、チャベスのMVR党員らと選ばれた連合諸政党が愛国極〔Polo Patriotico〕を形成した。愛国極は95%の議席を勝ち取り、チャベスと彼の連合に1999年の新しい憲法を起草する権限を与えた。この憲法は国の公式名称をベネズエラからベネズエラ・ボリバル共和国〔Bolivarian Republic of Venezuela〕へと変更し、この国を新しい革命的な道のりへと推し進めたのである。

1999年12月に新たな憲法は全国投票にかけられ、圧倒的に承認された。それは1年後に発効され、政治的・経済的・社会的な公正のため、チャベス大統領が彼の望む構造上の変換を推し進める基盤と、合法的な基礎を確立させた。新しい憲法の主要な条項(第83条から第85条)は、「基本的な社会的権利であり...それを保証し...生活の質と公共の福利を改善する事は...国家の責任である」として、良質な医療を命じた。それにより、民営化されることを禁止された全国公共医療体系を創立し運営することが提案された。憲法はさらに差別を禁止し、全てのベネズエラ人のための、参加型民主主義の原則を打ち立て、言論の自由と先住民族人口の権利を保障し、政府が良質な教育に加え、住宅供給と、高齢者のための社会保障年金制度を皆が利用できるようにすることを命じた。

憲法上委譲され、〔以前の二院制よりも〕強力ではない一院制の新しい国民議会のための、2000年7月に行われた選挙において、彼の政策を実行に移す牽引力をチャベスは得て、チャベス連合は3分の2の過半数を獲得した。チャベス自身も(過去の憲法の下での4年に代わり)新たな6年任期に出馬し、60%の得票により再選された。この勝利はチャベスと彼の政府に、以下に記述する仕方で国を変容する彼の計画を推し進める委任を与えた。

ボリバル主義サークル――参加型民主主義の真髄

民主主義とは、厳密な意味では人民による政治である。それは、過半数の権利を保証する、一般の庶民による統治である。ベネズエラでは、ボリバル主義サークル〔Bolivarian Circles:シルクロ・ボリバリアーノ(CB)〕が、民主的な手続きでの直接的なボランティアによる公共参加を通じて、その精神を反映している。新しい憲法の第166条及び第192条は、市民集会を、人々が彼らの権利のために闘う憲法上の権利として規定している。これらの条項は庶民に、選出された公職員と共に統治に参加する権利を認めている。大統領の呼びかけの結果により創設されたこのサークルは、2003年には200万人以上の構成員を有した。サークルの多くの活動は現在、政府の社会計画の中心を構成している複数のミッション(使命)に占められている。共同体と地域でのミッション計画を管理する上で、サークルは重要な役割を果たしている。彼らは独立しており、政治政党とは関係なく活動し、政府の支持はあるが直接の政府資金供給はない。彼らの目的は主として地域的な段階において、ボリバル革命と憲法を守ることである。さらに彼らは共有の利害関係を持つ人々が、政治過程において彼らの選出された公職員と仲間となり、彼らの生活と福利に直接影響する政策を立てる手助けとなるべく、協同組合、団体、委員会、地域集団や他の構成を通じて組織することを促し支援している。

ボリバル主義サークルに含まれるのは、地域的問題――医療の提供、教育、飢えたものへの食糧の供給、小規模商業の手助けやその他色々――について、相変わらずの権利を剥奪された人々と共に協同して働いている地域共同体と労働組合の指導者たちである。これに加え、国の貧しい地域で、医療、食糧、建設設備、教育指導や他の奉仕事業を、最も必要としている人々に提供するべく、ベネズエラの軍隊を大統領権限で動員する許可を与えるために、チャベス大統領はボリバル2000計画を実施した。

更にチャベス政権は、私営企業が企業運営についての、より直接的な発言権と管理を従業員に許すことを勧め、その見返りに政府が追加の営業資本を提供することにより、協力の精神をさらに促している。チャベスの計画の下では、同意した企業は労働者を役員会に参加させ、従業員協同組合と利益を分配する。今までのところ、大部分が財務上の援助を必要とした、200近くの小規模会社が、この共同管理計画に自発的に同意しており、政府は更に多くを引き付けることを期待している。

チャベスの下の社会開発計画

ボリバル革命は、人口の大多数であり、チャベスの支持基盤である、ベネズエラの貧しい者達の生活と福祉を大幅に改善してきた。ミッションと呼ばれる、広範囲にわたる重要で革新的な諸計画があり、それには医療、教育、食糧、住居、土地改革、職業訓練、小規模融資〔いわゆるマイクロ・クレジット〕やその他を含む。チャベス政権はその多量な石油の収益とその拡大された税収入を利用し諸計画に資金供給した。2004年に、国の石油収入は高い石油価格のため250億ドルであり、価格が上がり続け、いまだに高いので、2005年は、それをはるかに上回るであろう。実際に多くの石油専門家は、世界の石油供給が減少するなか、止まることのない高い需要が、おそらくこの商品の価格を高く保ち、そしてゆくゆくは遥かに高くなる、と見ている。もしそうであるなら、彼が「新しい社会主義革命」と呼ぶものを継続し拡大するために必要な収入をチャベスは手にする。その構成要素のいくつか――重要な諸計画――には以下が含まれる訳注1

