2006年02月02日

(原文で文中に表示されているリンクは末尾に記載した。)


21世紀の社会主義
〔Socialism in the 21st Century: Original Article in English/ZNet原文

ジュディ・レビック〔Judy Rebick〕rabble.ca;2006年1月29日


「私たちは参加型民主主義を伴った、21世紀の社会主義を構築している、」ベネズエラのカラカスでの〔マリでのアフリカ会場を6番目と数えて〕7番目の世界社会フォーラムの開幕デモの始めに、若い政治学の学生は私に語った。

これは多中心社会フォーラムと呼ばれる今年の3つのフォーラムの内のひとつである。マリのバマコでのフォーラムは終了したばかりであり〔1〕、もうひとつは3月にパキスタンのカラチで開催される〔2〕〔ベネズエラでの〕フォーラムは南北アメリカ人のためのフォーラムであるが、焦点は中南米である。

〔北米に比べ〕デモ行進は色彩に欠き、行事は遥かに混沌としているが、政治論議は遥かに奥深く刺激的である。開幕パネルディスカッションのひとつで、ある発言者が言ったように、「私たちは(中南米で)新自由主義に対する守勢から攻勢へと転じた。」

しかし中南米全域の社会主義者政党の選挙に対する応援はない。と言うのは、彼らが社会主義者と言うとき、純粋な社会主義者を指しているからである。チリにおける、新自由主義の政策を支持する社会民主主義者、ミシェル・バチェレ〔Michelle Bachelet: ミチェレ・バチェレト表記あり〕〔3〕の当選のことは殆ど言及されず、中南米における始めての女性指導者という偉業もまた然りである。

そこには深い考察があり、諸独裁政権の希望に満ちた打破から、破滅的な新自由主義の構造改革を経て、大規模な集団運動の目覚しい高まりへと至った、中南米の過去10年から15年の経験についての自由な論議がなされている。メキシコのサパティスタから、ブラジルの土地無し運動、アルゼンチンのピケテロス〔Piquetaros:道路封鎖等を通じて運動をしている〕、エクアドル、コロンビア、そしてもちろんボリビアにおける先住民族の人々の台頭まで、諸勢力の政治的均衡は貧しい者たちと持たざる者たちに有利に変化してきた。これこそが、多くの発言者によれば、左翼政府が選出されてきた理由なのである――が、これからどうするのか?

行事に参加していた、あるカナダ人の労働組合指導者が述べたように、「答えよりも更に多い問いが残されている。」だが問いは、社会変革についての新しい政治的思想へと道を示す、と私は思う。

MST(土地なし農民運動)〔4〕のリカルド・ヘブリン〔Ricardo Gebrim〕は、「歴史を通して、いかなる政治政党も、たとえどれだけ左翼であろうと、選挙至上主義〔Electoralism〕に陥り、右翼に移行することなく、政治権力を獲得することはなかった。私たちが築き上げなければならないものは、ちょうど良い革命的な時に権力を取る、ボリビアでの様な、強力で一致団結した政治運動である」と言った。

ベネズエラ大学のマルガリータ・ロペス・マジャ〔Margarita Lopez-Maya〕は、革命的な運動が権力の座に就いたとき、それは新自由主義の政府を破壊し、憲法制定国民議会のような新しい機関や制度を作り出さなければならない、と言う。これが平和的な手段で成し遂げることができるであろうか、と彼女は訊く。

「平和な解決策は、主要な関係者と彼らの倫理上の力と平和に対する義務にかかっている」と彼女は答える。「そしてまた、妥協を受け入れるエリートの意欲に。」

________________________________

〔カナダの国際貢献NGO〕Alternatives〔5〕が準備した低所得層移住区への訪問で、この〔ウェブ〕フォーラムの管理に専念している、rabble.ca〔当記事の掲載元サイト〕の一関係者として私は、新しい機関や制度と言って彼らが意味しているものに対する、ある程度の理解を得た。「私たちは共同体での需要を確認するよう人々を結集している」と若い組織家は語った。「政府は私たちが決定した解決策を支持している。」