――ミッション・バリオ・アデントロ〔Misión Barrio Adentro〕(地域の中へ計画)

この計画は、病院や外来患者診療所において無料で包括的で上質な共同体の保健と歯科医療を(2万人のキューバ人医師の援助により)提供する、3つの異なる段階で展開した一連の企画である。医療看護を提供する500以上の総合施設が既に建設され、全てがその仕事のために十分設備が整っている。さらにこの計画は貧困地域と下層階級移住区〔Barrio〕で、予防医療の協力と助言を多数の貧しい人々に提供している。それはまた、健康を経済、十分な栄養摂取、食の安全、文化、スポーツ、教育と環境に関連付け、同じ共同体で生活し働いている医師と地域団体の参加の重要性を強調している。

――ミッション・メルカル〔Misión Mercal〕

この計画は手の届く価格で高品質な農産物、穀物、乳製品と食肉を入手する機会を提供している。それはまた貧しい者に、より良く、栄養に富み、安全で有機栽培の、地域的・全国的に産出された食糧を入手する機会を提供しており、ベネズエラの食の主権を拡大を試みている。

――ミッション・ロビンソン 1〔Misión Robinson〕

この計画は志願者を利用し、貧しい者に読み書きを教える。2004年にこの計画は、人口の識字率を見事にも99%引き上げ、140万人近くがそれまでに登録を終え、その内130万人近くが首尾よく教育課程を終えた。南北アメリカで、ベネズエラとキューバのみが事実上非識字を撲滅した。米国では、教育省は人口の20%以上が実質的には非識字であると見積もっている。

――ミッション・ロビンソン 2

この計画はミッション・ロビンソン1の延長であり、達成された識字率を強固にすることと、他の教科での初等教育を提供することを追及している。それは120万人を登録し、初等学校教育を終えた大多数が卒業している。

――ミッション・リバス〔Misión Ribas〕

この計画は国中の2万9千近くの教育総合施設において、中等教育をベネズエラの全年齢に提供し、彼らが中等教育と同等の資格を受け取ることを可能にしている。登録は150万人近くに達した。

――ミッション・スクレ〔Misión Sucre〕

この計画は中等教育か同等の資格を持つ全てのベネズエラ人に高等教育を提供している。27万5千人近くが、異なる大学水準の教育課程に登録しており、1999年以来5つの新しい大学を創立してきた。チャベス以前の時期とは異なり、現在教育は大学レベルまで完全に無料であり、学校入学に貢献している。

――ミッション・グアイカイプロとアビタト〔Misión Guaicaipuro and Misión Hábitat〕

ミッション・グアイカイプロの目的は、地域住民の土地所有権と人権を、国の貧者と先住民族に返還することであり、また彼らの権利を、支配的な企業家による資源と金融投機から保護することである。計画は環境天然資源省により管理され、国最大の組織的な社会運動になった。この計画は、5百万人(人口の20%)のベネズエラ人を代表する5千の土地委員会の確立をもたらした。

都市土地委員会〔Comités de Tierras Urbanas〕(CTU)と、その新設を許す法律は、占有した土地に建てた住居に住むベネズエラ人(ほぼ全ての貧しい者の実情)が政府にその土地の所有権を請願することができる、と規定している。この政策は最大で人口の60%に変化をもたらし、史上初めて、下層階級移住区の貧しい者に、彼らが住む土地の所有権の法的な権利を与えた。2005年中盤に、8万4千件の所有権が12万6千の家族に発行され、約63万人の人々に利益を与えた。しかし、これは下層階級移住区の約6%に変化をもたらした、ささやかな始まりでしかない。

この計画を通じて、チャベス政権は、過去50年間に(占有された土地に)住居を政府よりも建ててきた、貧しい下層階級移住区の居住者に社会的負債を返済している、と信じている。この土地に対する所有権を彼らに授与することは、ベネズエラ社会への彼らの貢献を認め、合法化する政府の手段なのである。この権利は新しい憲法(第82条)に記されており、この計画が、厳しい住宅危機を和らげることに寄与するべく、貧しい者のための公共住宅を建設する政府の多くの責任を取り除いた。

自らの住居を建てた貧しい者に土地所有権を授与することと共に、ミッション・アビタトは、住居がない貧者に対する公共住宅の提供を助ける政府の別の企画である。その目標は何千もの新しく無料の住居設備を建設することであり、また医療と教育を含めた全ての社会奉仕への利用機会を提供する組織化された住宅地区を開発することである。

――ミッション・ブエルバン・カラス〔Misión Vuelvan Caras〕(方向転換)

これは人々と政府との協同計画であり、国を社会的・経済的に変容させることを意図している。計画は将来の雇用のために必要な技能を労働者に与える訓練に従事している。その主要な目標は、社会的要求と全てのベネズエラ人に、より高い生活水準を実現することに更に集中する国家である。

チャベスの下でのベネズエラ経済

現在南北アメリカの大統領の中で、ウゴ・チャベスが最高の支持率――最新の世論調査で77%――を得ている理由を理解するのは難しいことではない。上記で説明した彼の政府の社会計画は、無数の貧しい人々に、以前彼らが得たことがなかった不可欠なサービスを提供している。そしてその諸計画を可能にしている経済は非常に良好である。

チャベスが選任される前の28年の間に、ベネズエラの国民平均所得は35%低下し、それは中南米地域で最悪の下落であり、世界的にも最悪の内のひとつであった。1999年にチャベス政権が公職に就いて以来、その下落は停止し、国民平均所得は2004年初頭まで変動せずにいた。それ以来それは、2003年後半以降の著しい経済成長の結果、おそらく上昇したのであろう。ベネズエラの国家統計院〔Instituto Nacional de estadistica〕(INE)は、2004年に経済は17%成長した、と報告した。そしてそれは2005年の最初の2つの四半期にそれぞれ7.5%と11.1%、そして3番目の四半期に約10%拡大した。これは先行する期間――2002年から2003年の破壊的な石油ストライキと、2002年4月のチャベス大統領を2日間免職させた、つかの間のクーデターで不安定化させられたことも含む期間――からの注目に値する方向転換であった。この成長の期間の間に、失業率は2004年9月の14.5%から1年後の11.1%に減少した。貧困の度合いも低下したが、その資料には、貧しい者達の生活と福祉を著しく改善させたチャベスの社会政策による彼らに対する莫大な利益が含まれていない。

ミッションに資金供給するチャベスの能力は、2002年以来の石油価格の高騰により大いに助けられてきた。ベネズエラは世界の主要な石油産出国と輸出国のひとつであり、西半球における最大の炭化水素(石油とガス)埋蔵量を誇り、中東以外の世界で最大の既知量〔known reserves:既に発見済みの埋蔵量〕を有している。頓挫したクーデターの後に経済状態が安定した故に、経済は2004年に17%成長し、2005年の最初の9ヶ月に(前期比で)9%成長した。これは西半球で最速の成長である。

さらに政府は、2003年の深刻な不景気を引き起こした困難な石油ストライキの間にすら、徴収する税金を首尾よく拡大させた。それは外国と国内の企業に支払う義務のある税を払うよう要求することにより成された。ベネズエラの石油省は現在、国が受け取る権利があると信じている付加的な納税を要求しており、オリノコ川流域の4つの外国所有の重油事業に対し、今年後半に所得税率を30%から50%に引き上げるよう国民議会に要求することとなっている。これらの事業はベネズエラの全石油生産の5分の1の割合を占めている。2004年に政府は、上記4つの外資系石油企業の内3つと国有のPDVSAとの間の事業契約について再交渉した。現在までの所、エクソンモービル〔ExxonMobil〕のみが協力を辞退している。新しい合同事業条件の下、外資系石油企業は半分以下である49%の株式に制限されており、PDVSAに対し過半数の所有権を確保している。この新しい契約は〔2006年〕1月1日に効力が生じた。

米国を喜ばせはしない、公表されたばかりのもうひとつの措置で、ベネズエラ中央銀行は米国ドルから距離を置き、多様化するためユーロの利用を承認した。この措置は財政当局が支出と購買をドルで行うように、自由にユーロで行うことと、国の米国に対する依存の減少――チャベス大統領の目標のひとつ――を助けることを許すこととなる。

高い石油価格と徴収された税の収入は、政府が高水準の社会事業支出を維持しながら財政黒字で運営する助けとなってきた。2003年に導入された為替管理もまた、資本逃避を抑えており、チャベスは現在ユーロの使用を承認することにより、ベネズエラが追求し、それに値する独立と主権を、擁護する方向へ更に一歩近づいている。これらの努力の結果、ベネズエラの国債と外債は控えめであり、300億ドル以上の準備金が蓄積され、おそらく増大しており、それは石油価格が下落した場合に衝撃を和らげるのに利用され得るであろう。

ALBA――世界貿易機関(WTO)と米国による貿易協定に対するチャベスの代替案

ウゴ・チャベスは、大企業に利益を与えはするが、特に開発途上諸国の一般大衆を犠牲にする経済政策を促進する、米国に率いられた新自由主義に対して、彼自身の代替案を推し進めている。彼はそれをALBA――米州ボリバル代替統合構想と呼んでいる。その目的は大胆で革新的であり、支配的な先進諸国(グローバルな北〔the Global North〕)――特に三極諸国〔Triad nations〕である米国、欧州連合〔EU〕と日本――により追求されている、いわゆる「自由市場・自由貿易」の議題と真っ向から反対する。