ウゴ・チャベスが政権に就く前からこの様に組織し始めていた、この共同体は他よりも前進している。そこには食品生活協同組合があり、同様に協同で運営されている医療クリニックと交流センターがある。これがあのカラカスの学生が語っていた、参加型で地方分権化された、人々の社会主義である。

大衆運動と選挙政治との間の関係とは何なのかは、ここでは論議の中心問題である。政治政党は必然的に失敗すると論じる人もいれば、社会運動は権力を首尾よく手にするための的に限定されすぎていると論じる人もいる。だが過去の世代の左翼についての論議とは異なり、ここ社会フォーラムにおける討論は、分裂し対立的ではなく、思慮深くて、人を引きつける。所感としては、中南米は革命的な変革の歴史的な瞬間の真只中にあり、彼らは70年代から80年代の中南米全域の左翼の敗北へと至った過去の過ちを繰り返すことを望んでいない。

現時点までで最も勇気付けられる発言のうちのひとつは、エクアドルのブランカ・チャンコソ〔Blanca Chancoso〕〔6〕のそれである。彼女は先住民族がもたらす経済的社会的な解決策について語った。私が今まで聞いた他の誰よりも旨く、彼女は新自由主義の衝撃を説明した。

「彼らは経済のみを基に、そしてある種の人々のみが支配するに相応しいという思想を基礎に、社会を築こうと望んでいる。だが彼らには劣悪な環境に対する責任がある...彼らは人々に移住を強い、家族の崩壊を強いた。私たちが悪い親であるということではない。私たちには子供たちの面倒をみるための安定した職がない、ということです...彼らは私たちを分裂させようと試みる。エクアドルでは、彼らは私たちにペルーが私達から物を奪おうとしていると告げたが、私達から物を奪っているのは石油企業なのです。私たちはこの様な作り話を鵜呑みにはしません。私たちは何が実際に起きているのかを知っており、それは彼らが最高の取り分を欲しているということです...私たちが望む事は多様な尊厳なのです。」

彼女は先住民族が500年間生存してきたのには理由があり、彼らの文化ゆえのみではない、と説明した。「私たちは賢い人々なのです。私たちは他の誰よりも現実を知っている。私たちは経済上の解決策を持っている。私たちはチャベスがキューバの医師と石油を交換しているような、物々交換をしている。私たちは相互に助け合う関係を実践している。人が何かを必要としているとき、見返りを要求せずに与えるのです。ハリケーン・カトリーナの時期に、チャベスが〔米国に〕援助を申し出た様に。私たちは、必要としている者に手を差し伸べるのです。」

「スペイン語ではそれを「連帯」と呼ぶ。彼らが被った経済封鎖と経済的苦難にも関わらず、キューバが私たち皆に提供した支援のように。そして私たちは協同の労働、責務ではないが、共同体の枠組みを共に築く道義を呼びかける有志の努力という思想を持っている。この様な思想やこれに似た他の思想は、私たちが共に築き上げることのできる、新しい経済、多国籍・多文化の状況の基礎となることができる。」

「共に新しい力を、人々の力を築いていこう、」と彼女は結んだ。「制度を変革し、私たちが本当に望むものを手にし、私たちの夢を現実にするために。」


ジュディ・レビックはトロントのライアソン大学・社会公正のSam Gindin Chair〔カナダの大学で初めて組合により寄付された教授職〕に就いている。この記事の初出はwww.rabble.caにおいてである。



原文リンク

〔1〕http://www.fsmmali.org/?lang=en

〔2〕http://www.wsf2006karachi.org/

〔3〕http://news.bbc.co.uk/1/hi/world/americas/4087510.stm

〔4〕http://www.foodfirst.org/pubs/backgrdrs/2003/sp03v9n2.html

〔5〕http://www.alternatives.ca/eng

〔6〕http://www.yachana.org/reports/ftaa/blanca_chancoso.html

posted by Agrotous at 00:19 | TrackBack(0) | ベネズエラ
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