ALBAの目標は、特権階級ではなく、一般大衆が利益を得る「社会状況〔social state〕」を発展させるという目的を伴った、中南米諸国の包括的な統合の措置を達成することにある。その核心において、それが基盤とする原則は(競争ではなく)相補性、(支配ではなく)連帯、(搾取ではなく)協力、そして他の国家や大企業の支配に拘束されることのない、互いの国家の主権の尊重である。ベネズエラは最近メルコスル〔Mercosur〕貿易協定のブラジル、アルゼンチン、パラグアイとウルグアイに合流した。このことはALBAを更に強固にし、加盟5カ国とボリビアのような加盟を奨励されている他の諸国の総体的な利益を拡大するであろう。

NAFTAの様な既に採用されている貿易協定や、FTAAの様な提案されているものや、香港における終結したばかりの、いわゆる「ドーハ・ラウンド」第6回WTO閣僚会議での三極諸国の提案と枠組み合意はもっぱら正反対を遂行する。それらはグローバルな北の超国籍巨大企業の利権に貢献している。香港「合意」は大部分の重要な問題を未解決のままにしており、開発途上諸国に対する重要な譲歩も成されなかった。実にこれはグローバルな南との約束に対する最新の裏切りであり、脅されて受容した諸国家にとって破壊的な結果になるであろう。そして交渉はジュネーブのWTO本部で秘密裏に継続されることとなったが、ほんのわずかな更なる進歩しか期待されていない。NAFTAの下での12年はメキシコに修羅場を残し、WTOは現在の貿易慣行を(特に農業とGATS〔サービスの貿易に関する一般協定〕に該当するサービスにおいて)命じ、IMF〔国際通貨基金〕と世界銀行は構造調整を実施し、開発途上で過剰搾取されている国々の到る所で、増大する貧困と苦難を引き起こしてきた。この極度の不公正を撲滅、あるいは少なくとも縮小させ、中南米全域の一般人の生活を改善させる事に寄与するため、チャベス大統領は革命的なALBA代替案を提案したのである。

ALBAは、加盟諸国が人々に権利を与えるために連帯の下協調し、不可欠な商品とサービスを提供し、草の根での真の経済成長を達成し、よって一般人の生活を改善し、望む所は貧困を撲滅することを基礎にしている。この構想の主要な特徴は、慣例の国際的な銀行と企業貿易制度の外部での商品とサービスの取引である。これを示す実例のひとつは、下層階級移住区の医療診察所と病院で働き、同時にベネズエラ人に読み書きを教える識字計画に配属された2万人の医師を現物支給するキューバに対するベネズエラの石油と建築材料の取引である。同様にベネズエラは現在アルゼンチンと、その石油をアルゼンチンの家畜及び乳製品と交換するというALBA型の合意を交渉中である。この両方の事例で、現金や通貨が交換されることはない。加盟諸国は互いにこの物々交換のような取引、あるいは割引され手頃な価格で通貨による購入で貿易をすることができる。両方の当事国が商取引で得るものがあり、その国の人々も利益を得るのである。

ウゴ・チャベスはこの革新的な変革の中核になってきており、彼に参加するよう、この地域の他の指導者らの支援を取り付けている。債務の責務を伴わない真の発展を融資するための、南の銀行の創立に関する協議も開かれてきた訳注2。さらに、数十年の構造調整と汚職、そして数世紀にわたる植民により引き起こされた諸問題を克服するために、農業、保健、教育、エネルギー安全保障や他の部門で、革新的な諸計画も生み出されている。最近の米州サミットにおいて、チャベスは飢餓と貧困に対する同盟計画を提案し、次の10年間に掛けて100億ドルの資金提供を申し出た。

ALBAが成功する為にはいくつかの重要な障害を克服しなければならない。ブッシュ政権が、米国企業利権に害となる大陸の再構成の発生を何もせず、ただ見ているはずがない。米国とその企業の盟友にとって、ウゴ・チャベスは彼らの繁栄に対する著しい脅威である。疑いなく彼らは、過去何度も成功裏にしてきた様に、その脅威の克服を試みるであろう。今までのところチャベスを退ける3つの試みは失敗に終わってきている。

明確な米国益とベネズエラ=米国間の力の不釣合いにもかかわらず、まだチャベス追悼記事を書く時ではない。彼のボリバル主義の精神は普及しており、北の巨大国にとってすら阻止することが難しくなる可能性がある。情勢に対するひとつの見解は、イェール大上級研究員のイマニュエル・ウォーラーステインによる、2004年2月の雑誌ネーションの記事にある。その記事でウォーラーステインは「新自由主義グローバリゼーションは全盛期を過ぎ去り、現在それは死んだ」という彼の信念を述べている。当時はまだ起こっていなかった香港の中途半端な結果にもかかわらず、ウォーラーステインはグローバルな北による、全てを「取り」何も「与える」ことのない古い体系は終わったと信じている。「それは多かれ少なかれ2003年9月のカンクーンで水に流された」と彼は記した。先進諸国に対して発展途上諸国が市場を開放する条件として、これから発展途上諸国は先進諸国が報いることを要求するであろう。チャベスのボリバル革命の主要目的は、実際にそれが起こることを保証することである。ウォーラーステインの原文記事

特筆すべきはベネズエラが第6回世界社会フォーラムと第2回米州社会フォーラムの開催地として選ばれ、2006年1月24日から29日にかけて〔首都〕カラカスで開催されるということである。主催者達が年に一度開催されるのを望む、この2つの行事は、数多くの出席者と多くの有名な進歩主義者や活動家を引き寄せている。世界社会フォーラムがそうしているように、その評判が高くなるにつれ、それは同様にチャベス政権を強固にし、彼のボリバル革命を拡大させ、中南米や他の地域の発展途上国に彼ら自身のそれに着手することを手助けする可能性がある。

ベネズエラ体制転換のための可能性があるいくつかの米国計画

米国が反対する外国の指導者や政府を弱体化させ転覆させることは、米国にとって何も新しい事ではない。1947年の国家安全保障法が、解体された戦時中のOSS情報局を取り替え、中央情報局〔CIA〕(と国家安全保障会議−NSC)を設立して以来、CIAは情報収集や分析をはるかに超えた活動に従事してきた。それは、米国益に対して屈従しない指導者を持つ諸国家の体制転換を含む米国対外政策を支える秘密の活動に幾度も従事してきた。1953年に始まり、セオドア・ルーズベルト〔米国第26代大統領〕の孫であり、フランクリン〔ルーズベルト米国第32代大統領〕の従兄弟のCIA工作員カーミット・ルーズベルト〔Kermit Roosevelt〕はイランのモハンマド・モサデク〔Mohammad Mossadeq〕首相に対するクーデターを首尾よく工作した。それが起きたのは収入分配に関する口論に引き続き、彼が英国=イラン所有の石油企業を国営化した後であった。訳注3その後の1954年にCIAは、グアテマラのハコボ・アルベンスを排除した、別の成功したクーデターを決行し、それはグアテマラで巨大企業のユナイテッド・フルーツ社が、彼の極端ではない土地改革計画に反対したからである。それ以来今日まで、この機関は、米国が取り替えることを望む政府を不安定化し、引きずり降ろす手助けをするという、長く汚れた記録を積み重ねてきた。その多くが中南米で起きており、その大部分がクーデターによるか、多くの場合「事故」(例えば「不運な」飛行機の墜落)として偽装された暗殺によって行われてきた。

チャベス大統領を一時的に排除させたが、2日で頓挫した2002年4月のクーデターに対する米国の関与を示すCIAの機密文書を、調査報道記者で作家のエバ・ゴリンガー〔Eva Golinger〕は、情報自由法(FOIA)を通じ暴露した。そこに絡んでいたのはCIAの共謀と、連邦議会に完全に資金供給された準政府機関の米国民主主義基金(NED)と、米国国際開発庁(USAID)が関与した、2001年に始まる複雑な資金供給の計略である。この2つの機関はチャベス反対派グループに(USAIDはその所属機関である移行イニシアティブ室−OTIを通じ)資金を提供し、そのグループがその結果、あの日のクーデターに繋がってゆく大規模で暴力的な通りでの抗議に関与した。NEDとUSAIDはさらに、2002年末から2003年の打撃的な石油ストライキや、大統領を公職から追うことに失敗した2004年8月の罷免国民投票のような、他の不安定化させる活動にも資金を提供した。ゴリンガーが入手した文書は米国務省、国家安全保障局とホワイトハウスがこれらの活動を十分承知しており、それらを承認したはずであることを明確に示している。訳注4

2004年2月にハイチで、米国が率いたクーデターがアリスティド大統領を追放した後にそうした様に、2002年4月、米国はチャベスが辞任したと偽って主張したが、実際には彼はベネズエラ軍の共謀した高官たちに拘束されたのであった。彼が拘束され、ミラフロレス宮殿(大統領官邸)から連れ去られた後、ベネズエラの商工会議所連合会(Fedecamaras)の会長のペドロ・カルモナは自らを大統領であると宣言し、直ちに国民議会と他の民主的な制度を退け、チャベスのボリバル主義改革の廃止に取り掛かった。この全てがチャベス支持者を激怒させ、彼らは一団となって結集し、ベネズエラ軍内の他のものの支援を得て、2日後にチャベス大統領の復職を成し遂げた。

公職への彼の復帰以来、チャベス大統領は明らかに米国の標的一覧に乗っており、それは2002年から2003年の石油ストライキと、不首尾に終わった2004年の罷免国民投票への米国の関与により立証されている。3度の試みが失敗に終わったとはいえ、過去の米国の介入は革新的であり、不安定化の試みが失敗した後に新しい策略を採用することができることを示してきた。莫大な炭化水素の埋蔵量を有するベネズエラを支配することが米国にとって重要なため、ウゴ・チャベスを退陣させる次の試みは、ただ時間の問題のように思われる。おそらく4番目の介入は、2006年にチャベスが再選のため出馬する時か、あるいは彼が現在の任期を終える前に起こるであろう。

ウゴ・チャベス自身、彼を暗殺する米国の計画があると信じている。彼は正しいかもしれない。更に、2004年の隣国コロンビア軍によるクーデターの試みについての信用できる証拠があり、同年5月にカラカス近郊のブルタの農場で彼らは逮捕された。逮捕された者達は、ベネズエラ軍の基地を襲撃し、武器を奪い、3千人の準軍組織を完全に武装させる準備のためそこに送られた、と述べた。訳注5

ニューヨークのビンハムトン大学名誉教授で中南米専門家のジェームス・ペトラス〔James Petras〕によれば、米国には「2段階」の手法で、ウゴ・チャベスを軍事力で打倒し、同時にキューバ革命を破壊する策略がある――「まずベネズエラでチャベス政権を転覆し、(キューバへの)エネルギー供給と貿易関係を断ち切り、その後に経済上の抑圧と軍事攻撃に着手する。」さらに彼の考えでは、チャベスを打倒するため、米国は「三角戦略」を用いる――「コロンビアからの軍事侵攻、(海と空からの攻撃に加え、主要な政府高官たちを暗殺する特殊部隊による)米国の武力干渉、そして主要メディア、金融・石油エリートに支持された、潜入したテロリストや軍の反逆者らによる国内の反乱。」これに先立ち米国は、コロンビアが軍の規模を3倍の27万5千以上にし、最新のヘリコプターと爆撃機を追加し、「最先端の軍事技術」を受けるために、(推定上は「麻薬戦争」のための)軍事支援としてコロンビアに30億ドルを提供した。

2002年4月のクーデターの試みと失敗した罷免国民投票の前、そして石油ストライキの最中に、米国世論が彼の強制された免職を肯定的な変化が起きたとして受け入れさせるよう仕込むために、米国は反チャベスのレトリックを激化させた。チャベスを排除する次の米国の試みに先立ち、同様の悪魔化のレトリックが予想されるし、実の所それは既に始まっている。2005年初頭に、「2005年の世界的諜報の課題:長期的戦略による長期的課題の対処」についての米上院情報特別委員会において、CIAのポーター・ゴス長官は証言した証言原文リンク。証言内で彼はベネズエラを「不安定の潜在的領域」と「発火点」として言及した。彼はさらにウゴ・チャベスは「彼の敵対者を標的にして、厳密に言えば合法な方策を用いて、彼の権力を強固にしており、その地域で干渉をしている」と主張した。他の政府高官らは、チャベスは「地域の消極的な勢力」であり、「専制政治の新種」である、と主張した。そして微塵の皮肉もなしに、彼らはベネズエラ政府を「専制民主主義」であり、「民主主義に対する脅威」、そして「選出された独裁政権」と呼んだ(明らかな矛盾語法であり、オーウェルは満足しているであろう訳注6)。さらにロバート・ゾーリック国務副長官によるチャベスについての発言がある。「選挙に勝ちはしたが、法の支配を廃止し、司法機関を牛耳り、そして(チャベス)は反民主的な活動を実行している」独裁者のように。恥知らずで、自発的な共犯者として常に歩調を合わせた米国企業メディアは、米国益と安全保障への地域的な脅威としてチャベスを描写する、反チャベスの意見を繰り返してきた。この類のレトリックが新しい年〔2006年〕にも継続・激化した場合、何かが目論まれている明確な徴候であろう。

さらに米国は軍事基地をペルー、エクアドル、ドミニカ共和国に設けており、飛行機、武器と装備を伴う軍隊をパラグアイに有しており、その国で大型航空機を扱うことが出来、1万6千の軍を収容可能な新しい基地が計画されている。また米国は兵力とレーダー基地を他の中南米諸国に配置しており、そこにはコロンビアの800人の部隊も含まれ、それに伴うのは、ブッシュ政権の2004年にその数を1400人に引き上げるという明言された計画である。そして当然ながら、キューバのグアンタナモには「敵性戦闘員〔enemy combatant〕」のための便利な海外収容所として利用されている、論争の的となる基地がある。

南米における、この拡張された軍事力は、ウゴ・チャベスを排除する計画的な襲撃に先立っているのかもしれない。それは同様に、選出されたばかりのボリビア大統領エボ・モラレス(アイマラ族でボリビアでの初の先住民大統領)と彼の政党社会主義運動(MAS)を目標としている可能性もある。モラレスは彼の国の莫大なガス埋蔵量と他の資源(特に水)を国営化する(が没収はしない)意向を述べており、その目的は国の国内収入の多くを、経済発展と人々への公共事業提供のために確保することにある。投票率84.5%で、モラレスは(有力な右翼対抗者の28.5%の2倍に近い)54%の獲得票で見事に勝利した。モラレスが実際には54%を凌ぐ数を得たことはあり得ることであり、その背景にはボリビアとその地域の他の場所での投票操作と不正の長い歴史がある。これほど見事に彼が勝利したという事実は、人々の彼に対する支持が強力であり、ある程度の票を奪っても彼を止められなかったということを示している。そして彼の人気は議会選の結果に対しても影響を及ぼし、モラレスのMASは下院の130議席のうち多数である64議席を獲得した。モラレスは1月22日に就任し、5年の任期を開始する。訳注7

彼に対する不穏な徴候は、モラレスの当選は「中南米の自由にとって更に悪いニュースである」と主張したウォールス・トリート・ジャーナルの社説に表れている。社説は続けて、彼が率いている、コカレロス〔cocaleros〕(ケチュア先住民族のコカ栽培農民)は、「米国に関するもの全てに反対する...過激な政治勢力」であり、「モラレスの経済政綱はボリビア人に未来を約束せず、ただ復讐のみである」と述べた。選挙後初の外遊に、モラレスは、ボリビアとキューバの関係を話し合うために、フィデル・カストロを訪問することを選んだ。1月上旬に世界巡歴を開始するモラレスは同様に、旅費込みで招待した(中国とフランスを含む)7つの国の指導者らとウゴ・チャベスを訪問する事となっている。ブッシュ政権は彼らが計画している、彼に対するいかなる行動をも正当化するために、少なくともカストロとチャベスとの会見を、モラレスについての敵意を含んだ今後の言論に利用するであろう。

モラレスは選任されたばかりであり、実際の所いかにして彼が政治を行うのかは明確ではない。しかし、早期のインタビューで彼は、法令によりボリビアを「自由市場」と民営化政策を採用した中南米で最初の国にした、1985年の法案である大統領令第21060号の覆しが大統領としての最初の措置であると述べた。モラレスは、経済政策の基準となる新しい法を通過させる新しい議会と働いていくと述べた。彼はさらに富裕層に新しい税を課することを計画している。彼の計画が実行され、ベネズエラの政府に倣って彼の政府を作り上げることを試み、成功したならば、彼は疑いなくもうひとつの米国の除去の標的となる。

ペトラス教授が米国が立てたと言う計画に、米国が着手するかどうかは分からないが、新年になればはっきりしてくるであろう。最善の情勢の下ですら、計画実行は、米国の圧倒的な軍事的優位にもかかわらず、容易にはいかないであろう。米国に承認された別の指導者が大統領職に就きチャベスの政策を覆した場合、ウゴ・チャベスが受けている大規模な国民の支持は、混乱とおそらく抵抗を引き起こすであろう。更に、ブッシュ政権は少なくとも以下に挙げる理由によりチャベスに対し行動をとることを抑止されている可能性がある。

――米国は既にイラクの絶え間ない争いにおいて泥沼にはまり込んでいる。

――おそらくどちらかの国、あるいは両国に対する攻撃に先立ち、イランとシリアに対するレトリックを徐々に高めている。

――イラク戦争の莫大な費用と、多額で拡大し維持できない予算と経常収支赤字が、別の介入に対する議会と世論の支持の妨げになりうる。

――ブッシュの支持率は急降下し、支持基盤と自身の政党からの支持も失っており、軍最高司令部はイラクからの撤退を望んでいる。

――秘密裏にブッシュにより許可された、新たに暴露された違法で令状なしの国内盗聴問題訳注8や、建前としては核物質の捜索としてのイスラム教の会社や家庭への不法な押し入りと監視(両者とも憲法修正第4条〔不当な捜査と押収の禁止〕の明らかな侵害)が、とうとう民主党と若干の共和党の怒りを誘発させた。同様に、住居の赤外線ランプを感知するために熱画像撮影装置を利用することは、修正第4条で「捜索」と規定されることであり、令状を要するとした、2001年の米国対カイロ連邦最高裁判所の判決にも違反している。判決はアントニン・スカリア裁判官により書かれた。訳注9

――進行中の特別検察調査はルイス・リビー〔元副大統領首席補佐官〕に止まらず、調査が完了する前に、ことによると政権の最高レベルに及んで更なる起訴に至るかもしれない。

――トム・ディレイ〔Tom Delay〕や政府のその他大勢が関与している、ジャック・アブラモフ〔Jack Abramoff〕の財務・政治スキャンダルは、ワシントンにおける過去最大のスキャンダルになりうる。

――最高レベルで許可された拷問の系統だった利用と、施設を容認した諸国の拷問施設への「引渡し」飛行は世界を憤慨させた。これに加えて、拘束力が弱いマッケイン修正条項はこれを止めることは殆どなく、そのうえ、抑留者の、侵害してはならない憲法上保証された人身保護の権利を無効にする、新たに制定されたグラハム修正条項は、拷問被害者が米国裁判所で賠償を求めることを妨げる。これらの新しい法は憤りを増大させるのみである。

――そして、数人の議員が弾劾について言及し始めている。すでに、弁護士ジョン・ボニファズ〔John Bonifaz〕が「Warrior-King: The Case for Impeaching George W. Bush〔戦士王:ジョージ・W・ブッシュ弾劾の論証;原書」という新しい本において、弾劾を主張している。また、国際法と人権の著名な専門家兼学者である、イリノイ大学法学部教授フランシス・ボイル〔Francis Boyle〕は同様の意見を持っており、2003年1月に適切な形で下院に提出するため、「ジョージ・W・ブッシュ大統領に対する弾劾決議草案」を起草した訳注10。加えて、驚いたことに、ウォール・ストリート・ジャーナルを発行している、ダウ・ジョーンズ〔Dow Jones& Co〕により発行されているバロンズ・マガジン〔Barron's Magazine〕が、12月にその社説において弾劾の可能性に言及した。社説は憲法を侵害し独断で行動する大統領に対する憂慮を述べたのち、「大統領を議会よりうえに置くことは専制の誘因となる。大統領は憲法に明記されている権限と、法により規定されたそれ以外の権限を持たない」と述べた。同様に共和党員であり、元ニクソン政権の法律顧問であったジョン・ディーンが、ジョージ・ブッシュは「弾劾されるべき違法行為を認めた最初の米国大統領」であるという深刻な懸念を表明したことに触れるのは価値があるであろう。訳注11

以上全てと、崩れ始めた政権の明瞭な響きを考慮すると、ジョージ・ブッシュと彼の側近たちですら、新たな企てに着手する前に熟考するかもしれず、その様な企ての結果は全くもって不確かである。成り行きを見守ろう。



訳注:

〔1〕それぞれのミッションについては以下参照:

バリオ・アデントロベネズエラ政府サイト(スペイン語);「医療運動『バリオ・アデントロ』」(アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名運動)
メルカルベネズエラ政府サイト(スペイン語);メルカル:ベネズエラにおける貧困の減少と国家的食の主権の創出(当ブログ翻訳記事)
ロビンソンベネズエラ政府サイト(スペイン語)
リバスベネズエラ政府サイト(スペイン語);「無料医療と識字学級の全国的広がり」(アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名運動)
スクレベネズエラ政府サイト(スペイン語)
グアイカイプロベネズエラ政府サイト(スペイン語)
アビタトベネズエラ政府サイト(スペイン語)

〔2〕在ベネズエラ日本国大使館サイトでは、スール銀行(Banco del Sur)とある。

〔3〕イランにおけるCIAの介入については「イラン石油国有化後のCIAの策謀」(日本語ディプロ,ディプロ日本語版)等を参照。

〔4〕ここで語られている諸機関による反対派への資金の流れと、米国介入の仕組みについては当ブログ翻訳記事「ベネズエラに対する米国の介入の仕組み」を参照せよ。

〔5〕コロンビア軍によるクーデターの試みについて詳しくはWikipedia記事や「アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名運動」記事を参照せよ。

〔6〕ここで言及されているのは1949年に書かれた小説「1984」の著者ジョージ・オーウェルのこと。この小説でダブルスピーク(二重語法)という語法が登場するのだが、当翻訳記事にも見られるように、あたかもそれは現在の政治や外交を表しているかのようである(戦争は平和、自由は屈従、無知は力、テロとの戦い等)。また英語圏では「Orwellian」という単語が常識的に使われる。(参照元

〔7〕英語版ウィキペディアによれば最終結果は、モラレスが1,544,374票(53.7%)、二番手(Jorge Fernando "Tuto" Quiroga Ramírez)が821,745票(28.6%)を獲得。最終的にMASは下院130議席中72議席、上院27議席中13議席を獲得。(参照元1参照元2

〔8〕ブッシュの違法盗聴問題は「暗いニュースリンク」が詳しい。

〔9〕米国対カイロ連邦最高裁判所判決についての日本語翻訳記事は「連邦最高裁、ハイテク透視捜査にも令状は必要と裁定」(WIRED NEWS)を参照せよ。

〔10〕ジョン・ボニファズの決議草案原文はこちら。また、しんぶん赤旗は2001年9月24日付けの記事でフランシス・ボイルとのインタビューを掲載している。

〔11〕「暗いニュースリンク」にジョン・ディーンによる記事の翻訳が掲載されている。


補足:なお、この翻訳記事の原文を下敷きにした鈴木頌氏の「ボリーバル運動: チャベスの挑戦」という論文が「ラテンアメリカの政治」に掲載されている。

また、truthout.orgというサイトが当翻訳記事でも言及されている世界社会フォーラムの報告のビデオを配信している。「Venezuela Day 1:Kickoff at the World Social Forum(ベネズエラ第一日:世界社会フォーラム開幕)」では世界社会フォーラムの模様とその熱気が報告されている。「Venezuela Day 2:The Opposition to Chavez(ベネズエラ第二日:チャベスに対する反対)」では反対派のデモ行進の模様と反対派の意見が報告されている。「Venezuela Day 3:Into the Barrio(ベネズエラ第三日:バリオへ)」は貧困層移住区と食料配給の模様の報告。「World Social Forum Finale(世界社会フォーラム終章)」ではフォーラム参加者の声を報告し、「Uh! Ah! Chávez No Se Va(チャベスは去らず)」と言う曲の演奏で締めくくられる。



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posted by Agrotous at 21:23 | TrackBack(1) | ベネズエラ
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Weblog: 代替案
Tracked: 2006-02-17 13:38
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